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概要·鑑定·指定·伝来·刀姿·銘
概要鑑定指定伝来刀姿銘
  1. 流派
  2. 御番鍛冶
  3. 後鳥羽院

後鳥羽院

Goban Kaji Go-Toba-in

特重
巻 21, 番 1 · 太刀

後鳥羽院

Goban Kaji Go-Toba-in

評価作品11点

国山城時代Jogen (1207–1211)時代区分鎌倉流派御番鍛冶伝法山城伝刀工大鑑2,000(上位2%)種別刀工コードGOT1
4重要文化財
2重要美術品
2御物
2特別重要刀剣1重要刀剣

概要

後鳥羽院は通常の意味での刀工ではなく、鎌倉時代初期の後鳥羽上皇その人であり、鍛冶を帝王の営みとした。所載解説は伝えを一貫して記す。上皇は番鍛冶を選定して院の御所に結番を作り、刀を打たせられたと伝え、この間鍛冶に造らせた刀身のうち「上皇自ら焼刃せられたものを菊作または御作と称している」。その記録は古く、御所への名工の召し抱えと自らの焼入れは『銘盡』(観智院本)をはじめ古来の刀剣書に見え、『後鳥羽院番鍛冶考』に所載の作も知られる。

何よりの目印は菊である。菊作と言われる所以は、生ぶ茎の研溜に十六葉や二十四葉の菊花紋の毛彫があるからであり、茎が生ぶに残る作では磨耗した毛彫がなお看取される。一方、作風は院一人のものではない。解説は、その折の相手を務めた鍛冶によって作風が異なり、古一文字の作に類したもの、古青江風のもの、粟田口の作域に近いものなどがあると繰り返し説く。群を貫くのは焼刃の型であり、「概して焼落しが見られ、そこから水影風の立つものが多い」。焼落しの部分は「匂口が弱く一見再刃の如くみえるがそうではない」と明記される。現存する数口には京風と備前風があるという。

穏やかな側を担うのは山内家伝来の太刀で、菊花紋の下に斜めに符牒の如き「一」の字を刻す。細身で腰反り高く、踏張りがつき、先に行って伏しごころがあって小鋒となる。鍛えは板目に杢・流れ肌を交えて総体にやや肌立ち、地沸がつき地景が入り、元の方には斜めに水影状の映りが立つ。刃文は区上を焼落して腰刃風を見せ、その上は直刃調に浅くのたれ、小乱れに小互の目・小丁子ごころを交える。小足が入り、刃に近く飛焼がかかり、よく沸づいて砂流し・金筋がかかる。帽子は直ぐに小丸で、沸が強い。解説はこの作を備前古一文字派の作風に近いとし、特色の焼落しと元の水影風の映りを挙げる。菊花紋の毛彫に「一」の字を添えた作例は「他に類がなく、貴重な資料である」と評され、延宝元年の本阿弥光常折紙(代百五拾貫)が附く。

華やかな側は旗本黒田家伝来の太刀で、解説は備前の鍛冶が相手を務めたとみる。身幅ほぼ尋常で元先の幅差があり、平肉よくつき、反り高く腰反り・踏張りがついて堂々とし、中鋒となる。小板目肌はよく錬れて地沸が微塵につき、乱れ映りが鮮明に立つ。焼は高く、丁子乱れ華やかに足・葉が入り、匂勝ちに小沸がつき、総じて逆がかる気味がある。焼頭の近くに飛焼を交え、匂口は締まって明るく冴える。腰樋・添樋の上に梵字、裏腰元には護摩箸を刻す。地刃は一見新味が感じられるほど頗る健体であり、「総じて見事な出来映えで菊御作の所伝は首肯し得る」と結ばれ、『土屋押形』の注記には「神君拝領黒田氏蔵」とある。大磨上無銘で菊御作に極められた刀もこの備前風に連なり、丁子に小乱れを交え、匂深く、湯走り・砂流し・金筋がかかり、帽子は乱れ込んで先小丸となる。ただし磨上のため焼落しや水影風は見られず、極めは地刃の古調さに拠る。松平家伝来の一口について本間は、極めは適切で「地刃の古調さに加えて出来もよい」と記した。

門流は残さない。菊御作の系譜は横へ、すなわちその折に院に侍した鍛冶の流派(古一文字・古青江・粟田口)へと遡り、その見極めが菊花紋・焼落し・水影とあいまって、この群の鑑定を定める。所載解説はまた、これらの作の指定の連なりを記す。菊御作には御物一口のほか、旧越前松平家・尾張徳川家・林原家伝来の重要文化財指定品があり、いずれも茎に菊紋を刻すという。

