江戸は刀の目利きの時代である。本阿弥の鑑定、1719年の享保名物帳、盛んな刀剣書が、戦で抜かれることのなくなった刀を学問の対象へと変えていった。
銘:無銘 鑑定:無銘(伝位未詳) 時代・国:江戸時代(1603–1868)/京都府(登録) 外装:時代拵 (鉄地丸形鍔:高彫色絵、二賢人図、金象嵌。真鍮地金鍍金縁頭:菊文。黒糸、鮫皮柄巻) 長さ(Nagasa):68.0 cm 反り(Sori):2.0 cm 目釘穴:2個 形状:鎬造、小切先 刃文:直刃に僅かに浅い湾れ、匂出来、匂口明るく整う 帽子:小丸、穏やかに返る 茎:無銘、雉子股形、勝手下がり鑢目、目釘穴二、深い黒漆(黒拭き)の錆色 本作は、江戸時代に制作された「静寂」を体現する一振りです。 無銘であり、刀工の名は刻まれておりませんが、その姿形は明確な意志を物語っています。華美な装飾が主流となった新刀期の作風とは一線を画し、古典的な伝統に則り、規律ある美しさを追求した刀工の手によるものです。 長尺68.0cmに2.0cmの反り、そして引き締まった小切先。その均衡の取れたプロポーションは、より古い時代の美学を範としたものであり、細身ながらも凛とした、実戦的な緊張感を湛えています。 刃文は洗練された直刃を基調とし、所々に浅い湾れを交えています。互の目や重花丁子のような派手な働きを排した、控えめながらも奥深い意匠です。匂口は均一に締まり、丁寧な匂出来の仕事が見て取れます。誤魔化しの利かない直刃をこれほど破綻なく焼き上げることは、刀工の極めて高い技術の証であり、一切の妥協を許さない鍛錬の賜物と言えるでしょう。 切先の帽子は小丸に返り、静かな気品をもって刃文を締めくくっています。全体として、山ashiro伝の古典的な美意識を強く感じさせる一振りであり、京の地で活動した諸派の……






































江戸時代
江戸は刀の目利きの時代である。本阿弥の鑑定、1719年の享保名物帳、盛んな刀剣書が、戦で抜かれることのなくなった刀を学問の対象へと変えていった。
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