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概要·鑑定·指定·刀姿·銘·流派
概要鑑定指定刀姿銘流派
  1. 流派
  2. 法城寺
  3. 正照

Hojoji Masateru

正照

重要
巻 25, 番 303 · 刀

Hojoji Masateru

正照

評価作品5点

国武蔵時代Jokyo (1684–1688)時代区分江戸流派Hojoji伝法相州伝藤代Jo saku刀工大鑑350(上位49%)種別刀工コードMAS975
5重要刀剣

概要

第三十一回の重要刀剣の刀について、公刊の説明はこれを彼の得意とした中直刃に焼き、匂深く小沸がよくつき、金筋が入り、匂口が明るいとし、「正照快心の一口」と結ぶ。越前守橘正照は江戸時代の法城寺一派の刀工で、相州伝系の同派は本源を但馬に持ち、その分流を新刀期の江戸に伝えた。公刊資料は、彼が法城寺正弘の門に学び、越前守を受領し、のちに羽後秋田に住したと伝え、「一門中の上手」に数える。長銘は指表、目釘孔の下棟寄りに切り、越前守法城寺橘正照と読み、少数の作には銘の上に菊花紋を毛彫にする。

彼の特色ある作風は、判者が得意と称する中直刃である。公刊資料は彼の直刃の作を「殊に直刃の作には優れたものがある」とし、また「特に直刃の出来には優れたものがある」と記し、その中直刃を「彼の得意とした中直刃」と挙げる。刃文は中直刃を基調に互の目足が入り、放胆な作では直刃調が僅かにのたれ風をおび、上半に互の目足がさかんに入る。匂深く小沸がよくつき、刃縁処々ほつれ、細かに砂流しがかかって金筋が入り、総じて匂口は明るく冴える。帽子は直ぐに小丸へ返り、一口の裏は僅かに掃きかける。

鍛えは小板目に時に杢を交えてよくつみ、地鉄もよいと公刊の説明は記す。その地に地沸がつき、優品では微塵に細かによくつき、地景が入る。姿は典型的な寛文新刀の体配で、鎬造・庵棟、反り浅く中鋒つまり、元先の身幅に開きがあって踏張りごころも見られ、後年の一口は三ツ棟に反りやや深めとなる。彫物は表裏に施す作があり、一口は腰樋に添樋、一口は棒樋に添樋を丸留めにする。総体は公刊の評にいう「法城寺一派の典型的な出来口をあらわしている」ものであり、「典型的な寛文新刀の姿を示し、地刃の出来も傑出している」と記される。

この一様の作域の中に、作風の変化ではなく茎に係る一つの作域が際立つ。長銘の上に毛彫にした菊花紋である。公刊資料はこの紋の意味を「如何なる意味かが明白でなく」とし、他の同作には殆んど見ないとして、これを初二代の問題の要とする。菊花紋を切ることは「同名二代と伝えられている」が、公刊の説明は、直刃の匂立ちが見事である初代の傑作によって、それが初代以来のことであると判じ、その刀を「初代正照の傑作の一本」と称する。在銘の刀は寛文頃から後年の江戸期に及び、菊花紋の一口は、正照自身の銘の下に前嶋八郎友次の金象嵌の二ツ胴・脇毛截断の銘を帯び、裏に出雲大掾藤原吉武の長銘を切って合作とする。

公刊資料は彼を対比ではなく、その一派と類似によって位置づける。法城寺派を長曽祢虎徹と何等かの関係にあるものとし、「殆んど虎徹を見るような作があり」、地がねもよく、刃文は「互の目の刃文、直刃の刃文にも、匂深く小沸がよくついて明るく冴えた」もので、帽子も虎徹によく似ているとする。互の目足を交えた中直刃、匂深く匂口明るい刃、つんだ小板目に微塵の地沸という自身の本領こそが、彼を一派中の上手の直刃の工たらしめており、判者が引く類似は上に向かう、すなわち沸づいた刃の江戸の名手に対してである。彼を囲む江戸法城寺の交わりは密で、「上総介兼重と助九郎兼常との三人合作の遺例が数口現存」し、その他にも兼重・四代康継との合作、出雲大掾吉武との合作刀が遺り、これらの工が密接な関係にあったことが窺われる。

