鎌倉時代は備前の頂点である。伝えでは一文字派の工が後鳥羽上皇の御番鍛冶に列し、世紀の半ばには光忠が長船派を興して、注文は公家からも武家政権からも流れ込んだ。国宝刀剣の数で備前に並ぶ国はない。
Stock number:KA-070522Paper(Certificate): [N.B.T.H.K] Juyo TokenCountry(Kuni)・Era(Jidai):Bicchu (Okayama)・Early Kamakura period about 1185~Blade length(Cutting edge):65.2cmCurve(SORI):2.0cmWidth at the hamachi(Moto-Haba):2.60cmThickness at the Moto-Kasane: 0.70cmWide at the Kissaki(Saki-Haba):1.60cmThickness at the Saki-Kasane: 0.55cmSword tang(Nakago):Kiriyasuri file patternRivet Holes(Mekugiana):2Shape(Taihai):Shinogizukuri,Iorimune,Ko-kissakiJigane(Hada):Itame and MokumeTemper patterns(Hamon):Sugu and NotareTemper patterns in the point(Bohshi):Sugu then Ko-Maru round tipRegistration Card:Osaka【Additional Information】【重要刀剣図譜より】法量 長さ六五・二糎 反り二・〇糎 元幅二・六糎 先幅一・六糎 鋒長さ二・五糎 茎長さ一八・二糎 茎反り〇・一糎形状 鎬造、庵棟、身幅尋常、元先の幅差やや目立ち、重ね尋常、反りやや深くつき、小鋒。鍛 板目肌、肌立ちごころ、杢交え、地沸厚くつき、地景入り、淡く地斑映り風立つ。刃文 広直刃基調に極く浅くのたれ、処々小互の目交じり、小足・葉入り、匂勝ち小沸つき、腰元二重刃かかり、匂口やや明るい。帽子 直ぐに先丸、返りやや長く焼き下げる。茎 磨上、先浅い栗尻、鑢目(新)切り・(佩表茎先旧鑢)大筋違、目釘孔二、佩表茎先に二字銘があり、銘字の一部が切れている。説明妹尾の地は平家の家人妹尾太郎兼康によって開かれたことで知られ、高梁川下流域の青江の地より東方備前寄りに位置し、『元亀目利書』・『古今銘尽』は備中刀工を青江鍛冶と妹尾鍛冶に区別している。また青江鍛冶が銘文に「次」の字を用いることを通例としているのに対し、妹尾鍛冶は則高・正恒・常遠・是重・安家・弘経・恒真・守恒・助真・時真・行真らの遺例に見るように「次」の字を用いることは少ない。作風は、地がねが縮緬風の肌合を呈し、地斑があらわれ、鑢目が大筋違になるなど備中鍛冶の見どころを示すが、『元亀目利書』に「備前物二似タリ」とあるように、やや古備前気質を感じさせるものである。この太刀は、鎌倉時代初期を下らぬ古典的で優美な太刀姿を呈し、板目が僅かに肌立ち、杢を交え、地沸が厚くつき、淡く地斑映りが立ち、刃文は広直刃が極く浅くのたれ、腰元には二重刃が交じり、小足・葉が入り、匂勝ち小沸つき、一見古備前物に近似した出来口を見せている。しかしながら地鉄に杢目が交じる態や、銘の周囲に遺る生ぶの鑢が大筋違である点などには備中系の特色が示されている。地刃に潤いを感じさせるいかにも古調な一口で格調が高く、加えて行国在銘が誠に貴重である。なお妹尾鍛冶は青江鍛冶と異なり、銘字を太刀銘に切るものが多い。行国在銘の作品は希少であり、行国および備中妹尾鍛冶研究にとり、重要な情報を提供してくれる。
