幽霊図鐔 銘:森(花押) 本作は日本美術刀剣保存協会(NBTHK)により「保存刀装具」に認定された一枚です。銘には「森」の氏名と、その花押が刻まれています。 意匠について 本鐔の主題は「幽霊図」です。幽霊画は江戸時代から明治時代にかけて広く普及した日本画および浮世絵のジャンルの一つです。幽霊画は数ある画題の中でも特に複雑な技法を要すると言われており、死後の世界や亡霊を描き出します。その表現は、背筋が凍るような恐怖を煽るものから、どこかユーモラスなものまで多岐にわたり、一つの確立された芸術ジャンルとして多くの名品が残されています。 幽霊画と聞くと、一見して不吉な印象を受けるかもしれません。しかし、古来よりこれらは縁起物としての側面も持ち合わせていました。例えば、幽霊には「足が無い」ことから「(お足が出る=)出費が無い」と掛け、商売繁盛の験担ぎとされることがあります。また、供養のため、あるいは泥棒除けや魔除けの護符として描かれることもありました。地域によっては、雨乞いの祈願として幽霊図を掲げる風習も存在します。 本作には、性別不詳の長い髪の幽霊が描かれています。伏せられた目元からは、深い悲しみの情動が伝わってきます。決して攻撃的で荒々しい雰囲気はなく、ただ静かに、寂しげに佇んでいます。三日月が照らす月夜の晩、柳の木の下にひっそりと現れたその姿は、強い孤独感を感じさせます。足元には人魂が揺らめき、その緻密な構図と繊細な彫口は、まるで一枚の絵画を鑑賞しているかのような気品を漂わせています。 裏面には、表面と同じ情景の続きが描かれていると思われます。道端に転がる三つの物体は「陣笠」でしょう。かつてこの戦場で命を落とした侍たちの遺品ではないかと推察されます。そう考えると、この幽霊は戦死した武士たちを弔っているのか、あるいは自らも戦に散り、現世の無常を嘆いている武士の姿なのかもしれません。この繊細かつ美しい名品を、ぜひ貴殿のコレクションにお加えいただき、末永くご愛蔵いただければ幸いです。 ※アンティーク品のため、状態については写真にて詳細をご確認ください。 鐔(つば)とは 鐔は日本刀の拳を守るための護具です。身分の高い武士は、鐔をはじめとする美しい刀装具で刀を飾り立てました。特に鐔の表面(表)は、街を歩く際に他者の目に触れる機会が多いため、より装飾性の高い意匠が施される傾向にあります。 武士にとっての刀装具 日本刀には、鐔、目貫、縁頭など、多種多様な装飾具が備わっています。日本刀は武器であると同時に、持ち主の身分や信念、個性を象徴するものでもありました。現代で例えるなら、スマートフォンのアクセサリーのような自己表現の手段とも言えるでしょう。ぜひ写真を拡大してご覧ください。鉄や銅(赤銅・四分一など)を主体とし、金、銀、素銅などの象嵌を駆使した日本の伝統的な彫金技術の粋を感じていただけることでしょう。鐔一つをとっても、その形状や重さは千差万別です。刀と共に時代を生き抜いてきたこれらの刀装具は、刀本体に匹敵する価値を持つ美術品です。控えめな存在ながら、ここにこだわりを持つことこそが、真の愛刀家への第一歩と言えるでしょう。 鑑定書 : 日本美術刀剣保存協会(NBTHK)保存刀装具鑑定書







森如件
江戸
在銘
保存 (NBTHK)
銘が正しい、または無銘でも年代・流派を指摘でき、美術工芸的価値が認められる、保存に値する真正の刀装具と鑑定されたものです。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
NBTHK公式サイトReturns/exchanges limited to defects caused by shipping (except willful misconduct or gross negligence by the company); customers must contact within 72 hours of receiving the product.
幽霊図鐔 銘:森(花押) 本作は日本美術刀剣保存協会(NBTHK)により「保存刀装具」に認定された一枚です。銘には「森」の氏名と、その花押が刻まれています。 意匠について 本鐔の主題は「幽霊図」です。幽霊画は江戸時代から明治時代にかけて広く普及した日本画および浮世絵のジャンルの一つです。幽霊画は数ある画題の中でも特に複雑な技法を要すると言われており、死後の世界や亡霊を描き出します。その表現は、背筋が凍るような恐怖を煽るものから、どこかユーモラスなものまで多岐にわたり、一つの確立された芸術ジャンルとして多くの名品が残されています。 幽霊画と聞くと、一見して不吉な印象を受けるかもしれません。しかし、古来よりこれらは縁起物としての側面も持ち合わせていました。例えば、幽霊には「足が無い」ことから「(お足が出る=)出費が無い」と掛け、商売繁盛の験担ぎとされることがあります。また、供養のため、あるいは泥棒除けや魔除けの護符として描かれることもありました。地域によっては、雨乞いの祈願として幽霊図を掲げる風習も存在します。 本作には、性別不詳の長い髪の幽霊が描かれています。伏せられた目元からは、深い悲しみの情動が伝わってきます。決して攻撃的で荒々しい雰囲気はなく、ただ静かに、寂しげに佇んでいます。三日月が照らす月夜の晩、柳の木の下にひっそりと現れたその姿は、強い孤独感を感じさせます。足元には人魂が揺らめき、その緻密な構図と繊細な彫口は、まるで一枚の絵画を鑑賞しているかのような気品を漂わせています。 裏面には、表面と同じ情景の続きが描かれていると思われます。道端に転がる三つの物体は「陣笠」でしょう。かつてこの戦場で命を落とした侍たちの遺品ではないかと推察されます。そう考えると、この幽霊は戦死した武士たちを弔っているのか、あるいは自らも戦に散り、現世の無常を嘆いている武士の姿なのかもしれません。この繊細かつ美しい名品を、ぜひ貴殿のコレクションにお加えいただき、末永くご愛蔵いただければ幸いです。 ※アンティーク品のため、状態については写真にて詳細をご確認ください。 鐔(つば)とは 鐔は日本刀の拳を守るための護具です。身分の高い武士は、鐔をはじめとする美しい刀装具で刀を飾り立てました。特に鐔の表面(表)は、街を歩く際に他者の目に触れる機会が多いため、より装飾性の高い意匠が施される傾向にあります。 武士にとっての刀装具 日本刀には、鐔、目貫、縁頭など、多種多様な装飾具が備わっています。日本刀は武器であると同時に、持ち主の身分や信念、個性を象徴するものでもありました。現代で例えるなら、スマートフォンのアクセサリーのような自己表現の手段とも言えるでしょう。ぜひ写真を拡大してご覧ください。鉄や銅(赤銅・四分一など)を主体とし、金、銀、素銅などの象嵌を駆使した日本の伝統的な彫金技術の粋を感じていただけることでしょう。鐔一つをとっても、その形状や重さは千差万別です。刀と共に時代を生き抜いてきたこれらの刀装具は、刀本体に匹敵する価値を持つ美術品です。控えめな存在ながら、ここにこだわりを持つことこそが、真の愛刀家への第一歩と言えるでしょう。 鑑定書 : 日本美術刀剣保存協会(NBTHK)保存刀装具鑑定書







森如件
江戸
在銘
保存 (NBTHK)
銘が正しい、または無銘でも年代・流派を指摘でき、美術工芸的価値が認められる、保存に値する真正の刀装具と鑑定されたものです。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
NBTHK公式サイトReturns/exchanges limited to defects caused by shipping (except willful misconduct or gross negligence by the company); customers must contact within 72 hours of receiving the product.