説明

山城・肥後守 / 万治頃(17世紀後半・江戸時代前期)/ 約355年前 彫物:裏に内樋 本作は、肥後守(ひごのかみ)を受領した、山城国西陣の住人である名工、国輝(くにてる)の手による一振りです。国輝は、名高い越前康継や、江戸の越前守助広などと並び称される名工の一人であり、徳川将軍家からの信頼も厚く、葵紋を茎(なかご)に刻むことを許された数少ない刀工の一人として知られています。本作は、国輝が山城国から肥後国へと移住した時期の作であり、晩年は熊本の細川藩に仕えたと伝えられています。 刀身の姿は、寛文前後の特徴を色濃く反映した優美なものです。反りは浅く、身幅が広く、重ねが厚いという、実戦的かつ重厚な造り込みがなされています。切先は鋭く引き締まり、地鉄と刃文の調和がこの一振りの見どころに集約されており、力強い迫力を感じさせます。地鉄は小板目肌がよく詰み、地沸(じにえ)が微細につき、潤いのある美しい肌合いを見せています。刃文は、中直刃(ちゅうすぐは)を基調に小乱れが交じり、ほつれや喰い違刃(くいちがいば)が見られ、砂流し(すながし)のような繊細な働きが随所に現れています。沸(にえ)は深く、明るく冴え、刃中の変化はまさに鑑賞の妙と言えるでしょう。帽子(ぼうし)は表裏ともに深く残り、表は掃き掛け(はきかけ)て小丸に返り、裏は掃き掛けて焼き詰めています。茎の保存状態は極めて良好で、銘振りも力強く鮮明に残されています。全体として、出来映えは非常に優れています。 本作は、新刀期の山城伝と肥後伝の技術が融合した、まさに傑作と呼ぶに相応しい一振りです。「古山城」を彷彿とさせる気品ある地鉄の美しさは、愛刀家の皆様に深くご満足いただけるものと確信しております。12代続く名門・国輝の系譜が生んだ、江戸時代初期の刀剣文化を象徴する逸品です。

Sugu Yari

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刀工

Kunitsugu

時代

Edo

仕様

長さ

27.57 cm

元幅

2.94 cm

刀剣商

銀座長州屋

ginza.choshuya.co.jp

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