妹尾の地は平家の家人妹尾太郎兼康によって開かれたことで知られ、高梁川下流域の青江の地より東方備前寄りに位置し、『元亀目利書』・ 『古今銘尽』は備中刀工を青江鍛冶と妹尾鍛冶に区別している。また青江鍛冶が銘文に「次」の字を用いることを通例としているのに対し、妹尾鍛 冶は則高・正恒常遠・是重・安家・弘経・恒真・守恒・助真・時真・行真らの遺例に見るように「次」の字を用いることは少ない。作風は、地 がねが縮緬風の肌合を呈し、地斑があらわれ、鑢目が大筋違になるなど備中鍛冶の見どころを示すが、『元亀目利書』に「備前物ニ似タリ」とある ように、やや古備前気質を感じさせるものである。 この太刀は、鎌倉時代初期を下らぬ古典的で優美な太刀姿を呈し、板目が僅かに肌立ち、杢を交え、地沸が厚くつき、淡く地斑映りが立ち、 刃文は広直刃が極く浅くのたれ、腰元には二重刃が交じり、小足・葉が入り、匂勝ち小沸つき、一見古備前物に近似した出来口を見せている。 しかしながら地鉄に杢目が交じる態や、銘の周囲に遺る生ぶのが大筋違である点などには備中系の特色が示されている。地刃に潤いを感じさ せるいかにも古調な一口で格調が高く、加えて行国在銘が誠に貴重である。なお妹尾鍛冶は青江鍛冶と異なり、銘字を太刀銘に切るものが多い。 行国在銘の作品は稀少であり、行国および備中妹尾鍛冶研究にとり、重要な情報を提供してくれる。














妹尾の地は平家の家人妹尾太郎兼康によって開かれたことで知られ、高梁川下流域の青江の地より東方備前寄りに位置し、『元亀目利書』・ 『古今銘尽』は備中刀工を青江鍛冶と妹尾鍛冶に区別している。また青江鍛冶が銘文に「次」の字を用いることを通例としているのに対し、妹尾鍛 冶は則高・正恒常遠・是重・安家・弘経・恒真・守恒・助真・時真・行真らの遺例に見るように「次」の字を用いることは少ない。作風は、地 がねが縮緬風の肌合を呈し、地斑があらわれ、鑢目が大筋違になるなど備中鍛冶の見どころを示すが、『元亀目利書』に「備前物ニ似タリ」とある ように、やや古備前気質を感じさせるものである。 この太刀は、鎌倉時代初期を下らぬ古典的で優美な太刀姿を呈し、板目が僅かに肌立ち、杢を交え、地沸が厚くつき、淡く地斑映りが立ち、 刃文は広直刃が極く浅くのたれ、腰元には二重刃が交じり、小足・葉が入り、匂勝ち小沸つき、一見古備前物に近似した出来口を見せている。 しかしながら地鉄に杢目が交じる態や、銘の周囲に遺る生ぶのが大筋違である点などには備中系の特色が示されている。地刃に潤いを感じさ せるいかにも古調な一口で格調が高く、加えて行国在銘が誠に貴重である。なお妹尾鍛冶は青江鍛冶と異なり、銘字を太刀銘に切るものが多い。 行国在銘の作品は稀少であり、行国および備中妹尾鍛冶研究にとり、重要な情報を提供してくれる。
備前伝 · 備前 · 1207-1211頃
藤代 Jo-jo saku · 刀剣大鑑 上位8%
現在1点販売中
行国は、備前国福岡一文字派の初期に位置する刀工であり、その活動は鎌倉時代初期、承元頃とされている。後鳥羽院番鍛冶の一人に数えられ、銘鑑にもその名が見える。一説には河内の石川にも居住したと伝えられる。同派の祖である則宗をはじめ、助宗、成宗、宗吉、宗忠、重久、貞真らと共に古一文字と呼称される。同時代の刀工との関係については詳らかではない。
行国の作風は、古備前の影響を強く受けた地鉄と刃文に特色がある。地鉄は小板目に杢目が交じり、地沸がつき、細かな地景が入り、乱れ映りが鮮やかに立つ。刃文は小丁子、小互の目、小乱れなどが交じり、小足が入り、上半に僅かに飛焼を交える作が見られる。金筋、砂流しが細かにかかり、小沸がよくつく。帽子は乱れ込み、先小丸に返る。茎は生ぶで、先は極く浅い刃上がり気味の栗尻、鑢目は筋違である。姿は細身で腰反りが高く、先に行って伏しごころとなる優雅な太刀姿を呈し、小鋒となる。この姿態には時代の特色がよく示されている。古備前に似て小模様ではあるが、処々にはっきりとした小丁子を交えるなど、古備前に比して技巧味・洗練さを窺わせる初期一文字の特色が顕著に現れている。
行国の作は現存するものが極めて少ないため、資料的価値が高い。作風は古雅な美点をよく表示しており、地刃共に健全なものが多い。「細身・小鋒で反りが先へ行って伏しごころとなる優美な太刀姿を呈しており、その姿態に時代の特色がよく示されている」と評される。古一文字の中でも、特に古備前の特色を色濃く残す作風は、同派の源流を探る上で重要な位置を占める。
行國の位置づけを、日本刀全体および伝統・時代・時期ごとに示します。各位(随一・屈指・有数・著名)は、NBTHK および文化庁による指定に加え、三作や名物帳などの歴史的栄誉を加味したものです。
