説明

銘:文久元年辛酉八月日 和田一真(花押) 特別保存刀装具 本作は、文久元年(1861年)八月に制作された和田一真の逸品です。 一真は文化11年(1814年)11月11日、地方武士の子として生まれましたが、後に京都の刀剣商・藤木久兵衛の養子となりました。その才能を見抜いた久兵衛の紹介により、名工・後藤一乗の門を叩きます。一真は一乗門下の中でも屈指の実力者となり、一乗派を代表する名手として名を馳せました。明治15年(1882年)12月4日に没しています。 詳細な説明に先立ち、本作の特筆すべき点について触れておかなければなりません。 本作に施された金銀の宝尽しの意匠は、象嵌によるものではなく、おそらく当初の意匠とは異なる後付けのものと推察されます。これらは彫金用の松脂のような素材で固定されているようで、熱を加えると容易に動かしたり取り外したりできる状態にあります。本来の象嵌が施されるはずであった空間を、これらの宝尽しが覆っているものと思われます。 しかしながら、本作は日本美術刀剣保存協会(NBTHK)の「特別保存刀装具」に指定されており、まさに「格別に保存の価値がある」名品です。また、寺江一太郎著『鍔鑑賞記』にも所載されている由緒ある一枚です。 意匠は雲に宝尽し。地鉄は鉄地、磨地。 前述の通り、宝尽しの部分は後年の改変の可能性がありますが、一乗派の真髄を示す見事な出来栄えであることに変わりはありません。特に、地を埋め尽くす雲の彫り口は圧巻の一言に尽きます。 法量:76 mm x 70 mm x 3 mm 特注桐箱入 日本美術刀剣保存協会 特別保存刀装具 寺江一太郎著『鍔鑑賞記』281頁所載

Iron Tsuba Signed August 1861 Wada Isshin with Tokubetsu Hozon Tosogu Published
Tokuho

Iron Tsuba Signed August 1861 Wada Isshin with Tokubetsu Hozon Tosogu Published

$4,400

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流派

Ichijo

時代

late Edo–Meiji (1814–1882)

作者について

Ichijo Isshin一真

7 重要刀剣

和田一真は文化十一年(1814年)に京都に生まれ、初め後藤系の仕入彫師である藤木久兵衛に師事し政隆と名乗った。後に刀剣商沢屋忠兵衛の斡旋により後藤一乗の門下となり、「一」の字を許され一真と改めた。月琴堂・眉山・天然花などの号を用い、小進・大進・朝臣などを冠称した作も多く見られる。医学の心得があり、敬神家で、和歌と月琴を好む風流の士でもあったという。明治十五年(1882年)に六十九歳で没した。一乗門下にあって一門の重鎮として活躍した。 作風は師である一乗の作風を継承しつつも、独自の工夫を凝らした作が見られる。赤銅や朧銀を地金に用いた高彫色絵を得意とし、金、銀、四分一、素銅などを用いて写実的な表現を追求している。特に動物の描写に優れ、十二支を題材とした揃金具など、総金具を手掛けた大作も残されている。鐔の造形や雲や波の表現、縁頭の鑢には師である一乗の特色が顕著に見られる。 重要刀装具に指定されている作には、丸龍図二所物、十二支図大小揃金具、四季花図揃金具などがある。これらの作は、一真の制作熱意が発揮された傑作であり、同工の力量を示す好例として評価が高い。特に四季花鳥図揃金具は、同作中でも屈指の大作と目され、一真の全てを傾注して力強い作品となっており、完成度が頗る高いと評されている。

刀剣商

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