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概要·鑑定·指定·伝来·刀姿·銘·系譜·流派
概要鑑定指定伝来刀姿銘系譜流派
  1. 流派
  2. 下坂
  3. 康繼

Shimosaka Yasutsugu

康繼

重要
巻 1, 番 23 · 脇差

Shimosaka Yasutsugu

康繼

評価作品27点

国武蔵時代Kanei (1624–1644)時代区分江戸流派Shimosaka伝法Shinto代2nd師匠Yasutsugu藤代Jo-jo saku刀工大鑑1,000(上位8%)種別刀工コードYAS975
2重要美術品
1御物
24重要刀剣

概要

慶長の頃、越前下坂派の工は徳川家康・秀忠に召されて鍛刀し、その結果家康より「康」の一字を賜って康継と改め、同時に三つ葉葵紋を茎にきることを許された。説明書は、一派が近江より出て結城秀康の庇護のもと越前へ移り、その後将軍家のために越前と江戸の間を隔年に勤め、南蛮鉄と武州江戸を記す長銘を切ったと伝える。大坂落城後に獅子貞宗など罹災した相州の名作を再刃した初代がこの家を興したが、本項は主に二代を通して読む。すなわち初代の嫡子で下坂市之丞と称し、入道して康悦と号し正保三年に歿した工であり、その上手の作を説明書は初代と紛れるものとする。

その手はまず地鉄に読まれる。板目に杢を交えてやや肌立ち、処々流れごころとなり、地沸厚くつき、地景入り、時に地斑を交え、説明書のいう越前がねの黒みをおびたかな色をなす。この黒く肌立った地鉄は終始変わらぬところで、説明書はこれを一派の見どころとして繰り返し、鍛えが「越前がねの特色を示している」と評する。これに焼くのはのたれを基調に互の目・小互の目を交えた刃で、小足・葉入り、沸強く処々荒めの沸を交えてむらづき、最も本工らしい効果であるばさけを生じ、金筋・砂流しが長くかかって縞がかり、匂口は沈みごころとなり、棟を焼く。

帽子はこの工の手を最もよく示すところである。多くは小丸に強く掃きかけて長く返り、説明書はある重要刀剣の刀について「帽子乱れ込み、強く掃きかけて、先小丸に長く返る」と読み、静かな直刃の作では三品風を見せて同じく長く強く返る。掃きかけて丸く返る小丸と長い返りはコーパスを通じて繰り返し現れ、先は時に尖りごころとなり、また乱れ込むものもあるが、その長く掃きかける返りは終始変わらず、判者はこれを黒い越前がねと併せて工の独自の見どころとする。のたれの手と並んでもう一つの本来の作域があり、説明書はこれを二代本来の作柄とする。すなわち直刃を、時には中直刃を基調に、小互の目を連れて交え、小足さかんに入り、総体に棟を焼き、匂口はやはり沈みごころとなる。ある脇指について説明書は、この直刃に小互の目の連れたところを「二代康継本来の作柄」と呼び、刃が直刃に静まってもなお地鉄に工の名が残る。

一派が最も称えられる作域はその相州写しで、説明書は初代・二代ともに上手であったとする。本コーパスには名物の縮模が伝わり、金象嵌の写し銘を入れた安宅貞宗の刀とこれを脇指に縮模した作、また罹災した本科を初代が再刃した獅子貞宗の二代唯一の写しがある。これらでは鍛えがつまり、刃文はのたれに互の目・大互の目を交えて大模様に乱れ、飛焼・湯走りかかって皆焼ごころとなり、沸よくつき、帽子は一枚風となる。ある短刀について説明書は、匂深く沸よくつき金筋・砂流しを見せる出来を「古作の相州上工を狙ったものと思われる」としつつ、地鉄の肌立ちと匂口の沈みごころにはなお越前の手が窺えるとする。さらに彫物も別格で、彫物師喜内知相・記内知相の手になる深く力強い記内彫、すなわち三体仏・梵字・倶利迦羅竜・護摩箸・素剣などをもって説明書は代をも分かち、初代の三体仏が不動明王と二童子に限るのに対し、二代は地蔵・毘沙門天・文珠を組み合わせるとする。