各項目を選ぶと評価方法が表示されます。
備前伝 · 備前
時期区分: 古一文字· 1175–1249
現在2点販売中
概要・位置づけ 古一文字は、備前国福岡一文字派のうち、則宗を祖として鎌倉時代初期に興った最初期の刀工群を指す呼称である。福岡一文字派は則宗を始祖として鎌倉初期に興り、同時代中期に丁子乱れを主体とする華麗な作風をもって最も繁栄するが、その隆盛に先立つ時代の一群を、中期以降の華やかな一文字とは区別して古一文字と称している。則宗のほか、助宗・成宗・尚宗・宗吉・宗忠・重久・貞真らがこれに数えられ、いずれも後鳥羽院の番鍛冶として名を連ねたと伝えられる。これらの工に見る作風は、鎌倉中期の華麗なものとは異なり、姿恰好および地刃の出来に古備前物の趣を強く遺存しており、古備前から一文字への過渡的な位置を占める。宗吉については『古刀銘尽大全』に宗国の子で則宗の聟とあり、貞真は銘鑑に宗忠の子で宝治頃と伝えるが、現存作はむしろ宗忠よりも古調を示すなど、伝承と実作との間に異同が認められる点も本期の特色である。なお、宗吉・宗忠ら一名のもとに銘振り・作風を異にする作が併存し、複数の同名工の存在が推察される例も少なくない。 作風 体配は、鎬造、庵棟、細身にして腰反り高く、踏張りがあり、先へ行って伏しごころとなり、小鋒に結ぶ優美な太刀姿を基調とする。これに時代の特色がよく示され、古雅にして品位のある姿恰好を呈する。鍛えは小板目あるいは板目に杢を交えてつみ、地沸が微塵に厚くつき、地景が細かに入り、地に乱れ映り、ないし地斑映りが鮮明に立つことを標識とする。刃文は直刃を基調とし、小乱れ・小丁子・小互の目などを交え、足・葉がしきりに入り、小沸がよくつき、金筋・砂流しが頻りにかかる。古備前に似て総じて小模様ながら、処々にはっきりとした小丁子を交え、古備前に比して技巧味と洗練を窺わせる点が初期一文字の特色である。帽子は直ぐに小丸、あるいは乱れ込んで焼詰め風となるものが多い。一方で、宗吉・宗忠らの一部にはやや房の大きめな丁子が目立ち、焼幅に高低を生じ飛焼を交えてやや華やかさを示す作もあり、これも古一文字に時折認められる作域である。映りについては大半が鮮明な乱れ映りを示すなか、貞真には映りの目立たぬものが多いという差異が指摘される。 評価・伝承 古一文字は、後の一文字派全体が展開する基盤を築いた一群として、備前刀の系譜上に枢要な位置を占める。則宗は福岡一文字派の始祖として著名で、その直刃仕立に小丁子・小乱れを交える作は古一文字の典型とされる。助宗・成宗・行国・重久・貞真ら各工の作は、いずれも古朴にして雅味があり、古一文字以外には紛れることのない古様にして格調高い出来を示す。貞真は地鉄誠に精良と評され、古備前の作風を継承してさらに新味を加えた点に見どころがあるとされる。各工とも現存する在銘作は極めて少なく、生ぶ茎・有銘の遺例は資料的にもとりわけ貴重である。古一文字の達成は、古備前の古雅な趣を残しつつ、鎌倉中期の華麗な丁子乱れに至らぬ過渡の作域として、古雅と技巧を兼ね備えた一個の独自の美を確立した点にあり、初期備前鍛冶の優れた表現として高く評価される。 詳しく見る →
鎌倉時代の備前
鎌倉時代は備前の頂点である。伝えでは一文字派の工が後鳥羽上皇の御番鍛冶に列し、世紀の半ばには光忠が長船派を興して、注文は公家からも武家政権からも流れ込んだ。国宝刀剣の数で備前に並ぶ国はない。
特別保存刀剣の中から、特に出来が優れ、国認定の重要美術品に準ずると判断された名品です。年に一度の重要刀剣審査で選ばれます。
極めて選別的で、日本に登録された約250万口の刀剣のうち、重要刀剣に達したものは12,307口(約203口に1口)にすぎません。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
NBTHK公式サイトNo cooling-off period or returns; refund only if the purchased sword is proven fake, capped at purchase price (excludes commission sales, accessories, auction items).
