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概要·鑑定·指定·伝来·刀姿·銘·流派
概要鑑定指定伝来刀姿銘流派
  1. 流派
  2. 延寿
  3. 國時

Enju Kunitoki

國時

特重
巻 1, 番 17 · 太刀

Enju Kunitoki

國時

評価作品32点

国肥後時代Bunpo (1317–1319)時代区分鎌倉流派Enju伝法山城伝代2nd刀工大鑑500(上位26%)種別刀工コードKUN1294
1重要文化財
1重要美術品
6特別重要刀剣24重要刀剣

概要

国時は肥後延寿派を代表する上手で、延寿は山城の来の作風を九州に移した一派である。説明書は同派の祖を太郎国村とし、通説に山城来国行の外孫(娘を通じての孫)と伝え、国時を一門を代表する著名工の一人として、国村の子とも弟子とも記す。作は鎌倉時代末葉から南北朝期、肥後菊池郡隈府の地に亘り、年紀ある遺例は南朝年号を有し、正平七年(一三五二)銘の太刀があって、晩年の手を十四世紀半ばに置く。一派は際立った個性が少なく概ね来に類似するため、延寿の作はほぼ一様の手として読める。その中で国時が際立つ理由は二つある。説明書は「比較的現存するものが多く、作柄の平均点も高い」とし、且つその手は一門の抑えた直刃を誰よりも賑やかに働かせた。

その特色は、尋常に留まらぬ中直刃・細直刃である。説明書が「一派の多くは働きに乏しい直刃を焼いている」と記すのに対し、国時は直刃を小互の目で連れて崩し、時に小丁子・尖りごころの刃を交え、小足・葉よく入り、刃縁に小沸つき、細かに砂流し・金筋がかかる。佳作では、来に比して幾分沈みごころの匂口が明るく冴える。一派の性が逆へ引くがゆえに、賑やかな一口はかえって例外として映る。ある太刀を説明書は「国時のみならず延寿物としても珍しい乱れ主調の焼刃」と評し、二重刃・金筋強く帽子が乱れて盛んに掃きかける磨上の刀を「同工のみならず同派の中でも最も働きのある刃取り」と記す。一口が珍しいとも最も働くとも評されるのは、一派が常々いかに静かに、国時がそれをいかに押し広げたかの証である。

鍛えは一派の遺産をよく示す。板目あるいはつんだ小板目に、総体に流れて刃寄りに柾ごころを帯び、地沸微塵によくつき地景細かに入り、一派の白け映りが地に立つ。この白け映りは説明書が延寿を来から分かつ第一点に挙げるもので、来の京の精良を保ちつつ流れた九州鉄を帯びた地鉄の上に立つ。帽子は多く直ぐに小丸へ結び、先に掃きかけを伴い、時に丸味大きく浅い大丸風に返る。銘は在銘の場合大振りの二字銘で、説明書は一つの書風を繰り返し挙げる。すなわち「国」の字のクニ構えの中右半分を耳形にきるのが、他派にまぎれぬ一門共通の見どころである。

遺例は二様に分かれる。第一は在銘の生ぶで、腰反り深く踏張りある長寸の太刀と、身幅広く寸延びごころで重ね厚い平造の短刀があり、茎先近くに大振りの二字銘を切る。鏨が常より太く力強いものもある。太刀は棒樋を伴い、短刀は刀樋・腰樋を掻く。年紀のある晩年作は「菊池住国時」と延元・正平の年紀を添えた長銘を切り、説明書はこの長銘を時代の下った同名作に当てる。第二は大磨上無銘の刀で、延寿国時と極められ後世の鑑定銘を伴うものが多い。輪反りや京風が一見来を想わせるが、地の流れ・白け映り・沈む匂口より延寿と看取し、総体の作位の高さより国時に絞られる。本阿弥光遜の金象嵌銘・金粉銘で同工を極め、その名と花押を金にきった一口がある。

