備前の物語は、砂鉄と炭の山林と瀬戸内の海運が交わる地に始まる。平安後期、古備前の刀工は公家と勃興する武家のために太刀を鍛え、源平の争乱では敵も味方も備前の刀を帯びていた。
鑑定書内容:財)日本美術刀剣保存協会 重要刀剣[N.B.T.H.K]Juyo Token No.23 古備前物を代表する名工、正恒の作と個銘極めをされた重要刀剣指定作品。正恒は友成と並んで古備前物の双璧をなす刀工として著名で、同派の中でも在銘作が群を抜いて多く残されており、5点の国宝を筆頭に重要文化財が13点、重要美術品が15点と破格の評価を受けている最高位の名工である。正恒の見所としては、地鉄の精錬・清涼さ、刃文の垢抜けて精錬された点が挙げられるが、本作はまさに地鉄、小板目肌がよくつんで練れ、そこに地沸や地景の細かい働きが看取され、潤いがあって精美な肌合いを示し、刃文も腰元には小乱れ、小互の目を焼き、上半にかけては抜群に明るく冴えた広直刃を焼き、美しく小丸に返るなど同行の特色を良く示している。特筆すべきは物打ちから帽子にかけての健全さで、ほとんど研ぎ減りなく残された素晴らしく健全な体は国宝、重要文化財など同作の指定品を見るかのごとくに格調高い。大きく磨上げられて2尺2寸という長さになっているのは戦時中に軍刀に用いられたためかとも思われ、これだけの名刀を軍刀として腰に据えることが出来たのは余程の名家であったと推察される。(戦時中は各家所蔵の刀剣を軍刀に仕立てて佩刀したため、宮家などでは御物の三条吉家や一文字在銘の太刀を磨上げて用いられた例が見られる。)
無銘 · Ko-Bizen · 平安 · 長さ 68cm · 反り 1.4cm





Ko-Bizen (Bizen) · 備前 · 987-989頃
藤代 最上作
説明は正恒を、友成と共に「友成と並ぶ古備前物の代表的刀工」[[c:1]]とし、両者を併せて同派の双璧に数える。古来、その名には三代或はそれ以上に代があると伝え、平安時代末期より鎌倉時代にかけて活躍したと記すので、「正恒」とは一人の工というよりひとつの名跡を指す。その名跡について、説明はひとつの判断に立ち返る。すなわち古備前の中でも「有銘作が最も多く」[[c:2]]遺存し、しかもその作全体にわたって出来に「出来に叢がない」ということである。
説明が最も丹念に量るのは、友成との比較である。従来の評のとおり、太刀姿では手弱女ぶりを示す優美な点において友成が優り、刃文の古調さでもやや友成に及ばぬが、地鉄の精緻・精良さでは正恒に軍配が上がる、と説明は記す。焼刃でも、と同じ説明は言う、正恒は友成に比して技巧味が増す傾きがあり、総じて「総体に垢抜けて洗練された」[[c:4]]ものが正恒の作に多い。銘についても説明は注し、友成が時折「備前国友成」などの長銘を切るのに対し、正恒は「銘は常に二字」に限り、棒樋その他の彫物はあまり見ない。
説明がその最も確かな見どころとして立ち返るのは映りである。友成の映りが比較的目立たぬのに対し、と同じ説明は観じる、正恒のそれはかなり鮮明に見られるものがあり、ある太刀については「地斑映りが鮮明に立ち」[[c:6]]と評する。鍛えはよく錬れた板目に杢目を交え、地沸よくつき、地景細かに入り、古備前の鋼に特有の地斑を織り交ぜ、その上に乱れ映りあるいは地斑映りが際立って立つと描かれる。これこそ正恒の鍛えが定評を得る所以であり、些かも緩みなく示されると説明は記す。
その地鉄の上に、説明は直刃を基調とした刃を描き、小乱れ・小丁子、時に小互の目を交え、足・葉よく入り、小沸厚くつき、処々金筋・砂流しかかり、匂口明るく冴えるという。帽子は直ぐに小丸に丸く返る傾きがあり、友成より焼の深いものが多いと注す。これらを併せて、説明はこれを「古様にして格調高い」[[c:7]]出来口と呼び、古備前物の持ち味をよく表し、古香で味わいが深いと評する。丁子が常以上に目立つところでは、一段と新味が加わるともいう。姿態については、細身で反り深く腰反り高い太刀姿で、現存の多くは磨上ながらも時代の姿をよく留めると記す。