二代を分かつのは、判者自身の言にあるように、いかに初代に迫りながらそのスケールにはなお及ばぬかという点である。説明書は繰り返し父と比べ、ある刀を「この刀はその作中、最も初代に近い作風」を見せるものとし、晩年の一刀を「初代康継に劣らぬ技術が遺憾なく発揮された」優品と称える。銘そのものがその区別を担い、「継」の字形が初代と異なり、一派はその写した古作相州によってではなく自らの見どころ、すなわち黒い越前がね・ばさけた刃縁・縞がかる砂流し・長く掃きかける小丸の返り・深い記内彫によって読まれる。

藤代の極めは上々作、東光大鑑も新刀中の上位に位置づける。国宝はなく重要文化財もない。その記録は重要刀剣の二十四口と、戦前に重要美術品に指定された二口の刀を通じ、後者は『康継大鑑』に所載され黒川古文化研究所に伝わる。来歴は大名・武家のもので、本多家、すなわち本多飛騨守・本多七左衛門の所持銘を帯び、金象嵌の截断銘を持つ作も数口あり、一口は「富士低し」の瓢逸な添銘を入れて、日本一の富士も我が作には及ばぬという工の自負を伝える。これらは頻繁に市場へ出る刀ではない。国宝として封じられたものはなく、多くが旧家の蔵に伝わるため、葵紋を切った在銘の康継は折にふれ根気をもって世に現れ、幅広く黒く豪壮なその作は、説明書のいう「迫力と野趣が感じられる」一口であり、よく「越前物の特色をよく示しており」と評されるものである。

鑑定

越前下坂康継の手を、主に二代を通して読む像:黒みをおびた板目の越前がねの地鉄と、沈みごころでばさけたのたれ互の目という本来の作域に、説明書がその独自とする二つの作域、すなわち貞宗写しの相州写しと深い記内彫の構成を置き、これらを徳川より賜った葵紋と南蛮鉄銘の下に運ぶ

康継は越前下坂派の祖を称号とする一統で、徳川家の抱え工として「康」の一字と三つ葉葵紋を茎にきることを許され、越前と江戸の間に代を重ねた新刀工である。説明書は、初代が越前福井に住し、慶長頃に家康・秀忠に召されて鍛刀し、家康より「康」の字と葵紋を賜って隔年に両地を勤め、二代が正保三年に歿した後は下坂家が江戸と越前の両方に分離したと記す。本コーパスの鑑定像は、初代の嫡子で下坂市之丞と称し入道して康悦と号した二代が主となり、まず地鉄に読まれる。板目に杢を交えてやや肌立ち、地沸厚くつき地景入り、黒みをおびた越前がねという一派の見どころを示す。これに焼くのはのたれを基調に互の目・小互の目を交えた刃で、小足入り、沸強く処々荒めの沸を交えてばさけ、金筋・砂流しが長くかかって縞がかり、匂口は沈みごころ、帽子は乱れ込みに掃きかけて長く返る。一派は説明書がその独自とする二つの作域をも持つ。すなわち貞宗に倣う相州写しで、名物安宅貞宗・獅子貞宗の縮模を含み、また三体仏・倶利迦羅などの深く力強い記内彫の構成で、説明書はこれを初代と紛れるほどと評する。

鑑定の決め手

新刀一般の基準(明るいかね)にはない特徴

作品の26% ・ 本工の匂口明るい作比 2.4倍

将軍家の許しなき新刀工にはない特徴

作風の変遷

本来の越前の作域(二代の典型)

説明書が二代の典型とする本来の手は、まず地鉄に読まれる。板目に杢を交えてやや肌立ち、処々流れごころとなり、地沸厚くつき地景入り、時に地斑を交え、説明書のいう越前がねの黒みをおびたかな色をなす。これに焼くのはのたれを基調に互の目・小互の目を交えた刃で、小足・葉入り、沸強く処々荒めの沸を交えてむらづきばさけ、刃縁ほつれ、金筋・砂流しが長くかかって縞がかり、匂口は沈みごころとなり、棟を焼く。帽子は多くは小丸に強く掃きかけて長く返り、時に尖りごころとなり、また乱れ込むものもある。造込みは身幅広く豪壮、重ね厚く、慶長気の寸延び・大鋒をなす。説明書はこのばさけて縞がかり沈みごころとなる刃を越前物の特色そのものとし、幅広豪壮の刀を放胆にして迫力と野趣ありと評する。

姿 Sugata
地鉄 Jigane
刃文 Hamon
帽子 Bōshi

貞宗に倣う相州写し(説明書がその独自とする作域)

