早乙女派 括り猿透鐔 【概要】 本作は、公益財団法人日本美術刀剣保存協会(NBTHK)による鑑定を冠した鐔です。鑑定書によれば、作者は松村勝成(まつむら かつなり)とされており、中心(なかご)部分にはその銘が刻まれています。 意匠として描かれているのは「柏(かしわ)」のモチーフです。力強い筆致で彫り込まれた樹木と葉の造形からは、漲るような生命力が感じられます。色絵の多くは経年により落ち着いておりますが、柏の葉には今なお金の色絵の痕跡を留めています。柏紋は「日本十大家紋」の一つとしても名高く、ここではこの植物と日本人の関わりについて紐解いてみましょう。 古来、日本人は柏の葉を食物を盛る器(食器)として用いてきました。生活に欠かせない「食」に密接に関わる植物として、古くから親しまれてきたのです。こうした生活習慣は、信仰の分野にも大きな影響を与えました。当時の信仰は日々の暮らしの中から自然発生的に生まれ、生存に直結する「自然(太陽、山、川、海)」を崇拝するものでした。それは「対象に供物(くもつ)を捧げて祈る」という簡潔かつ原始的な構造を持っており、柏などの葉が供物の器として使われたことは、当時のライフスタイルを反映したものと考えられます。これらの習俗は、原始宗教から発展した神道へと受け継がれ、今日でも神事における供物の器として柏の葉が用いられています。こうした背景から、柏の葉に「神聖さ」や「瑞祥」を見出す価値観が育まれたのでしょう。貴族社会においても柏は馴染み深く、早い段階から文様化され、衣服や調度の装飾に用いられました。 前述の通り、神道と柏には強い結びつきがあります。そのため、柏紋は当初、神社の神紋や神職に携わる家系の家紋として特に普及しました。その後、武家社会にも広まっていきますが、これは信仰の対象や宗教勢力との繋がりを通じて浸透したと考えられています。また、柏の葉は「新芽が出るまで古い葉が落ちない」という特性を持つことから、「代が途切れない」「葉(覇)を譲る」とされ、家系の存続や世代交代の円満を願う縁起物として好まれました。江戸時代に入り、家紋が庶民の間にも広まると、柏紋はその人気の高さから多くの支持を集め、今日のように広く普及するに至りました。このように、日本人にとって長きにわたり身近な存在であった柏が、刀装具のデザインに取り入れられたのは、極めて自然な流れであったと言えるでしょう。 ※本作はアンティーク品(骨董)のため、状態については各写真にて詳細をご確認ください。 【鐔(つば)とは】 鐔は日本刀の拳を守るための護具です。格式高い武士は、鐔をはじめとする美しい刀装具で刀を飾り立てました。特に鐔の表側は、街を歩く際などに他者の目に触れる機会が多かったため、より装飾的な意匠が施される傾向にあります。 【武士にとって刀装具が重要であった理由】 日本刀の装具には、鐔、目貫(めぬき)、縁頭(ふちがしら)など、多彩な装飾が施されています。日本刀は武器としての機能だけでなく、持ち主のアイデンティティを象徴する役割も果たしていました。その意匠には、武士一人ひとりの個性や信念が投影されています。現代で例えるならば、スマートフォンのケースやアクセサリーを選ぶ感覚に近いかもしれません。ぜひ細部まで拡大して、職人の技が光る刀装具の世界をお楽しみください。






勝成
江戸
在銘
保存 (NBTHK)
陸奥
現在1点販売中
銘が正しい、または無銘でも年代・流派を指摘でき、美術工芸的価値が認められる、保存に値する真正の刀装具と鑑定されたものです。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
NBTHK公式サイトReturns/exchanges limited to defects caused by shipping (except willful misconduct or gross negligence by the company); customers must contact within 72 hours of receiving the product.
早乙女派 括り猿透鐔 【概要】 本作は、公益財団法人日本美術刀剣保存協会(NBTHK)による鑑定を冠した鐔です。鑑定書によれば、作者は松村勝成(まつむら かつなり)とされており、中心(なかご)部分にはその銘が刻まれています。 意匠として描かれているのは「柏(かしわ)」のモチーフです。力強い筆致で彫り込まれた樹木と葉の造形からは、漲るような生命力が感じられます。色絵の多くは経年により落ち着いておりますが、柏の葉には今なお金の色絵の痕跡を留めています。柏紋は「日本十大家紋」の一つとしても名高く、ここではこの植物と日本人の関わりについて紐解いてみましょう。 古来、日本人は柏の葉を食物を盛る器(食器)として用いてきました。生活に欠かせない「食」に密接に関わる植物として、古くから親しまれてきたのです。こうした生活習慣は、信仰の分野にも大きな影響を与えました。当時の信仰は日々の暮らしの中から自然発生的に生まれ、生存に直結する「自然(太陽、山、川、海)」を崇拝するものでした。それは「対象に供物(くもつ)を捧げて祈る」という簡潔かつ原始的な構造を持っており、柏などの葉が供物の器として使われたことは、当時のライフスタイルを反映したものと考えられます。これらの習俗は、原始宗教から発展した神道へと受け継がれ、今日でも神事における供物の器として柏の葉が用いられています。こうした背景から、柏の葉に「神聖さ」や「瑞祥」を見出す価値観が育まれたのでしょう。貴族社会においても柏は馴染み深く、早い段階から文様化され、衣服や調度の装飾に用いられました。 前述の通り、神道と柏には強い結びつきがあります。そのため、柏紋は当初、神社の神紋や神職に携わる家系の家紋として特に普及しました。その後、武家社会にも広まっていきますが、これは信仰の対象や宗教勢力との繋がりを通じて浸透したと考えられています。また、柏の葉は「新芽が出るまで古い葉が落ちない」という特性を持つことから、「代が途切れない」「葉(覇)を譲る」とされ、家系の存続や世代交代の円満を願う縁起物として好まれました。江戸時代に入り、家紋が庶民の間にも広まると、柏紋はその人気の高さから多くの支持を集め、今日のように広く普及するに至りました。このように、日本人にとって長きにわたり身近な存在であった柏が、刀装具のデザインに取り入れられたのは、極めて自然な流れであったと言えるでしょう。 ※本作はアンティーク品(骨董)のため、状態については各写真にて詳細をご確認ください。 【鐔(つば)とは】 鐔は日本刀の拳を守るための護具です。格式高い武士は、鐔をはじめとする美しい刀装具で刀を飾り立てました。特に鐔の表側は、街を歩く際などに他者の目に触れる機会が多かったため、より装飾的な意匠が施される傾向にあります。 【武士にとって刀装具が重要であった理由】 日本刀の装具には、鐔、目貫(めぬき)、縁頭(ふちがしら)など、多彩な装飾が施されています。日本刀は武器としての機能だけでなく、持ち主のアイデンティティを象徴する役割も果たしていました。その意匠には、武士一人ひとりの個性や信念が投影されています。現代で例えるならば、スマートフォンのケースやアクセサリーを選ぶ感覚に近いかもしれません。ぜひ細部まで拡大して、職人の技が光る刀装具の世界をお楽しみください。






勝成
江戸
在銘
保存 (NBTHK)
陸奥
現在1点販売中
銘が正しい、または無銘でも年代・流派を指摘でき、美術工芸的価値が認められる、保存に値する真正の刀装具と鑑定されたものです。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
NBTHK公式サイトReturns/exchanges limited to defects caused by shipping (except willful misconduct or gross negligence by the company); customers must contact within 72 hours of receiving the product.