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概要·鑑定·指定·刀姿·銘·系譜·流派
概要鑑定指定刀姿銘系譜流派
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Momokawa Nagayoshi

長吉

重要
巻 12, 番 255 · 短刀

Momokawa Nagayoshi

長吉

評価作品3点

国越後時代Teiwa (1345–1350)時代区分南北朝流派Momokawa伝法相州伝代1st師匠Toshinaga刀工大鑑700(上位17%)種別刀工コードNAG501
3重要刀剣

概要

長吉は越後国桃川派の刀工で、南北朝期に活躍し、僅かな在銘の重要刀剣によって伝わるのみである。桃川は越後国の地名で、説明は長吉と名乗る刀工が南北朝から室町時代にかけて二代或いは三代続いたと伝える。作刀は少なく、現存する作に年紀のあるものがなく、代別を明らかにすることは出来ない。一説に越後の甘呂俊長の門と伝えるが、説明は作風の上からこれを穏やかに退け、稀な在銘の太刀について「俊長に似た処は少なく」と記し、「地刃は総じて大和風である」とする。ゆえに彼は師系によってではなく、その手によって読まれる。手は現存する短刀・脇指・太刀の三体によく一貫している。

その手は何よりもまず、越後の地鉄に移された大和の手である。説明は地に直刃を主調とし、刀により広狭の差はあれ、刃縁は処々頻りにほつれ、これに砂流し・金筋がかかって匂口は明るいと記す。静かで抑えた焼刃であり、同時代の備前の華やかな丁子とは隔たっている。頻りなほつれと流れる砂流しこそ、これを備前ではなく大和と見る目処である。帽子も同じ流儀に従い、太刀・脇指では掃きかけて先尖り、短刀では金筋を伴う小丸に返り、表裏とも長く焼き下げる。地鉄は焼刃と同じ古さを帯び、鍛えは板目に杢を交えて流れ、肌立ちごころとなり、脇指ではその流れが綾杉風に開いて、地鉄は白けごころを帯びる。この肌立って流れ白ける地こそ彼の作の常であり、三体を結ぶ特色であって、同時代の備前諸工の地から桃川の手を分かつものである。

現存する作は一つの手の二つの作域に分かれる。稀なのは在銘の太刀で、腰反りに中鋒、ほぼ生ぶの鎬造の刀身に、棟寄りに長銘を切り、鎬に沿って細樋を掻き流して樋中に素剣を浮彫にする。つんだ板目の上に小互の目交じりの直刃を焼き、地景を交えて匂口が明るい。数の多い作域は平造の短刀・脇指で、身幅広く寸延び、短刀は目釘孔下に細鏨の二字銘、脇指は地名を冠した五字銘を負い、脇指の彫物は表が草の倶利迦羅、裏が梵字に護摩箸である。説明はこの脇指を、ほつれ・砂流しの頻りな直刃調が大和風を顕著に示すとして、「長吉の作風をよく示しており」と判じ、その直刃調をこそ彼の作風の徴とする。代別は未決のまま残され、文献は貞治の年紀作を載せるが、現存の太刀・短刀は極めて少なく無年紀である。

収集の観点では、長吉は名高い名ではなく細く静かな名であり、その正直な尺度は記録に残る僅かな作の量である。刀剣書は彼を刀工大鑑に載せるが藤代の極めは記さず、指定を受けた作に国宝も重要文化財も特別重要もない。公の記録は三口の重要刀剣に留まり、いずれも彼の手が読まれる短刀・脇指・太刀であって、大名家への伝来は記録にない。現存する在銘の作は、新潟と静岡で私蔵されて審査を経たものであり、桃川長吉は稀に、そして殆ど常に在銘で見られるに過ぎない。説明は短刀を「同名中でも時代が古く」と評し、稀な在銘の太刀については「現存数少ない長吉在銘の太刀として」資料性も極めて高いと記す。北国の作を学ぶ者の前にひとたび現れれば、それは画期というよりも静かな一会であり、説明が呼ぶところの「長吉研究の好資料の一口である」として、大和を遠く離れた越後の海辺で営まれた大和の手を蔵しうる、正直で珍しい一つの道として価される。

鑑定

編年の立て難い在銘資料に拠るのではなく、一つの越後・大和風の手を二つの作域で見る。すなわち、佩表に桃川の長銘を残し、つんだ板目に地景を交えた地鉄の上に小互の目交じりの直刃を焼く在銘の太刀の作域と、二字銘を切り、板目が肌立って綾杉風に流れ、顕著な大和風をもって同派の特色とする平造の短刀・脇指の作域である