¥14,000,000
Stock number:KA-070522Paper(Certificate): [N.B.T.H.K] Juyo TokenCountry(Kuni)・Era(Jidai):Bicchu (Okayama)・Early Kamakura period about 1185~Blade length(Cutting edge):65.2cmCurve(SORI):2.0cmWidth at the hamachi(Moto-Haba):2.60cmThickness at the Moto-Kasane: 0.70cmWide at the Kissaki(Saki-Haba):1.60cmThickness at the Saki-Kasane: 0.55cmSword tang(Nakago):Kiriyasuri file patternRivet Holes(Mekugiana):2Shape(Taihai):Shinogizukuri,Iorimune,Ko-kissakiJigane(Hada):Itame and MokumeTemper patterns(Hamon):Sugu and NotareTemper patterns in the point(Bohshi):Sugu then Ko-Maru round tipRegistration Card:Osaka【Additional Information】【重要刀剣図譜より】法量 長さ六五・二糎 反り二・〇糎 元幅二・六糎 先幅一・六糎 鋒長さ二・五糎 茎長さ一八・二糎 茎反り〇・一糎形状 鎬造、庵棟、身幅尋常、元先の幅差やや目立ち、重ね尋常、反りやや深くつき、小鋒。鍛 板目肌、肌立ちごころ、杢交え、地沸厚くつき、地景入り、淡く地斑映り風立つ。刃文 広直刃基調に極く浅くのたれ、処々小互の目交じり、小足・葉入り、匂勝ち小沸つき、腰元二重刃かかり、匂口やや明るい。帽子 直ぐに先丸、返りやや長く焼き下げる。茎 磨上、先浅い栗尻、鑢目(新)切り・(佩表茎先旧鑢)大筋違、目釘孔二、佩表茎先に二字銘があり、銘字の一部が切れている。説明妹尾の地は平家の家人妹尾太郎兼康によって開かれたことで知られ、高梁川下流域の青江の地より東方備前寄りに位置し、『元亀目利書』・『古今銘尽』は備中刀工を青江鍛冶と妹尾鍛冶に区別している。また青江鍛冶が銘文に「次」の字を用いることを通例としているのに対し、妹尾鍛冶は則高・正恒・常遠・是重・安家・弘経・恒真・守恒・助真・時真・行真らの遺例に見るように「次」の字を用いることは少ない。作風は、地がねが縮緬風の肌合を呈し、地斑があらわれ、鑢目が大筋違になるなど備中鍛冶の見どころを示すが、『元亀目利書』に「備前物二似タリ」とあるように、やや古備前気質を感じさせるものである。この太刀は、鎌倉時代初期を下らぬ古典的で優美な太刀姿を呈し、板目が僅かに肌立ち、杢を交え、地沸が厚くつき、淡く地斑映りが立ち、刃文は広直刃が極く浅くのたれ、腰元には二重刃が交じり、小足・葉が入り、匂勝ち小沸つき、一見古備前物に近似した出来口を見せている。しかしながら地鉄に杢目が交じる態や、銘の周囲に遺る生ぶの鑢が大筋違である点などには備中系の特色が示されている。地刃に潤いを感じさせるいかにも古調な一口で格調が高く、加えて行国在銘が誠に貴重である。なお妹尾鍛冶は青江鍛冶と異なり、銘字を太刀銘に切るものが多い。行国在銘の作品は希少であり、行国および備中妹尾鍛冶研究にとり、重要な情報を提供してくれる。