国時の位置は両隣に照らして最もよく読める。母体の来に対し相違は定まる。説明書は柾ごころ・白け映り・幾分沈みごころの匂口を延寿が山城来派から分かれる点とし、一派を来に比して地刃やや弱しとする。されどその近しさは深く、屈指の短刀の一口を説明書は「来国光に比肩する出来映え」と評し、延寿の見どころは熟覧して初めて窺える。祖国村に対する相違は国時独自のもので、その直刃は祖の尋常な直刃より遥かに自在に小互の目・小乱れに崩れ、帽子は祖の大丸より直ぐに小丸へ多く結ぶ。一門に個性が少ないがゆえに国時はその代表工かつ最も遺例の多い工とされ、逆に尋常な来の直刃は一見延寿に紛れる。延寿の工は南朝に忠なる菊池氏に属し、年紀ある作はその歴史を南朝年号に刻む。

国時の声望は厚い指定の記録に伴う。特別重要刀剣・重要刀剣の級に三十口、うち特別重要六口を数え、さらに重要文化財に一口を戴き、『刀工大鑑』にも高い評価を得る。延寿一門の中でも公の記録に最も多く名を遺す工の一人である。その作に録された来歴は幕末の高家に及ぶ。水戸徳川家伝来の太刀、紀州徳川家伝来の太刀、湊川神社蔵の短刀があり、また閑院宮家を経て、幕末の和宮、すなわち「静寛院宮の遺物」として著名な短刀がある。一口は重要文化財の級に永く封ぜられて取引されることはない。残りは、一派の静かな直刃と国時の遺例の比較的多きゆえ、その特別重要・重要の作が篤志の蒐集家の眼前に時に現れる。最も稀な鎌倉の大家よりは見出しやすいが、市販の在庫ではなく指定された文化財としてである。在銘生ぶの太刀や身幅広き在銘の短刀は、市に現れれば一個の画期であり、録された伝来の多くは蔵せられて取引されることはない。

鑑定

国時独自の延寿の作風を二つの register で読む。すなわち一派の白け映りを帯びた流れ肌の地に、同派の他工より自在に小互の目・小乱れに崩れる中直刃・細直刃を焼いた一様の作風を、二字銘の生ぶ太刀・短刀と、地鉄より延寿国時と極められ鑑定銘を伴う大磨上無銘の刀という二様で見る。国時の名は室町期まで数代継承され、NBTHK は同名一系を一码にまとめ各刀を個別に時代極めしている。本 corpus は大半が説明書のいう初代=鎌倉末期の作で、正平七年(一三五二)・延元年紀の数口を晩年作と記す。

国時は肥後延寿派を代表する上手で、通説に祖国村の子(弟子とも弟とも伝える)。作は鎌倉末葉から南北朝期、菊池郡隈府の地に亘る。説明書は同工を一派中比較的遺例が多く作柄の平均点も高い工とする。延寿の作風を全うし、来の山城風を肥後に移したもの、すなわち板目・小板目つみ柾ごころに流れ、地沸微塵に厚くつき地景細かに入り、一派の白け映りが立ち、中直刃・細直刃の匂口が来に比して幾分沈みごころに焼く。一様な一派の中で同工を分かつのは、直刃が頻りに小互の目・小乱れに崩れる点で、説明書は乱れ主調の作を国時には珍しいとし、また一派中最も働きのある刃取りと評する。帽子は直ぐに小丸となり掃きかけを伴うことが多い。銘は大振りの二字銘で、「国」の字のクニ構えの右半分を耳形にきるのが一門共通の見どころである。

鑑定の決め手

祖国村より継ぐ延寿第一の見どころ。母体の来派にはほぼ無い白け映りが立つ(来国光0%、来国俊1%)。説明書が延寿を来から分かつ第一点に挙げる

一様な一派の中の国時独自の見どころ。直刃が小互の目・小乱れに崩れる率は祖の約三倍(国村19%、小互の目は41%対国村13%)。説明書は乱れ主調作を二度「国時には珍しい」とし、一口を一派中最も働きのある刃取りと評す。一門の多くは尋常な直刃に留まる

