説明

金山 茶壺透図 桃山時代(16世紀) 寸法: 縦 77.2 mm 横 78.8 mm 耳厚 5.0 mm 切羽台厚 4.0 mm ニック・ナカムラ氏旧蔵の金山鐔の名品です。本作は2015年の第11回国際刀装具会(KTK)カタログに掲載されました。専用の桐箱と手縫いの仕込袋が付属し、ナカムラ氏自筆の解説が記された和紙の筒袋も添えられています。 以下、KTK出版物よりナカムラ氏による解説を引用いたします。(※書籍は付属しません) 「織田信長公が茶の湯を政治の世界に導入して以来、名だたる茶道具の価値は、時として一国の領土にも匹敵するほど重んじられました。将軍や武将のみならず、公家や豪商たちの間でも茶の湯は嗜まれ、その価値は高まりました。今日でも茶道具の売買は盛んですが、信長・秀吉の時代ほど、茶道具が政治的に重要な意味を持ち、高い価値を有した時代はありません。この時代こそが、日本史上における茶の湯の政治的影響力の絶頂期であったと言っても過言ではないでしょう。 本作は桃山時代に制作されたものと思われます。茶壺をモチーフとした金山鐔の優品は、これまでにも数々の文献で目にしてきましたが、本作はそれら著名な作例と比較しても一回り大きな径を有しています。控えめながらも味わい深い鉄骨が表れており、風格と静寂を兼ね備えた佇まいを見せています。金山鐔の中でも最高位に属する一枚であり、当時の将軍や高位の武将が所持していたものと推察されます。」 nihontocraft@bellsouth.net (参照例 裏面)

金山 茶壺透図

金山 茶壺透図

$5,000

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流派

Kanayama

時代

Momoyama

流派について

Kanayama School金山派

13 重要刀剣

金山派は、室町時代後期から桃山時代にかけて尾張国(現在の愛知県)熱田神宮近郊の金山地域で繁栄した鐔工集団である。金山の地名は金山彦神を祀った地に由来し、この地で独特の打刀鐔が製作された。尾張鐔と並んで室町期を代表する鉄透鐔の系統として知られるが、彫法や文様には両者相通じるところがありながらも、金山鐔はかな色にやや黒味があり、鉄骨も粒状や塊状のものがいかにも手強く野趣に富む点で区別される。一般に小形の作が多いが、大振りで出来の優れた作例も稀に見られる。 金山鐔の作風は簡素かつ明快で、真丸形や丸形を基本として、円・角・直線・曲線などで構成された幾何学文様を大胆に地透しにする。茶壺、釣鐘、市女笠、餌畚、桝、輪、糸巻など日用の道具や抽象的な図案を題材とし、装飾性よりも明解さや強靭な精神性を重んじる。鉄地には槌目を程よく打ち、厚手に仕立てた耳から切羽台にかけて僅かな中窪とし、平地には塊状鉄骨が生動する。紫錆にやや黒味がかった深みのある鉄色、冴えた鉄骨、精良な地鉄が醸し出す独特の質感は、金山鐔の優品のみが持つ手強い古格を示す。透しの切口は鋭く締まり、厚い耳には粒状や塊状の鉄骨が頻りに露出して見事な景色を呈する。 金山鐔の意匠には一種の禅味が秘められており、原始的な明快さの中に練達の士にある成熟した精神性と対峙できるような奥深い趣がある。荒ぶる心を伝える鉄骨の躍動、たくまない中にも深い味わいを持つ大胆な図取り、曲線と直線があやなす対照和合の妙は、禅家の悟りや豪放無比な武士の意気込みを直に感じさせる。巧まざる風雅が粛々と伝わり、鉄透鐔の醍醐味を十分に味わうことができる作域として、室町末期から桃山時代にかけての鐔工芸の頂点の一つを形成している。

刀剣商

Nihontocraft

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