桐紋に藤透図大小鐔 無銘(京透) -Mumei(Kyosukashi)- (大)縦85.5ミリ 横83.2ミリ 切羽台厚5.65ミリ 重さ70.5グラム (小)縦77.2ミリ 横76.8ミリ 切羽台厚5.05ミリ 重さ63.5グラム 江戸前期 The early period of Edo era 附属 桐箱 京透鐔は京都を中心に発達した透鐔の代表的な流派で、洗練された意匠と軽快な透かし技術によって高い評価を受けています。桃山時代から江戸初期にかけて完成されたその様式は、武家の実用性と都の雅趣を兼ね備えたものとして広く愛好されました。 本作は鉄地を円形に仕立て、上部中央に桐紋を、全面に藤花を連続して配した大小揃いで、外周に沿って巡る藤花の透かしは規則正しく連なり、その間を細く繋ぐ地鉄によって軽やかで優美な構成が生み出されています。単なる装飾に留まらず、透かしそのものが鐔の輪郭を形成しており、京透ならではの高度な意匠感覚が窺えます。 地鉄は鍛えの良い鉄味を見せ、長年の使用によって落ち着いた黒褐色の古色を帯び、細く繊細な透かしでありながら全体の均衡は崩れることなく保たれており、確かな技量を有する工人の手によることが感じられます。大小ともに同意匠で揃えられている点も見所であり、小柄笄櫃穴には赤銅が嵌められ、大小鐔として高い完成度を示しています。 藤は古来より繁栄や長寿を象徴する吉祥の植物として親しまれ、武家社会においても格調高い意匠として好まれました。本作に見られる連続する藤花の透かしは、優美さの中に気品を備え、都風の洗練された美意識を巧みに表現しています。 繊細な透かしによる軽快な造形と、古雅な鉄味が見事に調和した大小揃いの優品であり、京透鐔の魅力を存分に味わうことのできる逸品です。
















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