
目貫:獅子図 Menuki:Shishi Zu
¥125,000
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Muromachi
流派について
Ko-kinko School古金工派
古金工派は、日本刀装具史における最も古い時代からの流れを汲む金工作品群の総称である。鎌倉時代から室町時代を経て桃山時代に至るまで、各時代の作風を反映しながら展開した。その作域は後藤家や古美濃とは範疇を異にする独自の表現領域を確立しており、技巧に偏ることなく素朴さと雅味を基調とした作風が特徴である。使用される地金は山銅や赤銅、四分一が主体で、魚子地に高彫や鋤出彫を施し、金銀の袋着色絵や鍍金によって装飾を加える。特に鎌倉時代から南北朝時代にかけての作品には、逆耳仕立の笄や卍紋透鐔など古式な形式を示すものが多く、時代を経るごとに緑青が吹いた山銅地や漆黒の赤銅地が深い古淡の風趣を醸し出している。 古金工派の作風は、時代によって明確な変遷を示す。南北朝時代から室町時代初期にかけては、波地や網目文といった地文に三巴紋や歳寒二雅図を配した簡素な意匠が主流であり、肉置きは概ね平らかで撫肩の造形に古式の趣が色濃く表れている。室町時代中期から後期になると、秋草図や草花唐草文など自然を題材とした意匠が増え、彫口は鋭く切り立ち、銀露象嵌や金袋着色絵の技法が洗練されてゆく。桃山時代に至ると、富士山風景図や枝垂桜図といった絵画的な構図が現れ、表裏で図取りを替えた大胆な展開や、古美濃の影響を受けた深い高彫が特徴となる。また牡丹獅子図や竹虎図など吉祥文様を雄渾に彫り上げた作品には、桃山という時代の絢爛たる気風が反映されており、後藤家の規格化された表現とは異なる伸びやかな躍動感が認められる。 古金工派の作品は、無銘のものが大半を占めるにもかかわらず、その時代性と品格は明瞭である。魚子地のつぶが大小不揃いであることや、金鍍金が処々摺り剥がし状になっていることが、かえって経年の雅趣を深めている。また鐔の土手耳や笄の蕨手金象嵌、目貫の陰陽根など、各時代の形式を忠実に伝える造形は、後世の金工に多大な影響を与えた。特に室町時代中期の作品には古美濃や古後藤に通じる彫法が見られるものの、一段と濃麗な彫や露象嵌金色絵の多用など、独自の美意識が貫かれている。藻貝海幸散図や貝尽図など海中の生物を情景豊かに彫り上げた作品や、草花尽図のように多様な草花や木の実を緻密に散らした作品には、汲めども尽きぬ雅趣が満ちており、保存状態の良好なものは未使用に近い状態で伝世している。古金工派の作品は、技巧を誇示するのではなく、物静かに古談の風趣を伝える点において、日本刀装具史上極めて重要な位置を占めている。







