説明

【はじめに】 1868年、江戸時代が終焉を迎え、明治の世が始まりました。最後の将軍が退き、侍という階級が廃止され近代的な軍隊へと取って代わられた時代です。刀剣や刀装具の製作は続けられましたが、その顧客は国内から、武士道文化に強い関心を寄せる外国人へと移り変わっていきました。そのため、かつての武士が好んだ「侘び寂び」の美学とは一線を画す、非常に華やかで装飾的な様式が生まれました。 京都の諸工房は、1890年から1910年にかけて最盛期を迎えた精緻な七宝細工でその名を馳せました。なかでも並河惣助と並河靖之の両名は「帝室技芸員」に任命され、諸外国の国賓へ贈るための皇室献上品を製作する名誉を授かっています。 【拵】 当時の七宝工芸の粋を集めた、極めて優れた太刀拵です。黒地に唐草文様を配し、その上に鳥、藤、蝶、花々といった日本の伝統的な意匠を丸紋の中に描いています。丸紋の一部には、半貴石の粉末を用いたと思われる、ひときわ鮮やかで煌びやかな色彩が施されています。 本拵はかつて刀身を伴わずに伝来したため、現在の刀身は後年に合わせられたものですが、それ自体もまた興味深い作柄を示しています。 【刀身】 反りの深い脇差で、鳥居反り(輪反り)の体配を呈しています。造り込みは鎬造り、中切先となる典型的な日本刀の姿です。 肌(鍛肌)は備前伝を彷彿とさせる杢目肌で、一部に無地風となる箇所が見られます。刃文は大乱れに互の目を交えています。

Cloisonnée tachi sword

Cloisonnée tachi sword

太刀

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仕様

長さ

95 cm

刀剣商

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