本作は後藤と極められた黄石公張良図小柄。「黄石公張良(こうせきこうちょうりょう)」は古代中国の名高い軍師張良が黄石公より兵法を伝授される有名な故事。若き日の張良は橋上で老人黄石公に出会い、沓(くつ)を拾わせる試練を与えられた。本作は川に投げ込まれる黄石公の沓を龍に向かって張良が拾いに行く場面。この後張良は龍を従え沓を拾って黄石公に渡しその謙虚さと器量を認められ兵法の秘巻を授けられる。そして天下一の兵法家となり劉邦を助けて漢の帝業を成就する。精進と我慢と勇気を諭す図。本作では、沓を川に投げ入れる黄石公を静的に、荒波立つ中の龍に怯まず沓を拾いに向かう張良を気迫伝わる動的な描写で対照的にあらわす。象嵌や色絵のない無赤銅物(むしゃくもの)で、赤銅地の黒味は美しく、鏨使いは精緻で格調高い。2013年保存刀装具審査合格。















後藤派
室町
武蔵
無銘
保存 (日本美術刀剣保存協会)
家彫 · 山城
現在325点販売中
後藤派は、室町時代中期に初代祐乗が将軍足利義政に仕えて創始した彫金の宗家であり、「日本彫物の元祖」と仰がれ、「古今独歩の鏨師」と賞賛される祐乗を祖として十五代にわたり嫡流の技を継承した。祐乗の作品は東山御物として数多く取り上げられ、後世に名を残した名工は挙って後藤家の祐乗に範をとっている。四代光乗・五代徳乗は織田信長、次いで豊臣秀吉に仕え、大判・分銅・彫物の三役を担い、桃山時代の豪華美を格調高く表示した。幕末には一乗が「後藤家の掉尾を飾る名工」として家風を大成し、門下の荒木東明・中川一勝らが一派の技を継承した。 後藤派の作域は三所物・縁頭・鐔・揃金具と多岐にわたり、赤銅魚子地を基調とした高彫金色絵を家風の根幹とする。金紋裏哺金仕立の小柄笄、金無垢地容彫の目貫など、素材と技法の選択に一貫した格式が認められる。三代乗真は「大振りで力強く、量感の豊かな彫技」[[c:1]]を特徴とし、紋の肉取りが豊かで鏨使いが手強く、赤銅の色相も漆黒で麗わしい。桃山期の作には鋤出高彫に金・銀・素銅の象嵌色絵を駆使した豪華絢爛の大名道具が見られ、近世には四分一磨地や朧銀地に甲鋤毛彫・平象嵌を組み合わせた多彩な表現も展開された。龍・獅子・鶏・犀・鯰といった動物意匠から、松竹梅・桐紋・粟穂・四季草花に至るまで画題は広範であり、各代が武家好みの吉祥意匠を格調高く仕上げている。 後藤派に帰せられる作品には「気品があって格調が高く」[[c:2]]「力漲る」と評される一貫した品格が通底する。歴代の折紙制度によって初代祐乗以来の作が厳格に鑑定・伝承され、「家彫の誇りは確実に後代に伝わっている」[[c:3]]と繰り返し認められる。後藤流に熟達した門弟の作が「後藤家御家彫と見紛うまでの出来」[[c:4]]と称されることからも、その規範性の高さが窺える。日本金工史において、後藤派は赤銅魚子地高彫金色絵という技法体系を確立し、室町から明治に至る四百余年の間、彫金の最高規範として君臨した一門である。 詳しく見る →
商品到着後7日以内※①商品に手を加えた場合、②海外取引の場合は返品不可となります。
本作は後藤と極められた黄石公張良図小柄。「黄石公張良(こうせきこうちょうりょう)」は古代中国の名高い軍師張良が黄石公より兵法を伝授される有名な故事。若き日の張良は橋上で老人黄石公に出会い、沓(くつ)を拾わせる試練を与えられた。本作は川に投げ込まれる黄石公の沓を龍に向かって張良が拾いに行く場面。この後張良は龍を従え沓を拾って黄石公に渡しその謙虚さと器量を認められ兵法の秘巻を授けられる。そして天下一の兵法家となり劉邦を助けて漢の帝業を成就する。精進と我慢と勇気を諭す図。本作では、沓を川に投げ入れる黄石公を静的に、荒波立つ中の龍に怯まず沓を拾いに向かう張良を気迫伝わる動的な描写で対照的にあらわす。象嵌や色絵のない無赤銅物(むしゃくもの)で、赤銅地の黒味は美しく、鏨使いは精緻で格調高い。2013年保存刀装具審査合格。















後藤派
室町
武蔵
無銘
保存 (日本美術刀剣保存協会)
家彫 · 山城
現在325点販売中
後藤派は、室町時代中期に初代祐乗が将軍足利義政に仕えて創始した彫金の宗家であり、「日本彫物の元祖」と仰がれ、「古今独歩の鏨師」と賞賛される祐乗を祖として十五代にわたり嫡流の技を継承した。祐乗の作品は東山御物として数多く取り上げられ、後世に名を残した名工は挙って後藤家の祐乗に範をとっている。四代光乗・五代徳乗は織田信長、次いで豊臣秀吉に仕え、大判・分銅・彫物の三役を担い、桃山時代の豪華美を格調高く表示した。幕末には一乗が「後藤家の掉尾を飾る名工」として家風を大成し、門下の荒木東明・中川一勝らが一派の技を継承した。 後藤派の作域は三所物・縁頭・鐔・揃金具と多岐にわたり、赤銅魚子地を基調とした高彫金色絵を家風の根幹とする。金紋裏哺金仕立の小柄笄、金無垢地容彫の目貫など、素材と技法の選択に一貫した格式が認められる。三代乗真は「大振りで力強く、量感の豊かな彫技」[[c:1]]を特徴とし、紋の肉取りが豊かで鏨使いが手強く、赤銅の色相も漆黒で麗わしい。桃山期の作には鋤出高彫に金・銀・素銅の象嵌色絵を駆使した豪華絢爛の大名道具が見られ、近世には四分一磨地や朧銀地に甲鋤毛彫・平象嵌を組み合わせた多彩な表現も展開された。龍・獅子・鶏・犀・鯰といった動物意匠から、松竹梅・桐紋・粟穂・四季草花に至るまで画題は広範であり、各代が武家好みの吉祥意匠を格調高く仕上げている。 後藤派に帰せられる作品には「気品があって格調が高く」[[c:2]]「力漲る」と評される一貫した品格が通底する。歴代の折紙制度によって初代祐乗以来の作が厳格に鑑定・伝承され、「家彫の誇りは確実に後代に伝わっている」[[c:3]]と繰り返し認められる。後藤流に熟達した門弟の作が「後藤家御家彫と見紛うまでの出来」[[c:4]]と称されることからも、その規範性の高さが窺える。日本金工史において、後藤派は赤銅魚子地高彫金色絵という技法体系を確立し、室町から明治に至る四百余年の間、彫金の最高規範として君臨した一門である。 詳しく見る →
商品到着後7日以内※①商品に手を加えた場合、②海外取引の場合は返品不可となります。