説明

演目:万歳図 説明 本作は銅と銀を用いた縁頭です。画題の「万歳(まんざい)」は、古来より新年の到来を祝う言祝ぎの儀式として親しまれてきた日本の伝統芸能です。 本品は公益財団法人日本美術刀剣保存協会(日刀保)による鑑定を受けております。鑑定書によれば、本作は江戸時代後期に活躍した「一喜(花押)」の作です。一喜の師は、江戸中期から後期にかけて名を馳せた装金の名工、大森英秀です。英秀は鐔、小柄、縁頭など多くの優れた刀装具を遺し、象嵌や彫金の技法を駆使した華麗な作風で知られています。特に独自の彫法を考案するなど、その卓越した技術と造形美は高く評価され、大森派の祖として後世に多大な影響を与えました。一喜もまた同派に属し、師である英秀からその高度な技術を継承したことが本作からも伺えます。 縁頭には、道具を手に演じる二人の芸者が描かれています。新年の多幸を願って舞い踊る彼らは、扇を持つ「太夫(たゆう)」と、太鼓を叩く「才蔵(さいぞう)」と呼ばれます。太夫と才蔵が交わす陽気で滑稽な掛け合いは、人々に笑いと福をもたらすものと信じられてきました。 この形式の万歳は、三河国(現在の愛知県)を発祥とする伝統芸能であることから「三河万歳」とも呼ばれます。江戸時代、三河万歳の芸者たちは徳川将軍家に重用され、江戸城内や諸大名の下屋敷での興行を許されていました。今日では季節を問わず祝事の席で披露されており、1995年には国の重要無形民俗文化財にも指定されています。 ※アンティーク品につき、状態については写真にて詳細をご確認ください。 縁頭(ふちかしら)とは 縁頭は日本刀の柄(つか)を補強するための金具です。柄の鍔側に装着する「縁」と、柄頭に装着する「頭」の二つで一組となります。実用的な堅牢さはもとより、刀装を彩る装飾品としても発展を遂げました。 刀装具が武士にとって重要であった理由 日本刀の外装(拵)には、鐔、目貫、縁頭など、多種多様な装飾金具が備わっています。日本刀は武器であると同時に、持ち主の格付けや信念、個性を象徴するものでもありました。現代で例えるなら、スマートフォンの装飾に近い感覚と言えるかもしれません。 ぜひ写真を拡大してご覧ください。鉄や銅を主体とし、金、銀、赤銅、四分一などを贅沢に用いた象嵌や彫金の緻密な技法から、当時の職人たちの高い技術力が伝わってきます。刀本体と共に時代を歩んできたこれらの金具は、刀剣そのものに匹敵する美術的価値を有しています。一見すると控えめな部品ではありますが、こうした細部にまでこだわりを持つことこそが、武士の嗜みであり、真の愛刀家への第一歩と言えるでしょう。 鑑定書 : 日本美術刀剣保存協会(NBTHK) 特別保存刀装具鑑定書 日本美術刀剣保存協会は、日本で最も権威のある刀剣鑑定機関の一つです。本作は平成元年(1989年)10月6日付で、保存価値の高い「特別保存刀装具」として認定されています。

Antique Fuchi Kashira for Samurai Sword with NBTHK Tokubetsu Hozon Certificate (F-41)
Tokuho

Antique Fuchi Kashira for Samurai Sword with NBTHK Tokubetsu Hozon Certificate (F-41)

縁頭

$1,842

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