妹尾の地は平家の家人妹尾太郎兼康によって開かれたことで知られ、高梁川下流域の青江の地より東方備前寄りに位置し、『元亀目利書』・ 『古今銘尽』は備中刀工を青江鍛冶と妹尾鍛冶に区別している。また青江鍛冶が銘文に「次」の字を用いることを通例としているのに対し、妹尾鍛 冶は則高・正恒常遠・是重・安家・弘経・恒真・守恒・助真・時真・行真らの遺例に見るように「次」の字を用いることは少ない。作風は、地 がねが縮緬風の肌合を呈し、地斑があらわれ、鑢目が大筋違になるなど備中鍛冶の見どころを示すが、『元亀目利書』に「備前物ニ似タリ」とある ように、やや古備前気質を感じさせるものである。 この太刀は、鎌倉時代初期を下らぬ古典的で優美な太刀姿を呈し、板目が僅かに肌立ち、杢を交え、地沸が厚くつき、淡く地斑映りが立ち、 刃文は広直刃が極く浅くのたれ、腰元には二重刃が交じり、小足・葉が入り、匂勝ち小沸つき、一見古備前物に近似した出来口を見せている。 しかしながら地鉄に杢目が交じる態や、銘の周囲に遺る生ぶのが大筋違である点などには備中系の特色が示されている。地刃に潤いを感じさ せるいかにも古調な一口で格調が高く、加えて行国在銘が誠に貴重である。なお妹尾鍛冶は青江鍛冶と異なり、銘字を太刀銘に切るものが多い。 行国在銘の作品は稀少であり、行国および備中妹尾鍛冶研究にとり、重要な情報を提供してくれる。














妹尾の地は平家の家人妹尾太郎兼康によって開かれたことで知られ、高梁川下流域の青江の地より東方備前寄りに位置し、『元亀目利書』・ 『古今銘尽』は備中刀工を青江鍛冶と妹尾鍛冶に区別している。また青江鍛冶が銘文に「次」の字を用いることを通例としているのに対し、妹尾鍛 冶は則高・正恒常遠・是重・安家・弘経・恒真・守恒・助真・時真・行真らの遺例に見るように「次」の字を用いることは少ない。作風は、地 がねが縮緬風の肌合を呈し、地斑があらわれ、鑢目が大筋違になるなど備中鍛冶の見どころを示すが、『元亀目利書』に「備前物ニ似タリ」とある ように、やや古備前気質を感じさせるものである。 この太刀は、鎌倉時代初期を下らぬ古典的で優美な太刀姿を呈し、板目が僅かに肌立ち、杢を交え、地沸が厚くつき、淡く地斑映りが立ち、 刃文は広直刃が極く浅くのたれ、腰元には二重刃が交じり、小足・葉が入り、匂勝ち小沸つき、一見古備前物に近似した出来口を見せている。 しかしながら地鉄に杢目が交じる態や、銘の周囲に遺る生ぶのが大筋違である点などには備中系の特色が示されている。地刃に潤いを感じさ せるいかにも古調な一口で格調が高く、加えて行国在銘が誠に貴重である。なお妹尾鍛冶は青江鍛冶と異なり、銘字を太刀銘に切るものが多い。 行国在銘の作品は稀少であり、行国および備中妹尾鍛冶研究にとり、重要な情報を提供してくれる。
備前伝 · 備前 · 1207-1211頃
藤代 Jo-jo saku · 刀剣大鑑 上位8%
現在1点販売中
行国は、備前国福岡一文字派の初期に位置する刀工であり、その活動は鎌倉時代初期、承元頃とされている。後鳥羽院番鍛冶の一人に数えられ、銘鑑にもその名が見える。一説には河内の石川にも居住したと伝えられる。同派の祖である則宗をはじめ、助宗、成宗、宗吉、宗忠、重久、貞真らと共に古一文字と呼称される。同時代の刀工との関係については詳らかではない。
行国の作風は、古備前の影響を強く受けた地鉄と刃文に特色がある。地鉄は小板目に杢目が交じり、地沸がつき、細かな地景が入り、乱れ映りが鮮やかに立つ。刃文は小丁子、小互の目、小乱れなどが交じり、小足が入り、上半に僅かに飛焼を交える作が見られる。金筋、砂流しが細かにかかり、小沸がよくつく。帽子は乱れ込み、先小丸に返る。茎は生ぶで、先は極く浅い刃上がり気味の栗尻、鑢目は筋違である。姿は細身で腰反りが高く、先に行って伏しごころとなる優雅な太刀姿を呈し、小鋒となる。この姿態には時代の特色がよく示されている。古備前に似て小模様ではあるが、処々にはっきりとした小丁子を交えるなど、古備前に比して技巧味・洗練さを窺わせる初期一文字の特色が顕著に現れている。
行国の作は現存するものが極めて少ないため、資料的価値が高い。作風は古雅な美点をよく表示しており、地刃共に健全なものが多い。「細身・小鋒で反りが先へ行って伏しごころとなる優美な太刀姿を呈しており、その姿態に時代の特色がよく示されている」と評される。古一文字の中でも、特に古備前の特色を色濃く残す作風は、同派の源流を探る上で重要な位置を占める。
行國の位置づけを、日本刀全体および伝統・時代・時期ごとに示します。各位(随一・屈指・有数・著名)は、NBTHK および文化庁による指定に加え、三作や名物帳などの歴史的栄誉を加味したものです。
各項目を選ぶと評価方法が表示されます。
備前伝 · 備前
