説明

Ginza Choshuya 東京都中央区銀座3-10-4 月–土 9:30–17:30 釣りをしていたことがきっかけで周の西伯(後の文王)と出会い軍師として招かれた�太公望。『六韜』、『三略』は太公望ゆかりの兵法書と伝えられている。それらは戦闘法だけではなく、理想の為政者像や、国を富ませるため農業、工業、商業の『三宝』を大切にすることまでをも説いている。縁に描かれた農村風景は正にその『三宝』。珍しい赤銅地の作で、打ち出しの強い高彫とし、地には魚子を撒いている。頭には、覆いかぶさるような大樹の下で釣り糸を垂れる太公望の姿を、縁は農夫が牛に犂を引かせて田を耕している。木陰には急須と湯飲み。物語が立体的に展開する宗典の特徴は本作にも顕著で、頭の側面にまで濃密に彫刻と象嵌が施され、色彩豊かな煌びやかな作である。

太公望図縁頭 銘 江州彦根住藻柄子宗典製
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太公望図縁頭 銘 江州彦根住藻柄子宗典製

縁頭

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作者について

Hikone Soten宗典

10 重要刀剣

藻柄子宗典は、元来は京都の出身と伝えられ、後に江州彦根に移住し、彦根彫の祖とされている。初銘を秀典と称し、彦根御家中川北氏の抱え工となり、氏を喜多川と改めたという。同名二代が存在するとされ、現存する行年紀作などから、初代の活躍期は江戸時代前期から中期にかけてと推定される。美濃彫の流れを汲むとも伝えられ、作風に後藤風、美濃風が見られるとする見解もあるが、後藤家に学んだと見られる大きな特色はないとする指摘もある。 宗典の作風は、鉄地または赤銅地を高彫、象嵌色絵で飾るものが多く、特に鉄地高彫に色絵象嵌を施した作に傑作が多いとされる。題材は武者、竹林の七賢、花鳥、藻貝尽くしなど多岐にわたり、本作のように唐人物や群仙図といった人物を主題としたものも存在する。色絵には金、銀、赤銅、素銅など各種の色金を用い、華やかで賑々しい作風を特徴とする。赤銅魚子地高彫の作も存在し、金覆輪を施したものも見られる。作風は緻密であり、その彫口はおおらかでゆったりとしており、観る者を幽玄の世界に誘うと評される。 宗典の作は、その濃密な彫法で名を馳せ、彦根彫の代表工として知られる。しかし、その名声故に、後代の彦根彫りの作品に宗典の銘が多用され、粗悪な作品にも刻銘されているのが現実である。真作においては、賑々しい作柄に品格を兼ね備えた豪華な優鐔が多く、行年銘が貴重である。保存状態が良いことも評価される点である。

刀剣商

銀座長州屋

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