二つの朝廷が争った六十年、刀身は長大化し、長船がその需要に応えた。兼光と長義の工房は実際に戦う国人層の武士に仕え、軍勢とともに相州風が届いて相伝備前が生まれた。
番号:24275 刀:白鞘入り(第70回重要刀剣) 銘:無銘(青江) (弊社では刀剣の評価を、最上作、上々作、上作、普通作の四段階に分けております。本作は無銘(青江)としては「最上作」にランクされる逸品です。) ハバキ:金着二重ハバキ 長さ:65.1 cm (2.15尺) 反り:1.1 cm 目釘穴:2個 元幅:3.32 cm 先幅:2.62 cm 重ね:0.69 cm 刀身重量:785 g 時代:南北朝時代 体配:身幅広く重ね厚く、大切先となった力強い体配。 地鉄:小板目肌に杢目肌が交じり、地沸厚くつき、地景入り、映りが鮮明に現れる。 刃文:匂出来の互の目乱れ、足・葉がよく入る。 特徴:備中国で鎌倉時代から南北朝時代にかけて栄えた青江派のうち、鎌倉中期頃までのものを「古青江」と呼びます。鎌倉期の作品は小沸出来の直刃調が多いのに対し、南北朝期に入ると匂口が明るく冴えた匂出来となり、逆足の入る直刃や逆がかった丁子乱れの作風が顕著になります。 本作は、地鉄がよく詰んで青江特有の地斑映りが現れ、刃文は匂出来の乱れ刃を焼くなど、南北朝期青江の特色を遺憾なく発揮しています。極めて健全で質の高い一口です。 長さはやや短めながら、身幅のある堂々とした体配により物足りなさを感じさせず、非常に見応えがあります。 伝来不明ながら鞘書きが施されています。 第70回重要刀剣指定品 葵美術評価鑑定書:全身押形 ※価格に国際送料は含まれておりません。 価格:3,650,000円 [ご注文はこちら] 関連商品: ・刀:無銘(青江)(第25回重要刀剣) ・刀:無銘(古備前)(第70回重要刀剣) ・刀:吉次(古青江)(日本美術刀剣保存協会 特別保存刀剣) ・刀:無銘(伝青江)(日本美術刀剣保存協会 特別保存刀剣)
十一世紀初頭の往来物『新猿楽記』は、諸国の名産物を列記する中に「備中ノ刀」を挙げている。これより二世紀の後、その高い評価を受け継ぐ青江派の刀工が登場し、高梁川下流域を中心に繁栄した。彼らのうち鎌倉時代中期頃までのものを古青江、それ以降南北朝期にかけてのものを青江と汎称し大別している。その作風は、古青江には小沸出来で匂口のやや沈んだ直刃仕立てに小乱れを交えたものが多く、鎌倉時代後期になると沸づきが穏やかとなり、さらに南北朝期のものは、匂口が締まり、明るく冴えた出来口を見せるようになる。 この刀は、身幅が広く元先の幅差が目立たず浅く反りがつき、鍛えはよく錬れた小板目肌に少しく杢を交えて総体につみ、処々澄肌風の肌合を見せ、地沸が細かによくつき、地斑映り風が立ち、刃文は互の目・小互の目・丁子風の刃などを交えて処々逆がかり、処々小足・逆足が入るなどの出来口を表している。上記の作域と大鋒に結ぶ体配から、南北朝時代の青江派の作と鑑せられるもので、特に変化に富んで明るく冴えた刃文が特徴的な優品である。







備前伝 · 備中
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青江派は備中国に興った刀工集団で、承安頃の安次を祖と伝え、高梁川下流域の子位荘・万寿荘を拠点に平安時代末期から南北朝時代後期に至るまで大いに繁栄した。十一世紀初頭の往来物『新猿楽記』が諸国の名産物として「備中ノ刀」を挙げていることは夙に知られ、その高い評価を受け継ぐ刀工群として歴史に名を刻む。鎌倉時代中期頃までのものを特に古青江と称し、それ以降南北朝期にかけてのものを青江と汎称して大別される。南北朝期には次直・次吉・守次・直次等の良工が輩出し、一派の技量は頂点に達した。 作風は時代によって明確な変遷を示す。古青江は小沸出来で匂口のやや沈んだ直刃仕立てに小乱れを交えたものが多く、鍛えには杢目が目立ってやや肌立ち、いわゆる縮緬肌状の肌合となり、地斑の交じるものが多い。同時代の備前物に比すると幾分地味で渋い味わいを醸す点に独自の風趣がある。鎌倉時代後期になると沸づきが穏やかとなり、さらに南北朝期に至ると匂口が締まり、明るく冴えた直刃、或いは延文頃に完成された特色ある逆丁子乱れの二様を見せるようになる。この期の他国の刀工が相州伝の影響を受けて沸出来をあらわしているのに対し、匂出来である点が興味深い。地鉄は小板目に小杢目を交えてよくつみ、地沸が微塵に厚くつき、地景が細かに入り、地斑状の肌合や乱れ映りが立ち、刃寄りには二重三重の筋状の映りを形成していわゆる段映りの態を見せるなど、鍛えに独特の景色を呈する。刃文は直刃を基調に小互の目・小丁子・角がかった刃などが交じり、足・逆足・葉がよく入り、匂口が締まって明るく冴え、帽子は突き上げて尖りごころとなり、やや長く返るものが多い。 青江派は地刃共に明るく冴え渡る精美な出来口をもって知られ、指定品には「同派極めの中でも出色の出来映え」[[c:1]]「青江極めの白眉」と称される逸品が少なくない。縮緬肌に地斑と映りが交錯する鍛えの妙味、匂口の締まった冴えやかな直刃、そして逆がかった刃に飛焼が火焔の如く乱れる華やかな作域に至るまで、備中鍛冶の伝統を脈々と受け継ぐ一派の技と風格が遺憾なく示されている。 詳しく見る →
南北朝時代の備前
二つの朝廷が争った六十年、刀身は長大化し、長船がその需要に応えた。兼光と長義の工房は実際に戦う国人層の武士に仕え、軍勢とともに相州風が届いて相伝備前が生まれた。
特別保存刀剣の中から、特に出来が優れ、国認定の重要美術品に準ずると判断された名品です。年に一度の重要刀剣審査で選ばれます。
極めて選別的で、日本に登録された約250万口の刀剣のうち、重要刀剣に達したものは12,357口(約202口に1口)にすぎません。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
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