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概要·鑑定·指定·伝来·刀姿·銘·系譜·流派
概要鑑定指定伝来刀姿銘系譜流派
  1. 流派
  2. 延寿
  3. 國吉

Enju Kuniyoshi

國吉

特重
巻 20, 番 30 · 短刀

Enju Kuniyoshi

國吉

評価作品22点

国肥後時代Bunna (1352–1356)時代区分南北朝流派Enju伝法山城伝代2nd刀工大鑑450(上位31%)種別刀工コードKUN1773
1御物
2特別重要刀剣19重要刀剣

概要

国吉は鎌倉時代最末期から南北朝期にかけて肥後国菊池郡隈府の地に活躍した、延寿派の名工の筆頭に挙げられる工である。説明書はその系を、大和千手院弘村の子で京の来国行の外孫と伝える延寿太郎国村に遡らせ、国吉を国時・国泰・国友・国資・国信・国綱と並ぶ同派代表の一人とし、国村の子とも弟ともに伝える。その二重の出自から一派の性格は定まり、説明書はその作を「概ね山城の来派に類似する」ものとし、直刃に長けながら千手院の系から大和の気質を帯びるとする。延寿各工は個性に乏しいため、多く磨上げられ無銘となったその作は、個性よりも時代と一派によって極められる。

その特色は、流れる地に焼かれた静かな直刃にある。刃文は細直刃あるいは中直刃を本体とし、小互の目・小足を交え、刃縁ほつれ、細かに砂流し・金筋かかり、小沸つき、匂口は多く締まる。その穏やかな刃の中で説明書がしばしば立ち返る働きが二つあり、一つは喰違刃、いま一つは何より刃に沿い帽子へと入る二重刃である。在銘磨上の一口について説明書は「殊に二重刃が目立ってかかっている様には、此の派の特色が顕著にあらわれている」と記す。帽子は直ぐに小丸、時にやや大きな丸となって返り浅く、稀に焼詰め、あるいは掃きかける。

地鉄こそ一派の見どころが先に読まれるところである。板目、しばしば小板目つまった地が刃寄り流れて柾となり、地沸つき、地景入り、処々地斑を交え、白け映りが総体によく立つ。この冷たく霞んだ映りが、目立つ柾ごころと相俟って、来の締まった地鉄から延寿を分かつ主たる点として説明書に挙げられる。同じ記録はその出自の代償にも率直であって、来物に比して地刃やや弱く、かねが白け、直刃静かに、匂口沈みごころとなるとする。国吉はその通例を、ただ満たすのではなく超えることの最も多い工である。

その記録は作の姿によって截然と分かれる。本体はやや細身で多く磨上げ、いくつかは刀に詰められた太刀で、直刃と白け映りがその代表の姿で現れる。これに対するのが寸延びた平造の短刀で、身幅広め重ね厚く、小板目に杢と流れ柾を交え、直刃はここで浅くのたれて匂深く、一派の彫物、すなわち表に梵字とその下の素剣、裏に刀樋と添樋を掻き流す。銘は大振の二字銘で、説明書はこれを一つの書風で読む。すなわち国構えの中の右半分を耳形にきる書風であって、「国構の中の右半分を耳形に鍛るのが此の派の銘振りの見どころ」とし、他派にまぎれることがなく、同名の粟田口国吉とも分かたれるとする。

国吉を同派の中で分かつのは明るさである。説明書は在銘の特別重要刀剣を、延寿の弱点を悉く脱した一口として特記し、地鉄の白けた弱さも沈みごころの匂口もなく、却って「地刃共に明るく冴えており、同派の中では垢抜けした出来映えのもの」とする。一派が柾ごころ・白け映り・静かな刃で読まれる中、その出色の作はそれらの見どころを保ちつつ冴えを高め、二重刃鋭く、かねよく錬れる。国吉の名は室町まで数代継承され、肥州菊池と銘した脇指は永徳頃の後代と読まれるため、初代はその名跡から年代と出来によって分けられる。

藤代に位列の記載はなく、刀工大鑑はその作を四百五十とする。国宝はなく重要文化財もない。その記録は特別重要刀剣二口、重要刀剣十九口に亘り、重要美術品があり、金象嵌・金粉・朱銘および在銘・無銘の作が伝わる。来歴は肥後の地方工としては破格に華やかで、二口の短刀は本阿弥光温折紙を附して尾張徳川家に伝わり、うち一口は同家最高位の「仁」に選ばれ、一口の磨上太刀は徳川将軍家を経、飾太刀の一口は中身を伴って五摂家の一条家に伝わり、また伊勢神宮に納まる作がある。無銘の短刀の一口を、説明書は「地刃ともに健全な国吉極めの稀な一品」と称える。特別重要刀剣・重要刀剣の各位に二十一口を数えつつ、その殆どが私蔵と機関の所蔵にあって、在銘の延寿国吉が世に出ることは稀である。世に出れば、それは肥後一派の筆頭の手を、すなわち南へ伝えられ明るく結ばれた来風を、手に取る稀な機会となる。

鑑定

一人の延寿の手を作域で読む:肥後延寿の代表として極められたやや細身の磨上太刀・大磨上無銘の刀に見る、流れ柾の小板目に白け映りと頻りな二重刃を伴う来風の穏やかな直刃と、梵字・素剣を彫り、のたれごころを帯びた直刃を焼く尾張徳川家伝来の寸延び平造の短刀

