二十世紀は二度この工芸を殺しかけた。戦時の歪みと、占領下の禁令である。1948年の日刀保設立と1953年の作刀再開が刀を美術として再建し、人間国宝と無鑑査がその頂に立つ。
元久は、橋本勇男と言い、昭和九年、愛知県蒲郡(がまごおり)の出身、一家は幕末より続く刀鍛冶家系で、石堂運寿是一の系統に当たり、元久で四代目になります。戦後父武則の元で学び、新作刀展では、入選以上二十七回を数える刀工、備前伝乱れ刃、大和伝柾目鍛え、肥前刀の直刃を得意とし、斬れ味鋭いことでも有名です。また戸山流抜刀道師範で、後に中村流抜刀道を興し、『八方斬り』の創始者でもある、故中村泰三郎先生(一九一二~二〇〇三)の愛刀としてその名を全国に知らしめました。 本作は、同工四十歳の頃の作、寸法二尺三寸九分弱、細やかに詰んだ精良な地鉄、 互の目丁子乱れ主体の華やかな刃は、刃中互の目足、丁子足長く太く頻りに入るなど、典型的な備前一文字写しです。 寸法十分で姿良く、鞘を払って990g、大変扱い易い重量感です。 本作は樋を入れていますので、居合い又は観賞用向けの一振りですが、『八方斬り』の中村名人が、数ある現代刀の中でこよなく愛した元久刀、現代の大業物です。
在銘 · Ishido Unju · 昭和 · 長さ 72.3cm · 反り 1.8cm





Aichi · 1926-1989頃
現在2点販売中
昭和から現代へ 断絶と再生
二十世紀は二度この工芸を殺しかけた。戦時の歪みと、占領下の禁令である。1948年の日刀保設立と1953年の作刀再開が刀を美術として再建し、人間国宝と無鑑査がその頂に立つ。
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