時期区分: 古一文字· 1175–1249
現在2点販売中
概要・位置づけ 古一文字は、備前国福岡一文字派のうち、則宗を祖として鎌倉時代初期に興った最初期の刀工群を指す呼称である。福岡一文字派は則宗を始祖として鎌倉初期に興り、同時代中期に丁子乱れを主体とする華麗な作風をもって最も繁栄するが、その隆盛に先立つ時代の一群を、中期以降の華やかな一文字とは区別して古一文字と称している。則宗のほか、助宗・成宗・尚宗・宗吉・宗忠・重久・貞真らがこれに数えられ、いずれも後鳥羽院の番鍛冶として名を連ねたと伝えられる。これらの工に見る作風は、鎌倉中期の華麗なものとは異なり、姿恰好および地刃の出来に古備前物の趣を強く遺存しており、古備前から一文字への過渡的な位置を占める。宗吉については『古刀銘尽大全』に宗国の子で則宗の聟とあり、貞真は銘鑑に宗忠の子で宝治頃と伝えるが、現存作はむしろ宗忠よりも古調を示すなど、伝承と実作との間に異同が認められる点も本期の特色である。なお、宗吉・宗忠ら一名のもとに銘振り・作風を異にする作が併存し、複数の同名工の存在が推察される例も少なくない。 作風 体配は、鎬造、庵棟、細身にして腰反り高く、踏張りがあり、先へ行って伏しごころとなり、小鋒に結ぶ優美な太刀姿を基調とする。これに時代の特色がよく示され、古雅にして品位のある姿恰好を呈する。鍛えは小板目あるいは板目に杢を交えてつみ、地沸が微塵に厚くつき、地景が細かに入り、地に乱れ映り、ないし地斑映りが鮮明に立つことを標識とする。刃文は直刃を基調とし、小乱れ・小丁子・小互の目などを交え、足・葉がしきりに入り、小沸がよくつき、金筋・砂流しが頻りにかかる。古備前に似て総じて小模様ながら、処々にはっきりとした小丁子を交え、古備前に比して技巧味と洗練を窺わせる点が初期一文字の特色である。帽子は直ぐに小丸、あるいは乱れ込んで焼詰め風となるものが多い。一方で、宗吉・宗忠らの一部にはやや房の大きめな丁子が目立ち、焼幅に高低を生じ飛焼を交えてやや華やかさを示す作もあり、これも古一文字に時折認められる作域である。映りについては大半が鮮明な乱れ映りを示すなか、貞真には映りの目立たぬものが多いという差異が指摘される。 評価・伝承 古一文字は、後の一文字派全体が展開する基盤を築いた一群として、備前刀の系譜上に枢要な位置を占める。則宗は福岡一文字派の始祖として著名で、その直刃仕立に小丁子・小乱れを交える作は古一文字の典型とされる。助宗・成宗・行国・重久・貞真ら各工の作は、いずれも古朴にして雅味があり、古一文字以外には紛れることのない古様にして格調高い出来を示す。貞真は地鉄誠に精良と評され、古備前の作風を継承してさらに新味を加えた点に見どころがあるとされる。各工とも現存する在銘作は極めて少なく、生ぶ茎・有銘の遺例は資料的にもとりわけ貴重である。古一文字の達成は、古備前の古雅な趣を残しつつ、鎌倉中期の華麗な丁子乱れに至らぬ過渡の作域として、古雅と技巧を兼ね備えた一個の独自の美を確立した点にあり、初期備前鍛冶の優れた表現として高く評価される。 詳しく見る →
鎌倉時代の備前
鎌倉時代は備前の頂点である。伝えでは一文字派の工が後鳥羽上皇の御番鍛冶に列し、世紀の半ばには光忠が長船派を興して、注文は公家からも武家政権からも流れ込んだ。国宝刀剣の数で備前に並ぶ国はない。
特別保存刀剣の中から、特に出来が優れ、国認定の重要美術品に準ずると判断された名品です。年に一度の重要刀剣審査で選ばれます。
極めて選別的で、日本に登録された約250万口の刀剣のうち、重要刀剣に達したものは12,307口(約203口に1口)にすぎません。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
NBTHK公式サイトNo cooling-off period or returns; refund only if the purchased sword is proven fake, capped at purchase price (excludes commission sales, accessories, auction items).
¥14,000,000