二十世紀は二度この工芸を殺しかけた。戦時の歪みと、占領下の禁令である。1948年の日刀保設立と1953年の作刀再開が刀を美術として再建し、人間国宝と無鑑査がその頂に立つ。
昭次は、天田誠一と言い、昭和二年、現在の新潟県新発田市本田に生まれ、九歳の時に父貞吉と死別、昭和十五年に上京し、日本刀鍛錬伝習所にて、栗原彦三郎の門人となります。この時兄弟子には、宮入昭平(行平)がいました。昭和三十年代に入ると頭角を現し、新作刀展では、毎年優秀賞を受賞しましたが、これからという昭和三十五年、三十三歳の頃に大病を患い、八年の休業を余儀なくされました。昭和四十三年、鍛刀を再開するに当たって、新発田市月岡の温泉街の外れに、自宅兼鍛刀場として『豊月山(ほうげつさん)鍛刀場』を構えました。不撓不屈の精神で復活した昭次は、昭和四十七年には無鑑査、昭和五十二年、六十年、平成八年に、刀剣界の最高賞である『正宗賞』を三度受賞、同賞三度受賞は、隅谷正峯、大隅俊平に次いで三例目ですが、山城伝、相州伝、備前伝と、全て異なる作風で受賞したのは昭次のみです。平成九年には人間国宝認定、平成二十五年、八十五歳にて没。 本作は、昭和五十七年、同工五十五歳の作、寸法二尺四寸六分弱、切っ先猪首風にやや詰まり、身幅重ねガシッとした豪壮で力感溢れるスタイルは、鎌倉中期の典型的な太刀姿を再現しています。 備前一文字を狙った一振りで、地沸の厚く付いた精緻なる小板目肌、匂い深い互の目丁子乱れ主体の刃は、一部鎬に掛かる程華やかで、刃縁明るく冴え、刃中柔らかな丁子足が繁く入っています。地刃の冴えは同工最上の物と言えるでしょう。 同工は独立して以来、鎌倉、南北朝期の古名刀に近づくためには、その当時の鉄の再現が不可欠であるとの結論に至り、本格的な自家製鉄に取り組み始めました。様々な研究の末、苦心して辿り着いたのが、奥出雲の真砂(まさ)砂鉄を低温で丹念に精錬して生み出した最高級玉鋼でした。それは結果的に同工に初の『正宗賞』の栄誉をもたらしたのです。 本作は、初の『正宗賞』獲得後、自らの自家製鉄法に確信を持って取り組んでいた頃の自信作、前述したように三度目の『正宗賞』受賞作は備前伝丁子刃ですが、本作はそれに勝るとも劣らない出来映えを示しています。 鎌倉、南北朝期の名刀に魅了された人間国宝天田昭次が、鉄の美の極致を求めて懸命に鍛えた備前伝丁子刃の最高傑作、
Certificate reading — 銘 天田昭次作之 昭和五十七年仲春吉日




Niigata · 1926-1989頃
刀剣大鑑 上位87%
現在5点販売中
二十世紀は二度この工芸を殺しかけた。戦時の歪みと、占領下の禁令である。1948年の日刀保設立と1953年の作刀再開が刀を美術として再建し、人間国宝と無鑑査がその頂に立つ。
保存刀剣のうち、出来が一層優れ、保存状態も良好と認められたものです。再刃や、室町・江戸期の多くの無銘作は対象外となり、保存刀剣より高い基準が課されます。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
NBTHK公式サイト刀剣、刀装具、骨董等1点ものにつきましては、キャンセル待ちのお客様がおられる場合がございますので、ご返品のご連絡は商品到着後3日以内、ご返送は8日以内にお願いいたします。ご返金は商品ご返送到着後即日に致します。
昭次は、天田誠一と言い、昭和二年、現在の新潟県新発田市本田に生まれ、九歳の時に父貞吉と死別、昭和十五年に上京し、日本刀鍛錬伝習所にて、栗原彦三郎の門人となります。この時兄弟子には、宮入昭平(行平)がいました。昭和三十年代に入ると頭角を現し、新作刀展では、毎年優秀賞を受賞しましたが、これからという昭和三十五年、三十三歳の頃に大病を患い、八年の休業を余儀なくされました。昭和四十三年、鍛刀を再開するに当たって、新発田市月岡の温泉街の外れに、自宅兼鍛刀場として『豊月山(ほうげつさん)鍛刀場』を構えました。不撓不屈の精神で復活した昭次は、昭和四十七年には無鑑査、昭和五十二年、六十年、平成八年に、刀剣界の最高賞である『正宗賞』を三度受賞、同賞三度受賞は、隅谷正峯、大隅俊平に次いで三例目ですが、山城伝、相州伝、備前伝と、全て異なる作風で受賞したのは昭次のみです。平成九年には人間国宝認定、平成二十五年、八十五歳にて没。 本作は、昭和五十七年、同工五十五歳の作、寸法二尺四寸六分弱、切っ先猪首風にやや詰まり、身幅重ねガシッとした豪壮で力感溢れるスタイルは、鎌倉中期の典型的な太刀姿を再現しています。 備前一文字を狙った一振りで、地沸の厚く付いた精緻なる小板目肌、匂い深い互の目丁子乱れ主体の刃は、一部鎬に掛かる程華やかで、刃縁明るく冴え、刃中柔らかな丁子足が繁く入っています。地刃の冴えは同工最上の物と言えるでしょう。 同工は独立して以来、鎌倉、南北朝期の古名刀に近づくためには、その当時の鉄の再現が不可欠であるとの結論に至り、本格的な自家製鉄に取り組み始めました。様々な研究の末、苦心して辿り着いたのが、奥出雲の真砂(まさ)砂鉄を低温で丹念に精錬して生み出した最高級玉鋼でした。それは結果的に同工に初の『正宗賞』の栄誉をもたらしたのです。 本作は、初の『正宗賞』獲得後、自らの自家製鉄法に確信を持って取り組んでいた頃の自信作、前述したように三度目の『正宗賞』受賞作は備前伝丁子刃ですが、本作はそれに勝るとも劣らない出来映えを示しています。 鎌倉、南北朝期の名刀に魅了された人間国宝天田昭次が、鉄の美の極致を求めて懸命に鍛えた備前伝丁子刃の最高傑作、
Certificate reading — 銘 天田昭次作之 昭和五十七年仲春吉日




Niigata · 1926-1989頃
刀剣大鑑 上位87%
現在5点販売中
二十世紀は二度この工芸を殺しかけた。戦時の歪みと、占領下の禁令である。1948年の日刀保設立と1953年の作刀再開が刀を美術として再建し、人間国宝と無鑑査がその頂に立つ。
保存刀剣のうち、出来が一層優れ、保存状態も良好と認められたものです。再刃や、室町・江戸期の多くの無銘作は対象外となり、保存刀剣より高い基準が課されます。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
NBTHK公式サイト刀剣、刀装具、骨董等1点ものにつきましては、キャンセル待ちのお客様がおられる場合がございますので、ご返品のご連絡は商品到着後3日以内、ご返送は8日以内にお願いいたします。ご返金は商品ご返送到着後即日に致します。