国吉は肥後延寿派の刀工で、鎌倉時代最末期から南北朝期にかけて肥後国菊池郡隈府の地に活躍した。延寿派は大和千手院弘村の子で京の来国行の外孫と伝える延寿太郎国村を祖とし、一派は概ね来風を作域とし、国吉は国時・国泰・国友・国資・国信・国綱らと並ぶ同派代表の名工の一人に挙げられる。その作はやや細身で多く磨上げられた太刀、あるいは寸延びた平造の短刀で、流れ柾を交えた小板目つみた地に地沸細かにつき、地景入り、白け映りが立ち、これに穏やかな中直刃あるいは細直刃を焼いて小互の目・足・ほつれ・喰違刃を交え、二重刃が顕著にかかり、帽子は直ぐに小丸あるいはやや大きな丸となって返り浅い。説明書は延寿の手を来に近いが地刃やや弱く、柾ごころ目立ち白け映りが立ち、匂口は概して沈みごころとなるのが通例とし、その中にあって在銘の特別重要刀剣はその白けた弱さを脱して地刃共に明るく冴える点が注目されるとする。各工の個性が乏しいため、無銘の極めは個性よりも時代と一派により首肯され、国吉の名は代を重ねて室町に及ぶとされる。

鑑定の決め手

来の中直刃(親の手、二重刃を伴わない)にはない特徴

作風の変遷

肥後延寿代表の太刀・刀(白けの地に穏やかな直刃)

記録の本体は、延寿の代表的な手として本工に極められたやや細身で多く磨上げられた太刀と大磨上の刀である。姿は鎬造・庵棟、細身で姿よく、大磨上ながらも腰反り高く小鋒に結ぶものがある。地鉄は板目、しばしば小板目つまって刃寄り流れ柾となり、地沸つき地景入り、処々地斑を交え、白け映りがよく立つ。これに細直刃あるいは中直刃を焼き、小互の目・小足を交え、刃縁ほつれ、細かに砂流し・金筋かかり、小沸つき匂口締まりごころとなり、喰違刃と顕著な二重刃が常の見どころである。帽子は直ぐに小丸あるいは大丸となって返り浅く、時に焼詰め・掃きかける。説明書はこれを来をおもわせる鎌倉末の延寿の作とし、地刃来物に比して弱く直刃静かとするが、在銘の特別重要刀剣はその白けた弱さと沈みごころの匂口がなく、却って地刃明るく冴え、延寿の中では垢抜けした出来映えと評される。

姿 Sugata
地鉄 Jigane
刃文 Hamon
帽子 Bōshi

寸延び平造の短刀(梵字・素剣の彫物、のたれごころ)

記録のもう一つの面は平造の短刀で、身幅広め寸延びて重ねやや厚く、反り極く僅かなものがあり、茎は生ぶで大振の二字銘を切る。地鉄は小板目によくつみ、杢を交え流れ柾を交え、指裏に柾気強きものもあり、地沸細かに厚くつき、地景入り、白け映りが立つ。刃文は直刃調にここでは浅くのたれごころを帯び、小互の目を交え、太刀よりも匂深く小沸つき、刃縁ほつれ、砂流し・金筋かかる。帽子は直ぐに小丸あるいは焼詰め風に僅かに返る。これらの短刀には一派の彫物が見られ、表に梵字とその下に素剣、裏に刀樋と添樋を掻き流す。うち二口は本阿弥光温折紙を附す尾張徳川家伝来の無銘で、説明書はよく錬れた小板目と破綻のない穏やかな直刃を地刃共に健全な国吉極めの優品とする。

姿 Sugata
地鉄 Jigane
刃文 Hamon
帽子 Bōshi
研究

説明書は延寿派の起こりを肥後菊池隈府の延寿太郎国村に置き、大和千手院弘村の子、来国行の外孫と伝え、一派が概ね来風ながら来物に比して地刃やや弱く、柾ごころ目立ち白け映りが立ち、直刃は概して静かで匂口沈みごころとなり、帽子は丸み大きく返り浅いと記す。国吉の名は鎌倉最末期より室町に至るまで代を重ねるため、各作の代別はその出来から読むべきものとする。

説明書がしばしば立ち返る銘の見どころは、国構えの中の右半分を耳形にきる書風で、古い延寿の手に共通し、他派にまぎれることがないとされる。在銘の国吉はこの観点から読まれ、その作風は同名の粟田口国吉と分かたれるとする。

指定

国宝—
重要文化財—
重要美術品—
御物1
特別重要刀剣2
重要刀剣19

名工ランク

0.17 (指定作品22点)

刀工の上位13%

伝来

伝来記録5件 の鑑定作品における Kuniyoshi

伝来ランク

名家所蔵3点、伝来記録5件

刀工の上位20%

素点:2.09 / 10

刀姿

評価作品22点の分布

銘

評価作品22点の銘の種類

販売中

系譜

Kuniyoshi
弟子
  1. 1.國房Kunifusa2指定

Enju派

Enju派の他の刀工

  1. 1.國村Kunimura15指定
  2. 2.國泰Kuniyasu17指定
  3. 3.國時Kunitoki1 販売中32指定
  4. 4.國資Kunisuke3 販売中22指定
  5. 5.國時Kunitoki7指定
  6. 6.國信Kuninobu7指定
  7. 7.國重Kunishige2指定
  8. 8.國友Kunitomo1指定
  9. 9.是吉Koreyoshi1指定
  10. 10.國元Kunimoto1指定
  11. 11.國家Kuniie1指定
  12. 12.國綱Kunitsuna2指定