説明

小柄 銘:乗意(花押) 鉄拐仙人図 銘:乗意(花押) 時代:江戸中期(元禄十四年〜宝暦十一年 / 1701-1761年頃) 本作は、奈良三作の一人に数えられる名工、杉浦乗意による鉄拐仙人図の小柄です。 画題の鉄拐仙人(李鉄拐)は、道教における八仙の一人として知られます。アンリ・ジョリー著『Legend in Japanese Art』にも詳述されている通り、その姿は卑しき身なりで、口から己の分身(魂)を天空へと吹き出すという、奇抜かつ神秘的な構図で描かれています。本作においても、その分身が裏面にまで及ぶ趣向となっており、物語の世界観を余すところなく表現しています。 杉浦乗意は、土屋安親、奈良利寿と共に「奈良三作」と称される江戸彫金の最高峰です。元禄十四年(1701年)、美濃国加納藩の戸田松平家家臣の嫡男として生まれ、通称を太七、のちに仙右衛門と称しました。享保年間に藩の江戸深川蔵屋敷への転勤に伴い江戸へ出、奈良家四代利永に師事。その才を認められ、奈良姓と「永」の一字を許されて当初は「永春」と銘じました。「乗意」は入道後の号であり、他にも一蝅、一蝅堂といった別号を用いています。 乗意の作品、特にその花押については、諸資料の間でも僅かな差異が見受けられることが研究者の間でも知られていますが、本作はその独特の肉置と、繊細かつ大胆な高肉彫の技法において、名工の息吹を強く感じさせる逸品です。 【杉浦乗意 略歴】 元禄十四年(1701年)〜宝暦十一年(1761年)。奈良利永門。江戸を拠点に活躍し、独自の「沈彫(しずめぼり)」の技法を確立。その作風は気品に満ち、江戸時代を通じて高く評価されました。

JOI / SENNIN

JOI / SENNIN

小柄

$1,200

世界81社の刀剣商を横断追跡 · 価格履歴 · 売却アーカイブ

作者

Joi

流派

Nara

時代

Edo

作者について

Nara Joi乗意

6 重要美術品1 特別重要刀剣5 重要刀剣

杉浦乗意は、元禄十四年(一七〇一)に生まれ、信州松本の人で江戸に出て奈良利治門の寿永に学んだと伝えられる。通称を初め太七といい、後に仙右衛門、永春という。一蚕堂と号し、利寿、安親と並んで奈良三作と称せられた名工として名声を博し、宝暦十一年(一七六一)に六十一歳で歿した。利寿同様奈良派の作風を行う。 乗意の作では小柄の作品が多く、彼独特の肉合彫という新技術を駆使し、象嵌や色絵をあまり施さずに鏨の力量のみで意匠を彫り上げたものに傑作が多い。作風は朧銀磨地を地金とし、肉合彫を駆使して人物や故事、動物などを題材とした作品を多く残している。その彫技は、僅かな高低差を活かした肉合彫により対象の表情を豊かに表出し、臨場感溢れる作風を特徴とする。また、高彫、象嵌色絵の手法を用いた作品も遺されており、真鍮や素銅を地金とし、高彫のなめらかさ、強弱の毛彫に的確な象嵌色絵を施し、鏨の勢いをもって対象を大胆に捉え表現するところに、乗意ならではの力量が認められる。鐔においては、鉄地を地金とし、平肉を薄く盛り上げて切羽周辺を落とし、鐔全体の肉置きをふっくらと豊かに見せた作が見られる。雪花透唐子雪遊図鐔のように、雪華の透しで櫃孔を仕立てるなど、意匠に工夫を凝らした作もある。 乗意の作品は、その卓越した彫技と独創的な意匠により高く評価されている。特に肉合彫においては、他工に見られない独自の境地を開き、奈良三作の一人として名を連ねるに相応しい力量を示している。重要刀装具に指定されている児落獅子図小柄は、乗意の独壇場ともいえる見事な肉合彫を駆使して、千尋の谷に我が子を投げ込む獅子の姿を彫り上げたもので、落下しつつある児獅子の力強さや、崖の上で見守る親獅子の表情に児獅子を気遣う様子が感じられ、臨場感が溢れている。また、蝦蟇鉄拐仙人鐔は、鉄磨地に蝦蟇仙人と鉄拐仙人を卓越した肉合彫にて彫りあげ、僅かな高低差を駆使した肉合は乗意の独壇場であり、金象嵌の配置も見事である。乗意の鐔は非常に稀少であり、且つ優れた作品で両仙人の表情が実に素晴らしい。これらの作品は、乗意の技術の高さを示すとともに、刀装具の世界に新たな表現をもたらした点においても高く評価されている。

刀剣商

Yakiba

yakiba.com

$1,200

Yakibaで見る