説明

刀工:丹波守吉道 流派:三品派 鑑定:日本美術刀剣保存協会(NBTHK)保存刀剣 時代:江戸時代(寛文〜元禄頃、1661-1704年) 銘文:表「丹波守吉道」 種別:刀 長さ:70.3 cm(二尺三寸二分) 形状:鎬造り 反り:鳥居反り 反り幅:1.9 cm 元幅:3.2 cm 先幅:2.0 cm 元重:7 mm 切先:3.0 cm(中切先) 茎の状態:生(うぶ) 茎形状:標準、入山形尻 目釘穴:一個 鑢目:筋違 刃文:沸出来の簾刃(すだれば)、直焼出し。二重刃や砂流しが交じり、匂口は明るく冴える。 帽子:湾れ込み、丸く中返る。 鍛え:板目に木目交じり、肌立つ。地沸がつき、地鉄の模様が非常に鮮明である。 【解説】 新刀期を代表する名工、丹波守吉道による見事な一振りです。本作の最大の見所は、同派の代名詞とも言える「簾刃」です。その名の通り、竹製の簾(すだれ)を思わせる独創的な紋様は、互の目乱れを基調として構成されています。この簾刃は初代吉道が創始し、代々その秘伝が受け継がれた三品派独自のお家芸です。 京および大坂の各地で歴代がこの銘を冠して活躍しましたが、本作の作域から寛文から元禄年間(1661-1704年)頃の制作と推測されます。具体的な代の特定については、今後の研究の楽しみと言えるでしょう。 刀身は研ぎ上げられたばかりの最良の状態で、欠点(キズ)はございません。地鉄と刃文の出来映えからは、作者の卓越した技量と制御の妙が伺えます。地肌は全体的にやや肌立ち、写真でもその質感を鮮明に確認いただけます。この「肌立つ」地鉄は、斬撃時の摩擦を軽減する実用的な利点も兼ね備えています。 付属の保存刀剣鑑定書は1982年(昭和57年)に発行された初期のもので、当時の形式である朱印入りの押形が添えられています。時代物のハバキ、白鞘、刀袋が付属いたします。名門の銘を冠した、長寸で優美な姿の保存刀剣です。 お問い合わせ:nihontocraft@bellsouth.net

丹波守吉道

丹波守吉道

$8,500

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仕様

長さ

70.3 cm

反り

1.9 cm

元幅

3.2 cm

先幅

2 cm

流派について

Mishina School三品派

三品派は、美濃国関の兼道を源流とし、その子らが京へ上って興した新刀の一門である。説明書は、兼道の四子すなわち長兄伊賀守金道、来金道、丹波守吉道、末弟越中守正俊が父と共に美濃より上京し、西洞院夷川に住して三品派の名を大いに高めたと記す。長兄金道は京五鍛冶の頭領にして、その家は刀工の受領を朝廷に推薦する権を世襲し、銘に「日本鍛冶宗匠」と添えて幕末に及んだ。やがて一門は京にとどまらず大坂へも枝を張り、京初代丹波守吉道の子が大坂に移って大坂丹波の祖となり、その周囲に大和守吉道が連なり、丹後守兼道のごとく大坂に住して元禄頃に活躍した工も出た。末関の量産地に発しながら、堀川派と並ぶ京新刀の一大勢力に育ち、さらに大坂へと展開した点に、この一門の歩みがある。 作風を貫くのは、工と世代の差を越えて繰り返される三品の共通語法である。地鉄は板目に杢や流れ肌を交えて棟寄りに強く流れ、刃寄りで柾がかって肌立ち、地沸微塵に厚くつき地景のよく入るもので、美濃関の継承を京の作にまで伝える。京の古い手が肌立つ板目を見せるのに対し、大坂の系では小板目をよくつめ清く澄んだ地に転ずる差がある。刃文は美濃由来の互の目と尖り刃を基調に、これを京風に洗練して小のたれの大乱れに展開し、沸が強く時に荒くむら立ち、砂流しさかんに金筋長く入る。最も明快な見どころは帽子で、のたれ込みに先尖って掃きかける三品帽子は一門の標識をなし、末弟正俊にことに顕著である。いま一つの標識が丹波守吉道の創案した簾刃で、湯走り・飛焼・砂流しが幾重にも縞がかって簾の如く焼かれる。金道と正俊が志津風を共に得意として作域広く、吉道はこの簾刃の一手に己を結び、大坂の系はその簾刃を最もよく継いだ。同じ語法のうちに、各工の手が読み分けられる。 収集の観点では、三品派は新刀草創の格と明快な鑑定の勘所をあわせ持つ一門である。先尖って掃きかける三品帽子と、縞がかって平行に焼かれる簾刃の二つの見どころは、地と刃のいずれにも紛れなく現れて工と作域を定める手懸りとなり、大坂の直ぐで均一の焼出しは京の手と分かつ目印となる。主要工の格は説明書の評にそのまま現れ、初代伊賀守金道は一派中最も優れた手とされ、初代丹波守吉道は初期新刀屈指の名工に数えられ、末弟正俊は器用さ兄弟中第一と評される。一門の作はおおむね在銘で、銘そのものが時の標識となり、由緒の確かさをもって賞翫される。来歴の知られる作は谷干城の愛刀、佐竹家、織田有楽斎、北野天満宮、皇室、大坂城代青山家の蔵を経て伝わり、一口は京都国立博物館に納まる。最上手の在銘作が市に現れるのは折々のことで容易ではないが、一たび相見えれば、三品派が美濃関より京・大坂へいかに展開したかを語る確かな証となる。

刀剣商

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