長吉は越後国桃川派の刀工で、南北朝期に活躍し、僅かな在銘の重要刀剣によって知られる。桃川は越後国の地名で、説明は長吉と名乗る刀工が南北朝から室町時代にかけて二代或いは三代続いたと伝える。作刀は少なく年紀作はさらに僅少で、代別を明らかにすることは出来ない。一説に甘呂俊長の門と伝えるが、説明は俊長に似る所は少なく、地刃を総じて大和風と見る。手は現存三体の作によく一貫し、板目が流れて綾杉風となり白けごころを帯びた地鉄の上に、直刃を主調として刃縁頻りにほつれ、砂流し・金筋がかかって匂口明るく、帽子は掃きかけて先尖るか小丸に返る。僅かな在銘の太刀は桃川の長銘を切り、平造の短刀・脇指は二字銘を負って大和風を最も顕著に示す。

鑑定の決め手

作品の100%

作品の100%

作品の100%

作品の100%

作風の変遷

在銘の太刀、桃川の長銘

ほぼ生ぶの太刀の佩表に切られた「桃川作長吉」の長銘。鎬造の太刀が在銘で残る稀な作域で、説明は現存数少ない長吉在銘の太刀として資料性も極めて高いとする

在銘の太刀は鎬造・庵棟、身幅尋常に元先の幅差やや開き、腰反りつき中鋒となる。板目に流れ肌を交え総じてつんだ地鉄の上に、地沸つき地景よく入り、かね白けてかな色黒みがかる。刃文は直刃に小互の目を交え、沸よくつき、刃縁処々ほつれ、金筋・砂流しかかり、匂口明るい。帽子は乱れ込み、先尖りごころに掃きかける。表裏の鎬に沿って細樋を掻き流し、佩表は樋中に素剣を浮彫にする。茎は殆ど生ぶで先栗尻、鑢目勝手下がり、佩表棟寄りに長銘がある。説明は地刃に大和気質が顕著であるとして出来を優れたものとし、長銘の現存がこの作域に資料的な重みを与える。

姿 Sugata
地鉄 Jigane
刃文 Hamon
帽子 Bōshi

平造の短刀・脇指、大和風の最も顕著な作域

身幅広くやや寸延びの平造の刀身で、二字銘あるいは桃川銘を負う。説明が大和風を最も顕著と読み、長吉研究の好資料とする作域である

短刀は平造・庵棟、身幅やや広く重ね薄く反なし。脇指も同じ平造で、身幅広く寸延び、内反り、三ッ棟となる。鍛えは板目に杢を交えて流れ、肌立ちごころとなり、脇指では綾杉風を呈し、地鉄は白けごころを帯びる。刃文は広直刃あるいは細直刃で、匂口しまりごころに小沸つき、小足入り、刃縁頻りにほつれ、砂流しかかって匂口冴える。帽子は小丸に掃きかけ金筋入り表裏とも長く焼き下げるか、直ぐに先尖って掃きかける。脇指の彫物は表が草の倶利迦羅、裏が梵字に護摩箸。茎は生ぶで、短刀は目釘孔下中央に細鏨の二字銘、脇指は中央に五字銘がある。説明は、ほつれ・砂流しの頻りな直刃調と顕著な大和風を、長吉の作風をよく示すものとする。

姿 Sugata
地鉄 Jigane
刃文 Hamon
帽子 Bōshi
小丸
研究

師伝は作風に照らして記される。一説に長吉を甘呂俊長の門とするが、説明は俊長に似た処は少なく、手を大和風と読む。

代別は未決のまま残される。文献には貞治の年紀あるものを載せるが、現存の太刀・短刀は極めて少なく無年紀で、同名の数代を明らかに分かつことは出来ない。

指定

国宝—
重要文化財—
重要美術品—
御物—
特別重要刀剣—
重要刀剣3

名工ランク

0.01 (指定作品3点)

刀工の上位33%

刀姿

評価作品3点の分布

銘

評価作品3点の銘の種類

販売中

系譜

師匠Toshinaga
Nagayoshi

Momokawa派

Momokawa派の他の刀工

  1. 1.俊長Toshinaga1 販売中9指定
  2. 2.長吉Nagayoshi1指定