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概要·鑑定·指定·伝来·刀姿·銘·系譜·流派
概要鑑定指定伝来刀姿銘系譜流派
  1. 流派
  2. 綾小路
  3. 定利

Ayanokoji Sadatoshi

定利

特重
巻 3, 番 2 · 太刀

Ayanokoji Sadatoshi

定利

評価作品43点

国山城時代Joei (1232–1233)時代区分鎌倉流派Ayanokoji伝法山城伝藤代Jo-jo saku刀工大鑑2,000(上位2%)種別刀工コードSAD172
1国宝
3重要文化財
5重要美術品
2御物
8特別重要刀剣24重要刀剣

概要

綾小路派の銘鑑には定利のほか介定・定家・定俊・末行・忠家らの名が載るが、そのうち在銘の作が現存するのは定利のみに限られる。説明書は鎌倉時代の山城鍛冶を粟田口・来・綾小路の三流派とし、綾小路派は京の四条の綾小路に住した刀工の一派を指して、「祖は定利である」と記す。製作年代について銘鑑の所伝は一致せず、『能阿弥銘尽』は宝治頃、『古今鍛冶銘尽』は文永頃とし、一説に来国行と親交があり、需要の状況によって互いに代作しあったとも伝えられる。同派で作の確かな工は定利のほか定吉のみで、他の銘鑑所載工に現存作はない。

現存作を通覧した所見として、説明書は一つの定式に立ち返る。すなわち作風は三条・五条派の作域を踏襲し、粟田口国安あたりを想わせる古雅なものであるという見方である。典型の太刀姿は細身で元先の幅差が開き、腰反り高く踏張りがついて小鋒に結ぶ。刃文は直刃調に小乱れ・小丁子・小互の目を交え、乱れの間が近く小模様に複雑に乱れる。そして「焼頭にさらに小さな焼きが点続して二重刃風を形成し、匂口がうるみごころとなるなど、通説よりも年代が遡るものと鑑せられる」と、説明書はこの見どころをそのまま年代判断の根拠とする。匂口のうるみは「彼の見処の一つであるうるみ」と明言され、うるみを欠く稀な作はかえって例外として特記される。

鍛えは小板目がよくつみ、ところどころ流れごころや、やや肌立つ板目を交え、細かな地沸が厚くつき、地景細かに入り、沸映りが立つ。地斑風を交える作もある。最良の地鉄はねっとりとした粘りのある肌合を見せ、ある特別重要刀剣の太刀については、古伝書の「とろめきてねばきようにみへたり」との表現に正に合致すると記される。刃中には足・葉が頻りに入り、小沸がつき、金筋・砂流しが細かにかかる。帽子は直ぐ調に掃きかけ、火焰風あるいは焼詰めとなり、乱れ込んで小丸に浅く返るものもある。

極めは二つの域にわたる。在銘の太刀は二字銘で、「定」の字を草書風に大きく、「利」の字をやや小さめに切り、銘は茎下部の棟寄りに、時に樋を避けて置かれる。この銘位置は国宝指定の太刀にも認められると説明書は記す。在銘作の多くは磨上で、生ぶ茎は稀とされ、磨上に際して銘を惜しんで折返銘とした刀も一口ある。大磨上無銘の刀は同じ見どころによって極められ、説明書は「定利の掟」にかなう出来と言い、無銘の優品は「有銘作に直結する作風」を示すと評する。年紀作は一口も存在せず、学問はこの不在をめぐって動く。銘鑑の文永説に対して現存作はことごとく古調であり、説明書は代作の旧伝を捨てずに読み直し、もし定利と国行の接点があるとしたならば「定利の晩年と国行の初期の頃ということになろう」と結論する。

少数ながら常の出来と趣を異にする作がある。匂口はうるむことなく明るく冴え、直刃調に丁子を主調とするもので、説明書はこれを若い京の名手に寄せて読む。ある特別重要刀剣の太刀は「来国行を思わせる出来で匂口がよく冴え刃中の働きも見事で、出来がよい」と評された。山城鍛冶の中での定利の見分けは、本人の見どころそのものに依る。間近く小模様につまった乱れ、焼頭に点続する二重刃風、そして曇りを帯びた匂口のうるみであり、説明書はまさにこれらを、通説より一時代遡らせる証左として扱う。作域のもう一方の端には、同作中最も古様を呈した生ぶ在銘の太刀があり、恐らく初期作と鑑せられ、粟田口国安に繋がる点が看取されるという。派の継続は細く、作の確かな同派工は定吉のみで、綾小路派の現存作はほぼ定利一人の名に集中する。

藤代の格付は上々作。指定を受けた作は四十三口を数える。うち国宝は一口、東京国立博物館の管理する太刀で、本間は経眼の定利中最も優れたものと述べている。重要文化財は三口がこれに次ぎ、重要美術品の認定は五口、前田利為旧蔵の刀や、黒川福三郎旧蔵で現在は黒川古文化研究所の蔵する刀がそこに含まれる。記録上、在銘二十五口に対し無銘十七口。伝来の知られる刀は十七口、紀州徳川家、日向佐土原の島津家、前田家、松平家、また刀剣愛好家として聞こえた明治の元勲伊東巳代治の旧蔵などが挙げられ、正徳二年の本阿弥光忠折紙、金子三十枚の添う太刀もある。国宝・重要文化財は博物館・神社の護る文化財であり、記録される所蔵機関には日枝神社・伊勢神宮の名も見える。蒐集家が現実に相見えうるのは特別重要刀剣・重要刀剣の三十二口であるが、所在の知られるものの多くは私蔵・館蔵に納まって動かず、綾小路定利の在銘太刀が市に現れることは稀で、現れれば山城物鑑賞の一つの里程標となる。