説明の量はその名を負う指定の重みに端的に現れる。藤代の極めで最上作である。まとめられたその現存作は、国宝五口・重要文化財十五口を帯び、なお特別重要刀剣十二口・重要刀剣二十二口を加え、特別重要刀剣と重要刀剣の両級を併せて三十四口を数える。遺るところはほとんど、説明が見どころとする二字の銘を負い、ここに数えた作では在銘二十一口に対し無銘一口に過ぎず、古備前期の常として年紀作は遺らないので、その手は刻された年ではなく作風によって定められる。
その作に録された来歴は、国を握った家々を経る。皇室をはじめ、尾張徳川家・前田家・伊達家・池田家・島津家・相馬家、また将軍綱吉の手を経た一口がある。白眉は今、東京国立博物館・徳川美術館・静嘉堂文庫・林原美術館・黒川古文化研究所・彦根城博物館に蔵され、九州国立博物館や伊勢神宮にも遺品がある。名跡が多作であったため、在銘の正恒は時に本気の収集家のもとに現れる、最初期在銘備前の試金石である。
正恒の位置づけを、日本刀全体および伝統・時代・時期ごとに示します。各位(随一・屈指・有数・著名)は、NBTHK および文化庁による指定に加え、三作や名物帳などの歴史的栄誉を加味したものです。
各項目を選ぶと評価方法が表示されます。
備前伝 · 備前
現在4点販売中
古備前派は、備前国に興った最も古い一群の刀工を指し、平安時代末期のいわゆる藤末鎌初から鎌倉時代初期、一部は中期にかけて活躍した。後に備前を席巻する長船・福岡一文字の母体をなす、備前伝の最も古い根である。その最初期に立つのが友成と正恒で、両工は古来この一派の双璧に数えられる。友成にはひときわ古雅な姿の良さがあり、正恒には精緻な鍛えの良さがあると伝え、いずれも一人の工というより何代かを経た名跡を指すものと解されている。これに「備前三平」の名で並び称される包平・助平・高平が加わり、わけても包平は天下の名刀『大包平』によってその名を不動のものとした。正恒の系からは恒光・利恒・遠近が、友成の系からは行秀が出たと伝えるなど、いくつかの脈が知られるが、景安・吉包・信房・成高・助包・基近・順慶らを含め、その多くは記録された系譜よりも姿と地刃の古雅さによって古備前と鑑せられる。順慶のごとく、後世長らく長船長光に擬されていた名が、作風と銘の鏨運びから初期備前の独立した手として読み直された例もある。 作風は静かで古調な備前の手にある。姿は当代の細身の太刀で、鎬造に庵棟、腰反り高く踏張りがつき、先に伏しごころとなって小鋒に結ぶのを典型とする。鍛えはよく錬れた板目に杢を交えてやや肌立ちごころとなり、地沸つき地景が細かに入り、その上に淡い乱れ映り、ないし古備前の鋼に特有の地斑映りが立つ。刃文は直刃調の小乱れを主調とし、小丁子・小互の目を交え、匂深く小沸が厚くつき、刃中に足・葉が働いて、砂流し・金筋がかかる。帽子は静かな小丸で、時に焼詰めごころとなり、元を焼き落とす古い手法もままに見る。総じて華やかに乱れるものは少なく、後世の備前が高く冴える丁子の乱れに向かうのに対し、古備前は同じ語彙を抑えた沸の働きのうちに収める。この通例のなかで初期の名工はそれぞれの個性を刻む。正恒の映りは鮮明に冴え、友成のそれは淡く、棒樋を好む正恒に対し友成は彫を見せず、包平は大包平に見る雄大な姿で抜きん出る。景安は互の目と角ばる刃が勝って一文字への橋渡しを思わせ、吉包は同門より肌立つ地鉄と沈みごころの匂口で分かれ、行秀は逆ごころの乱れと二重刃を、成高は打ちのけと二重刃をその印とする。 古備前が収集家に求められるゆえんは、まずこの一派が備前伝そのものの始発点に立つことにある。鑑定の勘所は、後の華やかな福岡一文字や整然たる長船から古備前を分かつ点にある。