入鹿

紀伊伝法WakimonoコードNS-Iruka
国宝
重要文化財
重要美術品
御物
特別重要刀剣
重要刀剣4
4指定品総数
3名工数
100%在銘 100%
100%名工帰属 100%

概要

入鹿派は紀伊国入鹿に在住した一派で、銘鑑に拠れば南北朝期の貞和・文和頃の実綱を祖とし、室町時代に亘って十指に余る刀工が連なったと伝える。その多くは「実」の字を通字とし、実綱・実次・実弘・実可らの名が挙げられる。出自については大和手掻派の流れを汲むとも、柾目鍛えをあらわすところから保昌派に由来するともいう。本派と縁の深い工として、紀伊国粉川に住した簀戸国次がある。説示は、その初代を入鹿派の応永頃の則実の弟子と伝え、永正頃に及ぶ同名の継承を記しており、入鹿実次の在銘短刀は室町時代初期と鑑せられている。これらの説示から、本派は南北朝末から室町を通じて紀伊国に展開した大和系の地方刀工群として把握される。

作風は、説示の挙げる諸作を通じて一定の傾向を示す。鍛は柾目がよく通り、総体に流れて殆ど柾となるもの、また小板目のつまったものが見られ、地沸がつき、白け映りや白けごころをあらわす点が説かれる。刃文は焼の低い直刃を基調とし、入鹿実次の短刀では細直刃に小のたれ・小互の目ごころの刃を交え、小足が入り小沸がつき、表裏上半に二重刃・三重刃風の湯走りがかかる。簀戸国次にあっては匂口の締まった細直刃を本領とし、稀に互の目調の乱刃を交え、短刀には皆焼があってこの際は鍛が柾がかると記される。帽子は浅くのたれて小丸に返り、あるいは直ぐに小丸となる。見分けの要としては、よく錬れた柾目の肌合に大和の流れを汲む特色があらわれる点、簀戸国次では国構えの中の字形に特徴があり、これが簀戸(笹戸)の呼称の由来となっている点が説示に明示されている。

鑑定にあたっては、柾がかった鍛えと焼の低い直刃という基調を据えたうえで、二重刃・三重刃風の湯走りや、つまった小板目に締まる匂口といった各工の手癖を見ることが要点となる。茎は生ぶのものが説かれ、入鹿実次の短刀では太鏨大振の四字銘、簀戸国次では特徴ある二字銘を指表に刻む。在銘作の稀少な入鹿実次の短刀は、よく錬れた柾目と古香な出来口を示し、銘字も鮮明で、本工のみならず入鹿物の代表的な一口として、同派全般を研究するうえで貴重な資料とされ、加賀大前田家の伝来を有する。作例の僅少ななかにあって短刀・槍が比較的見られるという所伝とあわせ、紀伊に拠った大和系一派の様相を伝える存在として位置づけられる。

指定

4 指定 · 3 名工数

指定の位置づけ

重み付け指定指数 0.02(指定 4 点)

流派中 上位73%

2026/6/18 時点

伝来

伝来記録のある作品 1 点

伝来の位置づけ

伝来指数 1.83(伝来 1 点)

流派中 上位96%

主要工

上位指定の希少度で順位付け

  1. 1.國次1504-15212
    流派内 50%
  2. 2.国次1
    流派内 25%
  3. 3.實次1394-14281
    流派内 25%

現在の出品