長常

Ichinomiya Nagatsune

評価作品37点

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重要巻 43, 番 168 · 目貫

概要

一宮長常は享保六年(一七二一)越前敦賀に生まれ、柏屋忠八と称した。はじめ滅金師であったが、彫金師を志して京に上り、後藤系の保井高長に師事した。初期には雪山と銘し、のち長常と改名し、含章子・蟻行子と号した。絵画は円山応挙の師である石田幽汀に学び、絵画の方でも一家を成した上手であることは彼の下絵帳からも納得できると説明は記す。明和七年(一七七〇)五十歳のとき越前大掾を受領し、のち越前守に転じ、天明六年(一七八六)に六十六歳で歿した。説明はほぼ全作において、「東の宗珉、西の長常」と謳われたこと、鉄元堂正楽・大月光興と共に「京都金工の三傑」と称えられたことを記す。

その作風を説明は一文で定める。すなわち「後藤流の高彫も上手であるが、平象嵌に片切彫で名を馳せ」たのである。四分一磨地に金・銀・赤銅・素銅を平象嵌し、その上から片切彫で描く。布袋唐子図鐔では力強く深い鏨から細微のさらりとした使いまで、「実に長常にして成せる深浅自在の片切彫」を示すとし、関羽図小柄については「描かれた文様が棟へと継続されている点も同工の見所であり」とする。画才については、昭和二年刊の日本画家辞典の「好んで、竹子、土筆、蝸牛、蛙等を写生的にものして人目を驚せり」を引く。

写生の力は小動物に最もよく現れる。流水群亀図鐔について説明は「さすがに小動物の彫技は天才的である」とし、亀図目貫は側面まで鏨を走らせて「恰も生けるが如く躍動して実に見事である」と評する。蝦蟇・蝸牛・親子虎・鶏の目貫も同様に写実に徹し、目貫ではしばしば表裏で地金を替えて昼夜地とする。金無垢の雲龍図目貫は「家彫後藤の龍とは趣を異にし」、型にとらわれぬ自由な図取りをとる。

説明は「雪山は一宮長常の前銘といわれている」とし、雪山銘の鐔四枚が初期の手を示す。鉄地の茨木童子図と、真鍮焼き手腐らし地の養由基図二枚・獅子図で、彫り口は雄渾で躍動し、獅子図は「雪山銘期の迫真性ある佳品である」とされる。以後、長常(花押)、含章子長常、越前大掾長常、越前大掾源長常と銘し、目貫は割銘とする。六十五歳の年紀銘を持つ雪持柳に鴛鴦図小柄は複層の高彫を駆使した渾身の作で、「最晩年のものとは信じ難き迫力がある」。また南蛮鐔を模した変り出来の鐔に、「偸閑彫之」の四神図と「酔後戯彫之」の双龍図がある。

説明は「作品は小柄が最も多く、ついで、笄、目貫、鐔などが見られる」とし、また「長常の鐔は極めて少ない」とする。宝尽大黒天図小柄は後藤流を表わした優品とされ、虎渓三笑図や雪持柳に鴛鴦図の小柄も赤銅魚子地の高彫色絵であり、四分一磨地の平象嵌片切彫の作と両手をなす。説明は門人の名を挙げない。

指定を受けた作は三十七点で、重要刀装具三十六点と、昭和二十四年に重要美術品に認定された虎渓三笑図小柄一本(認定時所有者宮崎富次郎)である。内訳は鐔十二枚、目貫十二組、小柄十一本、縁頭二点(うち一点は大小)で、特別重要刀装具・重要文化財・国宝はない。親子虎図目貫は龍獅堂の旧蔵で、これと蝦蟇図目貫には加納夏雄の門人池田隆雄の箱書がある。靭猿図大小縁頭について説明は「まさしく長常の世界を堪能できる名品である」とし、福禄寿図小柄を「名工長常の面目躍如たる小柄である」と結ぶ。

歴史的重要度

長常の位置づけを、日本刀全体および伝法・時代・時期ごとに示します。各区分(随一・屈指・有数・著名)は、NBTHK および文化庁による指定に加え、三作や名物帳などの歴史的栄誉を加味したものです。

随一
随一
屈指
屈指
有数
有数
著名
著名

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指定

国宝—
重要文化財—
重要美術品1
御物—
特別重要刀剣—
重要刀剣36

名工ランク

鑑定

伝来

作品種別

評価作品37点の分布

銘

評価作品37点の銘の種類

系譜

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