すなわち、立ち冴える丁子と乱れ映りに対して、古備前は抑えた小乱れと沸の働き、淡い地斑映りをもって読まれ、姿は腰反り高く先伏しごころの古調を保つ。順慶のように在銘作に映りを伴わぬ沸出来が、長船の匂出来・映りの伝統との別を決する手がかりとなる例は、その鑑別の機微をよく示す。主要刀工の格は高く、友成・正恒・包平・信房は最上作に列し、その名を負う指定の重みは比類ない。代表作には、徳川光顕を経て皇室に伝わった友成の名物『丸口』、岡山池田家の至宝として古備前随一の雄大な姿を示す『大包平』、庄内酒井家に伝来した信房の国宝、御物『十万束』があり、いずれも国宝・重要文化財・御物として文化財に伝えられ、市場の外にある。在銘で生ぶ茎を完存する作がこれほど古い工としては比較的よく遺るのも一派の特色で、それらは初期備前の作域と銘を伝える第一の資料である。古備前の在銘作、わけても初期の名工の太刀が世に現れることは、この分野で最も稀な出来事の一つであり、現れればまさに一個の事件である。 詳しく見る →
平安時代の備前
備前の物語は、砂鉄と炭の山林と瀬戸内の海運が交わる地に始まる。平安後期、古備前の刀工は公家と勃興する武家のために太刀を鍛え、源平の争乱では敵も味方も備前の刀を帯びていた。
特別保存刀剣の中から、特に出来が優れ、国認定の重要美術品に準ずると判断された名品です。年に一度の重要刀剣審査で選ばれます。
極めて選別的で、日本に登録された約250万口の刀剣のうち、重要刀剣に達したものは12,307口(約203口に1口)にすぎません。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
NBTHK公式サイトお客様都合による返品は作品到着後二日以内にお申し出ください。※お品物に手を加えた物等は対応できません※返品送料はお客様のご負担となります※お品代以外の費用(振込手数料、代引手数料等)は返金できません。※お届け先が海外の場合は返品や返金は出来ません
鑑定書内容:財)日本美術刀剣保存協会 重要刀剣[N.B.T.H.K]Juyo Token No.23 古備前物を代表する名工、正恒の作と個銘極めをされた重要刀剣指定作品。正恒は友成と並んで古備前物の双璧をなす刀工として著名で、同派の中でも在銘作が群を抜いて多く残されており、5点の国宝を筆頭に重要文化財が13点、重要美術品が15点と破格の評価を受けている最高位の名工である。正恒の見所としては、地鉄の精錬・清涼さ、刃文の垢抜けて精錬された点が挙げられるが、本作はまさに地鉄、小板目肌がよくつんで練れ、そこに地沸や地景の細かい働きが看取され、潤いがあって精美な肌合いを示し、刃文も腰元には小乱れ、小互の目を焼き、上半にかけては抜群に明るく冴えた広直刃を焼き、美しく小丸に返るなど同行の特色を良く示している。特筆すべきは物打ちから帽子にかけての健全さで、ほとんど研ぎ減りなく残された素晴らしく健全な体は国宝、重要文化財など同作の指定品を見るかのごとくに格調高い。大きく磨上げられて2尺2寸という長さになっているのは戦時中に軍刀に用いられたためかとも思われ、これだけの名刀を軍刀として腰に据えることが出来たのは余程の名家であったと推察される。(戦時中は各家所蔵の刀剣を軍刀に仕立てて佩刀したため、宮家などでは御物の三条吉家や一文字在銘の太刀を磨上げて用いられた例が見られる。)
無銘 · Ko-Bizen · 平安 · 長さ 68cm · 反り 1.4cm





Ko-Bizen (Bizen) · 備前 · 987-989頃
藤代 最上作