説明書が延寿の来との相違と明記する点。匂口が幾分沈みごころで刃中の働きが穏やか、来に比して地刃やや弱しとされる。但し国時の佳作では匂口が明るく冴えると特記される

国時は直ぐに小丸(43%)に結ぶことが祖の大丸より多く(国村は小丸38%・大丸19%)、先に掃きかけを伴うことが多い(41%)。最も働いた一口では帽子自体が乱れて盛んに掃きかける

説明書が繰り返し他派にまぎれぬ一門の銘振の見どころとして挙げる書風。国時の在銘作はその最も明瞭な遺例である

作風の変遷

国時の延寿の作風:一派の白け地鉄に、小互の目で崩した直刃

板目あるいは小板目つみ、総体に流れて刃寄りに柾ごころを帯びる鍛えに、地沸微塵によくつき地景細かに入り、一派の白け映りが立つ。この延寿の地鉄に国時は中直刃・細直刃を焼くが、一門が働きに乏しい直刃を焼くのに対し同工はこれを賑やかに働かせる。すなわち小互の目・小丁子・尖りごころの刃を交え、小足・葉入り、小沸つき、細かに砂流し・金筋かかり、一派が来に比して幾分沈みごころに焼く匂口を、佳作では明るく冴えさせる。帽子は直ぐに小丸となり掃きかけを伴うことが多く、時に丸味大きく浅い大丸風に返る。説明書は乱れ主調の作を二度まで「国時には珍しい」とし、一口を延寿派中「最も働きのある刃取り」と評する。

地鉄 Jigane
刃文 Hamon
帽子 Bōshi

在銘の register:二字銘の生ぶ太刀・短刀

茎先近くに大振りの二字「国時」銘を切る生ぶ(または僅か磨上げ)の太刀と、生ぶ平造の短刀。晩年作の数口は「菊池住国時」と延元・正平の年紀を添えた長銘で、説明書はこれを時代の下った作の徴とする

在銘の遺例は、長寸で腰反り深く小鋒へ踏張る生ぶ太刀と、身幅広く寸延びごころで重ね厚い生ぶ平造の短刀である。銘は大振りの二字銘で、鏨が常より太く力強いものもある。太刀は棒樋に添樋や連樋を伴い腰元に護摩箸を添えるものがあり、短刀は刀樋・腰樋を掻く。この register で直刃は最も自在に小互の目・小乱れを交え、年紀のある短刀は小のたれ調にほつれて明るい匂口を見せる。

刃文 Hamon
帽子 Bōshi

大磨上無銘の刀(地鉄より極め、鑑定銘で確む register)

延寿国時と極められた大磨上無銘の刀。輪反りと京風が一見来を想わせるが、流れた地鉄・白け映り・幾分沈む匂口より延寿と看取し、作位の高さより国時に絞る。本阿弥光遜の金象嵌銘・金粉銘で同工を極めた一口がある

指定作の大半は大磨上無銘の刀である。輪反りや京風は来を想わせるが、地の流れ・白け映り・幾分沈む匂口より延寿と観るべく、総体の作位の高さより国時に絞られる。直刃は細直刃となって断続的に小互の目を交え、淡い二重刃・ほつれ・湯走りを伴い、金筋・砂流し細かに入り、帽子は直ぐに小丸あるいは丸く浅い大丸へ返る。本阿弥光遜の金の鑑定銘を伴う一口がある。

姿 Sugata
地鉄 Jigane
刃文 Hamon
研究

乱れ主調の焼刃は国時には珍しいと繰り返し評され、一派は常々尋常な直刃を焼く。かかる作は同工・同派中の例外として注記される。

年紀のある遺例は南朝年号の延元・正平七年(一三五二)を有し晩年作とされ、説明書が時代の下った同名作に当てる「菊池住国時」の長銘を伴う。

指定

国宝—
重要文化財1
重要美術品1
御物—
特別重要刀剣6
重要刀剣24

名工ランク

0.39 (指定作品32点)

刀工の上位6%

伝来

伝来記録5件 の鑑定作品における Kunitoki

伝来ランク

名家所蔵3点、伝来記録5件

刀工の上位21%

素点:2.08 / 10

刀姿

評価作品32点の分布

銘

評価作品32点の銘の種類

販売中

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