藤代の格付は作。指定は重要刀剣五口で、これより上の指定はない。四口が自身の在銘、一口は判者が初代の在銘作と読む菊花紋の刀である。国宝・重要文化財はなく、これらの刀に大名家への古い伝来も記録されないため、指定作の全ては流通の級にある。とはいえその数は売り物の数ではなく、指定刀の多くは私蔵・公蔵を問わず留め置かれ、在銘の越前守法城寺正照が市に出るのは折々のことに過ぎず、截断銘や合作銘を帯びた一口はなお稀である。公刊資料は彼の優れた直刃を法城寺一派の典型的な優品とし、第三十一回の刀を「正照快心の一口」、第四十回の刀を「同作中の優品」と評する。その域の一口は、蒐集家が稀に、辛抱して出会う類のものであり、明るい直刃に加えて江戸法城寺の記録における位置ゆえに価値づけられる。

鑑定

公刊資料が得意とした作と記す中直刃を本領とする法城寺・江戸の作域。指表棟寄りに長銘を切る在銘の寛文新刀の刀を中核に、小板目の鍛えに互の目足を交えた直刃を焼く。傍らに、初二代の別を論ずる菊花紋を切った一群の作域が立つ

越前守橘正照は、法城寺正弘の門に学び、越前守に任じ、のちに羽後秋田に住したと伝える、但馬を本源とし江戸に分かれた相州伝系の法城寺一派にあって、一門中の上手と公刊資料に記される刀工である。得意とするのは中直刃で、小板目に杢を交えてよくつみ、地沸がつき地景の入った鍛えに、互の目足を交えた中直刃を焼き、匂深く小沸がよくつき、細かに砂流しがかかって金筋が入り、匂口が明るく、刃縁処々ほつれ、帽子は直ぐに小丸へ返る。長銘は指表棟寄りに切り、一部の作には銘の上に菊花紋を毛彫にする。公刊の記録はこの作風を長曽祢虎徹に迫るものとし、地鉄もよく、一派の直刃・互の目いずれも匂深く小沸よくついて明るく冴えると評する。上総介兼重・四代康継・出雲大掾吉武との合作刀が遺り、江戸法城寺一派が密接な関係にあったことを示す。

鑑定の決め手

公刊資料が挙げる本領の見どころ。「殊に直刃の作には優れたもの」があると記され、彼の得意とした中直刃は匂深く小沸よくつき匂口明るい

直刃を基調に互の目足が入り、放胆な作では上半に互の目がさかんに入る。公刊資料はこの直刃に互の目を交えた出来を法城寺一派の典型とする

少数の作域。長銘の上に菊花紋を毛彫にし、他の同作には殆んど見ないと公刊資料が記す。初二代の別はこの紋をめぐって論じられる

作風の変遷

典型(互の目足を交えた中直刃、匂深く小沸よくつき匂口明るい、寛文新刀)

姿は鎬造・庵棟、反り浅く中鋒、元先の幅差つき踏張りごころも見られる典型的な寛文新刀の体配。鍛えは小板目に杢を交えてよくつみ、地沸がつき地景が入り、地鉄もよいと公刊資料に記される。刃文は中直刃を基調に互の目足が入り、匂深く小沸がよくつき、匂口が明るい。細かに砂流しがかかり金筋が入り、刃縁処々ほつれ、放胆な作では上半に互の目がさかんに入る。帽子は直ぐに小丸へ返り、一口の裏は僅かに掃きかける。彫物は腰樋に添樋、または棒樋に添樋を丸留めにする作がある。公刊の記録は直刃を得意とした作と称し、地刃ともに傑出した、法城寺一派の典型的な優品と評する。

姿 Sugata
地鉄 Jigane
刃文 Hamon
中直刃小沸
帽子 Bōshi
指表棟寄りの長銘、一部に菊花紋を毛彫にする— 長銘は指表、目釘孔の下棟寄りに切り、越前守に法城寺・橘姓を冠する。一部の作は銘の上に菊花紋を毛彫にし、公刊資料はこれを他の同作に殆んど見ないと記し、初二代の別を論ずる手がかりとする
研究

「法城寺正照は正弘の門人で、越前守を受領して上手であり、特に直刃の出来には優れたものがある」「殊に直刃の作には優れたもの」があるが公刊資料の定評である。

同じ資料は法城寺派を長曽祢虎徹と何等かの関係にあるものとし、殆んど虎徹を見るような作があり、地がねもよく、互の目・直刃いずれも匂深く小沸がよくついて明るく冴えると記す。

菊花紋について公刊資料は、他の同作には殆んど見ず如何なる意味か明白でないと記す。紋のある作を同名二代と伝える説もあるが、初代の傑作によって初代以来のことが明白であると公刊の記録は判ずる。

指定

国宝—
重要文化財—
重要美術品—
御物—
特別重要刀剣—
重要刀剣5

名工ランク

0.03 (指定作品5点)

刀工の上位25%

刀姿

評価作品5点の分布

銘

評価作品5点の銘の種類

販売中

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