説明は正恒を、友成と共に「友成と並ぶ古備前物の代表的刀工」[[c:1]]とし、両者を併せて同派の双璧に数える。古来、その名には三代或はそれ以上に代があると伝え、平安時代末期より鎌倉時代にかけて活躍したと記すので、「正恒」とは一人の工というよりひとつの名跡を指す。その名跡について、説明はひとつの判断に立ち返る。すなわち古備前の中でも「有銘作が最も多く」[[c:2]]遺存し、しかもその作全体にわたって出来に「出来に叢がない」ということである。
説明が最も丹念に量るのは、友成との比較である。従来の評のとおり、太刀姿では手弱女ぶりを示す優美な点において友成が優り、刃文の古調さでもやや友成に及ばぬが、地鉄の精緻・精良さでは正恒に軍配が上がる、と説明は記す。焼刃でも、と同じ説明は言う、正恒は友成に比して技巧味が増す傾きがあり、総じて「総体に垢抜けて洗練された」[[c:4]]ものが正恒の作に多い。銘についても説明は注し、友成が時折「備前国友成」などの長銘を切るのに対し、正恒は「銘は常に二字」に限り、棒樋その他の彫物はあまり見ない。
説明がその最も確かな見どころとして立ち返るのは映りである。友成の映りが比較的目立たぬのに対し、と同じ説明は観じる、正恒のそれはかなり鮮明に見られるものがあり、ある太刀については「地斑映りが鮮明に立ち」[[c:6]]と評する。鍛えはよく錬れた板目に杢目を交え、地沸よくつき、地景細かに入り、古備前の鋼に特有の地斑を織り交ぜ、その上に乱れ映りあるいは地斑映りが際立って立つと描かれる。これこそ正恒の鍛えが定評を得る所以であり、些かも緩みなく示されると説明は記す。
その地鉄の上に、説明は直刃を基調とした刃を描き、小乱れ・小丁子、時に小互の目を交え、足・葉よく入り、小沸厚くつき、処々金筋・砂流しかかり、匂口明るく冴えるという。帽子は直ぐに小丸に丸く返る傾きがあり、友成より焼の深いものが多いと注す。これらを併せて、説明はこれを「古様にして格調高い」[[c:7]]出来口と呼び、古備前物の持ち味をよく表し、古香で味わいが深いと評する。丁子が常以上に目立つところでは、一段と新味が加わるともいう。姿態については、細身で反り深く腰反り高い太刀姿で、現存の多くは磨上ながらも時代の姿をよく留めると記す。
説明の量はその名を負う指定の重みに端的に現れる。藤代の極めで最上作である。まとめられたその現存作は、国宝五口・重要文化財十五口を帯び、なお特別重要刀剣十二口・重要刀剣二十二口を加え、特別重要刀剣と重要刀剣の両級を併せて三十四口を数える。遺るところはほとんど、説明が見どころとする二字の銘を負い、ここに数えた作では在銘二十一口に対し無銘一口に過ぎず、古備前期の常として年紀作は遺らないので、その手は刻された年ではなく作風によって定められる。
その作に録された来歴は、国を握った家々を経る。皇室をはじめ、尾張徳川家・前田家・伊達家・池田家・島津家・相馬家、また将軍綱吉の手を経た一口がある。白眉は今、東京国立博物館・徳川美術館・静嘉堂文庫・林原美術館・黒川古文化研究所・彦根城博物館に蔵され、九州国立博物館や伊勢神宮にも遺品がある。名跡が多作であったため、在銘の正恒は時に本気の収集家のもとに現れる、最初期在銘備前の試金石である。
正恒の位置づけを、日本刀全体および伝統・時代・時期ごとに示します。各位(随一・屈指・有数・著名)は、NBTHK および文化庁による指定に加え、三作や名物帳などの歴史的栄誉を加味したものです。
各項目を選ぶと評価方法が表示されます。
備前伝 · 備前
現在4点販売中
