説明

鑑定書内容:財)日本美術刀剣保存協会 重要刀剣[N.B.T.H.K]Juyo Token No.58 江戸時代後期の水戸金工、高瀬栄寿の重要刀装具指定作品。高瀬栄寿は水戸金工、泰山家の二代目赤城軒元孚の門人で風柳軒と号した。水戸金工は石黒派、浜野派、奈良派と様々な作風を取り入れて独特な世界観を生み出したが、栄寿は赤銅魚子地に高彫工法で人物や花鳥を表した格調高い作品を多く残している。本作は鉄を地鉄とし、丸の画面そのものを活かして孔雀の絢爛さを表現した鐔で、後藤風の作品を得意とした同作中でも極めて珍しい作域の一例である。鋤出彫で描かれた羽の広がり、下半に展開された金の配色の対比と躍動感など実に華やかな作品である。

高瀬東浦 風柳軒栄寿(花押)
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Jūyō売切れ

高瀬東浦 風柳軒栄寿(花押)

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流派について

Mito School水戸派

6 重要刀剣

水戸派は江戸時代後期から幕末にかけて、常陸国水戸藩を中心に発展した刀装金工の一派である。篠崎勝茂を直系とする水戸金工群は、藩の庇護のもとで御用彫物師の地位を確立し、赤銅魚子地に高彫という手法を用いた作品を数多く制作した。横谷派の影響を受けつつも独自の様式を展開し、人物図を得意とする玉川派の系譜を引く工人たちが、牡丹獅子図や七福神図などの吉祥文様を立体的な彫技で表現した。 代表的な工人である生涼軒萩谷勝平は、文化元年に水戸に生まれ、篠崎勝茂の門に学んだ後、天保十五年より藩の御用彫物師となった。通称を弥介といい、門人にこの一字を与えたことでも知られる。勝平の作品は赤銅魚子地に高彫という技法を用い、銀象嵌や金布目象嵌を豊富に施した華麗な作風を特徴とする。獅子の巻毛や牡丹の花弁を実に立体的に彫り上げ、色絵も的確で隙のない工法により、質感に富んだ鮮やかな仕上がりを見せる。竜田川図や流水紅葉散図などの自然文様においても、高い技術による完成度の高い表現を残している。 水戸派は多くの優れた門人を育成し、勝平の門からは滑川貞勝、海野勝珉、鈴木勝容などの名工が輩出している。海野美盛の門人である海野美秋、海野美春も人物表現に巧みで、師の玉川派の流れを汲む丁寧な色絵技法を受け継いだ。額川保誠のような後期の工人たちは、家紋散図など正統的な形式による作品を制作し、幕末の水戸金工群の充実ぶりを示している。水戸派の作品は堅実丁寧な技が光り、幕末金工史における重要な位置を占めている。

刀剣商

飯田高遠堂

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