説明書は、初代・二代ともに上手であった作域として貞宗写しの相州写しを特に挙げる。本コーパスには名物の縮模が伝わり、金象嵌「あたき写」を入れた安宅貞宗の刀とこれを脇指に縮模した作、また大坂落城後に初代が再刃した獅子貞宗の二代唯一の写しがあり、切刃貞宗写しの脇指も見る。これらでは鍛えが板目つみて地沸つき、刃文はのたれに互の目・大互の目を交えて大模様に乱れ、飛焼・湯走りかかって皆焼ごころとなり、沸よくつき砂流し・金筋頻りにかかり、帽子は一枚風となる。ある短刀では、匂深く沸よくつき金筋・砂流しを見せる出来口を、貞宗ら相州上工を狙ったものと読みつつ、地鉄の肌立ちと匂口の沈みごころにはなお越前の手が窺えるとする。

地鉄 Jigane
刃文 Hamon

直刃を基調とする作域(本来の作柄とされる)

のたれの手と並んで、説明書はもう一つの本来の作域を挙げ、これを二代本来の作柄と称する。すなわち直刃を基調に小互の目を連れて交え(中直刃調に小互の目連れ)、小足さかんに入り、小沸つき、処々荒めの沸を交えてむらとなり、僅かに砂流し・金筋を見せ、総体に棟を焼き、匂口は沈みごころとなる。帽子は三品風を見せて長く返り、その返りの長く強き焼きに手が知れる。説明書はこの作域の作を同じ入道銘によって結び付け概ね同時期とし、直刃を基調に小互の目連れて小足さかんに入る出来を二代康継本来の典型的作域とする。

刃文 Hamon
帽子 Bōshi

記内彫の構成

一派を特色づける作域がその彫物で、初期には協力者であった記内派の彫物師喜内知相・記内知相の手になり、銘を入れた作もある。彫物は彫口深く力強く、三体仏、梵字、櫃中の倶利迦羅竜、護摩箸、素剣、後年の作には梅竹などを刻む。説明書は彫物の主題によって代を分かち、初代の三体仏は不動明王と二童子に限るのに対し、二代は地蔵・毘沙門天・文珠などを組み合わせ、彫法と配置に工夫を凝らすとする。説明書はこれらを初代と紛れるものとし、康継研究上の好資料と評する。

研究

説明書は二代を初代と区別し難いほど近いものとし、主に「継」の字形と彫物の主題によって分かち、また果たして江戸と福井を隔年に往復したか否かには疑問があるとする。コーパスにはまた「ふじひきし(富士低し)」の添銘のような瓢逸な趣きも記され、これを工の自負と読む。

ある短刀について説明書は、匂深く沸よくつき金筋・砂流しを見せる出来を、貞宗ら相州上工を狙ったものと読みつつ、地鉄の肌立ち、刃中に処々ばさけた沸、さかんな砂流し、沈みごころの匂口に、なお越前物の特色が窺えるとする。

指定

国宝—
重要文化財—
重要美術品2
御物1
特別重要刀剣—
重要刀剣24

名工ランク

0.14 (指定作品27点)

刀工の上位14%

伝来

伝来記録5件 の鑑定作品における Yasutsugu

伝来ランク

名家所蔵1点、伝来記録5件

刀工の上位84%

素点:1.83 / 10

刀姿

評価作品27点の分布

銘

評価作品27点の銘の種類

販売中

系譜

師匠Yasutsugu
Yasutsugu
弟子(6名)
  1. 1.康繼Yasutsugu1 販売中27指定
  2. 2.康繼Yasutsugu3 販売中8指定
  3. 3.繼平Tsuguhira2指定
  4. 4.康繼Yasutsugu7 販売中2指定
  5. 5.康繼Yasutsugu1指定
  6. 6.康繼Yasutsugu

Shimosaka派

Shimosaka派の他の刀工

  1. 1.康繼Yasutsugu3 販売中74指定
  2. 2.康繼Yasutsugu3 販売中8指定
  3. 3.貞國Sadakuni11指定
  4. 4.重高Shigetaka3 販売中6指定
  5. 5.貞次Sadatsugu1 販売中5指定
  6. 6.國次Kunitsugu1 販売中1指定
  7. 7.國清Kunikiyo1指定
  8. 8.貞國Sadakuni2指定
  9. 9.繼平Tsuguhira2指定
  10. 10.康繼Yasutsugu1指定
  11. 11.國次Kunitsugu1指定
  12. 12.下坂八郎左衛門Shimosaka Hachirozaemon1指定