古備前派は、備前国に興った最も古い一群の刀工を指し、平安時代末期のいわゆる藤末鎌初から鎌倉時代初期、一部は中期にかけて活躍した。後に備前を席巻する長船・福岡一文字の母体をなす、備前伝の最も古い根である。その最初期に立つのが友成と正恒で、両工は古来この一派の双璧に数えられる。友成にはひときわ古雅な姿の良さがあり、正恒には精緻な鍛えの良さがあると伝え、いずれも一人の工というより何代かを経た名跡を指すものと解されている。これに「備前三平」の名で並び称される包平・助平・高平が加わり、わけても包平は天下の名刀『大包平』によってその名を不動のものとした。正恒の系からは恒光・利恒・遠近が、友成の系からは行秀が出たと伝えるなど、いくつかの脈が知られるが、景安・吉包・信房・成高・助包・基近・順慶らを含め、その多くは記録された系譜よりも姿と地刃の古雅さによって古備前と鑑せられる。順慶のごとく、後世長らく長船長光に擬されていた名が、作風と銘の鏨運びから初期備前の独立した手として読み直された例もある。 作風は静かで古調な備前の手にある。姿は当代の細身の太刀で、鎬造に庵棟、腰反り高く踏張りがつき、先に伏しごころとなって小鋒に結ぶのを典型とする。鍛えはよく錬れた板目に杢を交えてやや肌立ちごころとなり、地沸つき地景が細かに入り、その上に淡い乱れ映り、ないし古備前の鋼に特有の地斑映りが立つ。刃文は直刃調の小乱れを主調とし、小丁子・小互の目を交え、匂深く小沸が厚くつき、刃中に足・葉が働いて、砂流し・金筋がかかる。帽子は静かな小丸で、時に焼詰めごころとなり、元を焼き落とす古い手法もままに見る。総じて華やかに乱れるものは少なく、後世の備前が高く冴える丁子の乱れに向かうのに対し、古備前は同じ語彙を抑えた沸の働きのうちに収める。この通例のなかで初期の名工はそれぞれの個性を刻む。正恒の映りは鮮明に冴え、友成のそれは淡く、棒樋を好む正恒に対し友成は彫を見せず、包平は大包平に見る雄大な姿で抜きん出る。景安は互の目と角ばる刃が勝って一文字への橋渡しを思わせ、吉包は同門より肌立つ地鉄と沈みごころの匂口で分かれ、行秀は逆ごころの乱れと二重刃を、成高は打ちのけと二重刃をその印とする。 古備前が収集家に求められるゆえんは、まずこの一派が備前伝そのものの始発点に立つことにある。鑑定の勘所は、後の華やかな福岡一文字や整然たる長船から古備前を分かつ点にある。すなわち、立ち冴える丁子と乱れ映りに対して、古備前は抑えた小乱れと沸の働き、淡い地斑映りをもって読まれ、姿は腰反り高く先伏しごころの古調を保つ。順慶のように在銘作に映りを伴わぬ沸出来が、長船の匂出来・映りの伝統との別を決する手がかりとなる例は、その鑑別の機微をよく示す。主要刀工の格は高く、友成・正恒・包平・信房は最上作に列し、その名を負う指定の重みは比類ない。代表作には、徳川光顕を経て皇室に伝わった友成の名物『丸口』、岡山池田家の至宝として古備前随一の雄大な姿を示す『大包平』、庄内酒井家に伝来した信房の国宝、御物『十万束』があり、いずれも国宝・重要文化財・御物として文化財に伝えられ、市場の外にある。在銘で生ぶ茎を完存する作がこれほど古い工としては比較的よく遺るのも一派の特色で、それらは初期備前の作域と銘を伝える第一の資料である。古備前の在銘作、わけても初期の名工の太刀が世に現れることは、この分野で最も稀な出来事の一つであり、現れればまさに一個の事件である。 詳しく見る →
平安時代の備前
備前の物語は、砂鉄と炭の山林と瀬戸内の海運が交わる地に始まる。平安後期、古備前の刀工は公家と勃興する武家のために太刀を鍛え、源平の争乱では敵も味方も備前の刀を帯びていた。
特別保存刀剣の中から、特に出来が優れ、国認定の重要美術品に準ずると判断された名品です。年に一度の重要刀剣審査で選ばれます。
極めて選別的で、日本に登録された約250万口の刀剣のうち、重要刀剣に達したものは12,307口(約203口に1口)にすぎません。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
NBTHK公式サイトお客様都合による返品は作品到着後二日以内にお申し出ください。※お品物に手を加えた物等は対応できません※返品送料はお客様のご負担となります※お品代以外の費用(振込手数料、代引手数料等)は返金できません。※お届け先が海外の場合は返品や返金は出来ません