鑑定

典型一相(在銘・無銘の両域)に、本文の引く二つの縁:最古様の作域(三条・五条、国安想起)と、晩年と読まれる来国行風の冴えた作域

定利は綾小路派の祖、粟田口・来と並ぶ鎌倉期山城三流派の一つにして、同派で在銘作が現存する唯一の工。細身で腰反り高い古京物の優美な太刀姿、よくつんだ小板目に厚い地沸と沸映り、刃文は小乱れに小丁子を交え、乱れの間近く小模様(52%)、焼頭に小さな焼・湯走り・飛焼が点続して二重刃状を呈し(41%)、何よりも匂口のうるみごころが見どころ(刃文の項で48%、本文全体で75%、来諸工では2〜4%)。銘は「定」を草書風に大きく「利」を小さく、茎下部に切る二字銘。

鑑定の決め手

作品の48% ・ 来国行比 24.0倍

作品の52% ・ 来国俊比 3.7倍

作品の50% ・ 来国俊比 4.5倍

銘は茎下部の棟寄り、時に樋を避けて切られ、国宝指定の太刀にも認められる。在銘21口、多くは磨上で生ぶ茎は稀

作風の変遷

綾小路の典型

細身で腰反り高く踏張りつき、小鋒に結ぶ古京物の優美な太刀姿。鍛えは小板目よくつみ、地沸厚く、地景細かに入り、沸映り立ち、処々やや肌立ち地斑を交え、最良はねっとりとした肌合。刃文は小乱れに小丁子・小互の目を交え、乱れの間近く小模様に複雑に乱れ、小沸つき、足・葉頻りに入り、焼頭に小さな焼・湯走り・飛焼が点続して二重刃状を呈し、匂口うるみごころとなる。帽子は掃きかけ、火焰風・焼詰め風、時に沸崩れる。

姿 Sugata
地鉄 Jigane
刃文 Hamon
帽子 Bōshi
大磨上無銘の刀(極め)— 無銘極めも同じ見どころに依る。最良のものは「有銘作に直結する作風」と評される
在銘太刀(二字銘)— 二字銘の太刀:細身・腰反り高く、多くは磨上。生ぶ茎在銘は稀で貴重

最古様の作域(初期作と読まれる)

確証はやや弱い

現存作は三条・五条派の作域を踏襲し粟田口国安あたりを想わせると評され、同作中最も古様を呈した生ぶ在銘の太刀は「恐らく此の工の初期作」と鑑せられる。静かな直ぐ調の小乱れ、淡い沸映り、焼の細い弱い帽子がこの作域の見どころ。年紀作はなく、初期の位置づけはこの所見に依る。

姿 Sugata
地鉄 Jigane
刃文 Hamon

冴えた作域・来国行に擬えられる(晩年と読まれる)

確証はやや弱い

常の出来とやや相違する少数派の作域。うるみを欠き、匂口は明るく冴え、直刃調に丁子主調。来国行を思わせると評され、代作の旧伝は定利の晩年と国行の初期の重なりとして読み直される。晩年の位置づけは推定であり、年紀作はない。

刃文 Hamon
研究

銘鑑は文永頃とし来国行との相互代作を伝えるが、現存作は古調で年代は遡るとされ、旧伝は定利の晩年と国行の初期の重なりとして読み直される。

定利のほか作の確かな綾小路工は定吉のみ。他の銘鑑所載工に現存作はない。

地がねは古伝書の「とろめきてねばきようにみへたり」に正に合致し、現代の説明の言うねっとりとした肌合に通じる。

銘を茎下部の棟寄り、樋を避けて切る例は国宝指定の太刀に認められ、在銘作に繰り返し見られる。

指定

国宝1
重要文化財3
重要美術品5
御物2
特別重要刀剣8
重要刀剣24

名工ランク

0.86 (指定作品43点)

刀工の上位3%

伝来

伝来記録19件 の鑑定作品における Sadatoshi

伝来ランク

名家所蔵8点、伝来記録19件

刀工の上位6%

素点:2.85 / 10

刀姿

評価作品43点の分布

銘

評価作品43点の銘の種類

販売中

系譜

Sadatoshi
弟子(9名)
  1. 1.末行Sueyuki2 販売中3指定
  2. 2.家利Ietoshi1指定
  3. 3.家安Ieyasu1指定
  4. 4.定業Sadanari
  5. 5.定則Sadanori
  6. 6.定利Sadatoshi
  7. 7.定安Sadayasu
  8. 8.定吉Sadayoshi1 販売中6指定
  9. 9.定家Sadaie

Ayanokoji派

Ayanokoji派の他の刀工

  1. 1.末行Sueyuki2 販売中3指定
  2. 2.家利Ietoshi1指定
  3. 3.宗延Munenobu2指定
  4. 4.定次Sadatsugu1指定
  5. 5.家安Ieyasu1指定
  6. 6.定吉Sadayoshi1 販売中6指定