指定を受けた作は十一口を数える。重要文化財四口、皇室ゆかりの二口、重要美術品二口、特別重要刀剣二口、重要刀剣一口である。うち九口に伝来が記録され、その連なりは帝王の手に相応しい。黒田家の太刀は慶長十九年(1614)に徳川家康より黒田直綱が拝領し、江戸時代を通じて毎年、将軍家御腰物方の手入れを受けた。厳島神社の太刀は社伝に大内義隆旧蔵、毛利元就奉納と伝え、明治二十年の火災に遭った。ほかに山内家・松平家・越前松平家・九条家・皇室を経た作があり、上杉景勝由来の一口もある。所在の知られるものは厳島神社、東京・京都の両国立博物館、黒川古文化研究所などに納まる。重要文化財と皇室ゆかりの品は国の重宝として動くことがなく、私人の手に渡り得るのは特別重要刀剣・重要刀剣の三口にとどまる。後鳥羽院御自らの焼刃になる菊御作が市に現れることは、この分野で最も稀な出会いのひとつである。

鑑定

菊花紋・焼落し・水影という共通の型を相手鍛冶ごとの作風で実現する。現存資料では古一文字に近い穏やかな作域と、華やかな備前丁子の作域の二様。大磨上無銘の極めでは焼落しと水影を失う

後鳥羽院(後鳥羽上皇)は番鍛冶を選定して御所に結番させ、自ら焼刃を施した。その作は、茎の十六葉・二十四葉の菊花紋毛彫に因んで菊作・御作と称される。作風は相手鍛冶により、古一文字に類するもの、古青江風のもの、粟田口の作域に近いものなどに分かれ、概して焼落しがあり、その上に水影風の映りが立つ。

鑑定の決め手

この工に独特

作品の71%

作品の43%

この工に独特

作風の変遷

古一文字相手の穏やかな作域(焼落し)

確証はやや弱い

細身の太刀、腰反り高く踏張りがついて小鋒。板目に杢・流れ肌を交えてやや肌立ち、地沸・地景が入る。区上を焼落して腰刃風を見せ、その上は直刃調に浅くのたれ、小乱れに小互の目・小丁子ごころを交え、小足入り、刃寄りに飛焼がかかり、よく沸づいて砂流し・金筋がかかる。帽子は直ぐに小丸。所載解説は備前古一文字派の作風に近いとし、特色の焼落しと元の水影風の映りを挙げる。現存資料ではこの作域を菊紋に「一」の字の生ぶ茎太刀一口が担い、重要刀剣と特別重要刀剣の双方に所載される。

姿 Sugata
地鉄 Jigane
肌立ち
刃文 Hamon
のたれ小丁子小互の目
帽子 Bōshi

備前鍛冶相手の華やかな丁子乱れ

確証はやや弱い

身幅尋常で堂々とした太刀、反り高く腰反り・踏張りがつく。小板目肌よく錬れ、地沸微塵につき、乱れ映りが鮮明に立つ。焼高く、丁子乱れ華やかに足・葉が入り、匂勝ちに小沸がつき、総じて逆がかる気味、焼頭近くに飛焼を交え、匂口は締まって明るく冴える。帽子は直ぐごころに先小丸風にごく僅かに返り、梵字・護摩箸・樋の彫物がある。解説は相手を備前の鍛冶とみて丁子主調の作域とする。菊御作と極められた大磨上無銘の刀もこの備前風に属し、磨上のため焼落しと水影は見られない。相手鍛冶の同定は解説自身の推定であるため、確信度は中とする。

姿 Sugata
地鉄 Jigane
刃文 Hamon
匂口締まる
帽子 Bōshi
研究

上皇の召し抱えと自らの焼入れは『銘盡』(観智院本)はじめ古来の刀剣書に見える。

『後鳥羽院番鍛冶考』に所載の作がある。

作風は相手鍛冶により、古一文字の作に類するもの、古青江風のもの、粟田口の作域に近いものに分かれるとされる。

指定

国宝—
重要文化財4
重要美術品2
御物2
特別重要刀剣2
重要刀剣1

名工ランク

0.93 (指定作品11点)

刀工の上位2%

伝来

伝来記録12件 の鑑定作品における 後鳥羽院

伝来ランク

名家所蔵5点、伝来記録12件

刀工の上位10%

素点:2.57 / 10

刀姿

評価作品11点の分布

銘

評価作品11点の銘の種類

販売中

後鳥羽院

後鳥羽院(Go-Toba-in)は、山城の御番鍛冶派の刀工です。

Jogen (1207-1211)に活動しました。

作風は山城伝に属します。

後鳥羽院の作品には、重要文化財4点、特別重要2点、重要1点が指定されています。