説明

三所物 浜野政随(初代) 日本美術刀剣保存協会(NBTHK)特別保存刀装具 銘: 【鍔】乙柳軒 味墨(花押) 【目貫】味墨(金無垢) 寸法: 【鍔】縦 7.6cm × 横 7.3cm × 厚さ 0.4cm 【茎孔】2.5cm × 0.6cm 【縁】5.1cm × 2.2cm 【目貫】長さ 5.1cm × 幅 1.3cm(重量 18g) 鑑定書: NBTHK 特別保存刀装具 (マルクス・セスコ著『日本刀工・金工名鑑』所載) 解説: 浜野派の祖である政随(しょうずい)は、奈良利寿の門人です。通称を太郎兵衛といい、元禄九年(1696年)に生まれました。利寿のもとで修行を積んだ後、奈良派から独立して一家を成し、その門弟の数と町彫界への影響力において、横谷派に比肩するほどの隆盛を極めました。 その作風は、横谷派と奈良派の様式に杉浦乗意の解釈を融合させたものと言えます。高彫色絵や象嵌の技法を用いながらも、奈良派よりも大柄な図案を好み、薄肉彫や肉合彫(ししあいぼり)を駆使して豊かな表現を実現しました。題材は歴史上の人物、説話、風俗、動植物など多岐にわたります。 政随は、奈良三作(奈良利寿、杉浦乗意、土屋安親)に次ぐ名手として「奈良四天王」の一人に数えられます。ただし、利寿や安親に比べて政随と乗意は約三十年ほど後輩にあたり、四天王の中でも独自の地位を築いています。 銘振りの特徴として、「浜」の字は常に旧字の「濱」を用い、「随」もまた旧字の「隨」と切ります。『刀装小道具講座』によれば、当時「政随」の名は訓読みで「まさゆき」と呼ばれていたと推察されています。

Mitokorimono Hamano Shozui / NBTHK
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Mitokorimono Hamano Shozui / NBTHK

三所物

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作者について

Hamano Shozui政随

1 重要美術品16 重要刀剣

浜野政隨は、元禄九年(1696)に生まれ、奈良利寿門の逸材で、通称を太郎兵衛という。多くの子弟を育成し、浜野派という町彫の主要な門流を形成して一家をなした。嫡流は二代目兼隨、三代目鋪隨、四代目政信、五代目政芳と続き、また矩随をはじめとする有力な門人を多数養成した。乙柳軒・味墨・閑径・驪風堂・遊壺亭・穐峰斎・半圭子・一瞬庵など多くの別号を持ち、明和六年(1769)に七十四歳で没した。当時の江戸金工界にあっては横谷派と拮抗する門流として栄えた。 政隨の作風は、師である利寿の作風を継承しながらも乗意、安親の作風を取り入れて多岐にわたる。人物などを大図に描写した高肉彫を得意とし、大胆と細心を併用し、肉置きも主題の高肉彫に乗意風の肉合彫を加えるなど独得の彫法をあみだしている。作域は広く、鉄地、赤銅、四分一、素銅、朧銀など多様な素材を用い、高彫、鋤出彫、肉合彫、片切彫、石目地など、卓越した技術であらゆる彫技をこなす。晩年のものは豪快な高彫りを駆使した政隨独自というべき雄渾な作品を多く残している。鐔においては、竪丸形、撫角形、変り形など、さまざまな形状を手がけ、金、銀、赤銅、素銅、山銅などを用いた象嵌色絵を施し、その表現は写実的で、細部に至るまで鏨がよく行き届いている。小柄においては、朧銀地、素銅地、赤銅石目地などを用い、高彫色絵を施し、老松に繋がれた猛牛、流水に時鳥、老木に月など、趣のある題材を力強く表現している。目貫においては、素銅地、金地などを用い、容彫、色絵を施し、香木に銘を記してその品位を誇るなど、趣向を凝らした作品も見られる。拵においては、虫尽し金具など、意匠を凝らした総金具の作例があり、研出鮫鞘を用いて華麗に纏められている。 『江戸金工名譜』に「世に雷鳴す」とあるように、『奈良四天王』の一人として利寿・乗意・安親と並んで高名を馳せ、その技術は高く評価されている。装剣奇賞には「手強きを好みて気象を現わし、さっぱりとして勢あり」と評されるように、大胆な構図と繊細な彫技を融合させた作風は、江戸趣味ともいえる情緒豊かな作風として高く評価されている。

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