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概要·鑑定·指定·刀姿·銘·系譜·流派
概要鑑定指定刀姿銘系譜流派
  1. 流派
  2. 和泉守兼重
  3. 兼重

Edo Kaneshige

兼重

重要
巻 22, 番 307 · 刀

Edo Kaneshige

兼重

評価作品7点

国武蔵時代Shoho (1644–1648)時代区分江戸流派Edo Kaneshige伝法Shinto代1st藤代Jo saku刀工大鑑550(上位23%)種別刀工コードKAN2268
7重要刀剣

概要

本工の手で現存する最も早い年紀の作は寛永二年紀の薙刀であり、ここに集めた七口はいずれも和泉守、または和泉守藤原兼重と銘し、すべて初代の作である。説明書はこの和泉守を、初代康継・繁慶についで現われた、次代の有力な江戸鍛冶とする。伝に越前の出で、もと矢ノ根鍛冶であったが、のち江戸に出て刀鍛冶に転じたといい、「古今鍛冶備考」もそう伝える。藤代の上作に位し、古来より長曽祢虎徹の師と伝えられる。名はさらにその後に二人目、すなわち門人の上総守とも銘した上総介藤原兼重を擁し、両者は永く同人とされ、その受領銘の変更は主君藤堂和泉守への遠慮によって説かれてきた。説明書は今これを退ける。在銘・年齢入りの作、なかでも寛文六年紀の刀から、若い方は寛永三年生まれと知れ、初代には既に寛永の年紀があって、両者は別人なのであり、本稿はあくまで初代を扱う。

説明書はその作域を二様に描き、その分けは作の読み方を律する。一は、のたれを基調に連れた互の目を交えるもので、足よく入り、匂深く沸厚くつき、出来のよいものでは刃中に金筋・砂流しが走り処々荒沸を交え、匂口は明るく冴える。この作風の一刀について説明書は、その出来が虎徹に極めて近く一見してこれを思わせるとして、「一見徹を髣髴させる作域」と評し、焼刃に力強さと覇気を見る。二は、直刃を基とし、広く極めて浅くのたれをおびるものと、ほとんど動きのない中直刃のものとがあり、匂深く小沸よくつき、区際に僅かに焼込みを見せ、匂口は明るく冴える。二様に共通するのはこの匂口の冴えであり、説明書はこれを虎徹に通う特色とし、兼重の本領とする。

二様を支える地鉄は、よくつんだ小板目で、地沸を細かに厚くつけ地景を交え、処々流れて流れ肌となりやや肌立ち、杢を交える。開いた肌ではなく、抑制された都の鉄であって、大ぶりの刀ではわずかな肌立ちが地を破らぬまま生かす。帽子は直ぐに小丸、返り時に長く、先は掃きかけ、働きの豊かな作では先に金筋を交える。姿は身幅尋常で元先の幅差一際つき、踏張りごころのある反りやや深く中鋒の詰まる、寛永・正保の過渡的な体配で、説明書はこれを慶長新刀から寛文新刀へ移る姿とし、その姿恰好の見どころとする。茎は生ぶ、大筋違の鑢目には既に化粧風の気味があって、説明書はこれを後世の化粧鑢の原形とみ、長銘は独特の隷書体で細鏨に七字を切る。

この二様は時期ではなく作域であり、説明書は一口がそのいずれの典型かを名指す。第六十一回の広直刃の刀を前者、すなわちのたれ互の目の手の典型作とし、広い直刃にのたれ・小互の目を交えて覇気の漲るものとする。第四十三回の匂深い直刃を後者の典型作とし、匂が一段と深く沸が厚く、匂口の鮮やかに冴えるものとする。三つ目の作域は刃文ではなく造込みである。その作はほとんどが鎬造の刀・脇指で短刀は未見、ゆえに身幅広く寸の延びた第三十一回の平造脇指は珍しい造込みで、小のたれに互の目を交え足よく入り匂深く匂口の明るいところは、まさに本領を発揮した一口だと説明書はいう。のたれ互の目の作風の中にも純然たる直刃のものがあると説明書は山野家の截断銘刀について述べ、二つの手は画然と分かれるのではなく互いに移り合う。

この工を分かつものは、他派の特色を述べるよりも、その自らの確かな見どころから語るのがよい。その見どころは、匂深く匂口の明るく冴えることであり、これを静かな広直刃にものたれ互の目にもひとしく運び、その下に地沸の厚くついた小板目に細かな地景とわずかな肌立ちを伏せる。説明書は虎徹を通してその位置を枠づける。伝にいう虎徹の師であり、地刃ともに匂深く冴える虎徹風で、その一刀は一見虎徹を思わせると評される。彼の興した一系は彼の後も続いた。門人の上総介がこれを寛文期に承け、数珠刃を完成させた。これが二代の最もよく知られる作域で、説明書は虎徹に見紛うほどとするが、初代の抑制された二様は、自らは焼かなかった刃文によって後世名を成す一系の頭に立つのである。近年の研究は二つの手を分けることに向かい、代替りと二代の銘とを主たる手掛りとして、初代の七口は今その第一代の作として読まれている。

兼重は江戸新刀の有力な名の一つで、初代の名声は多くの作に伴う試し切りと切り離せない。ここに挙げる七口のうち二口が山野勘十郎の金象嵌截断銘を負う。勘十郎は名手加右衛門が正保以前に用いた名で、三重胴を二度に打ち落とした截断を記し、「前代未聞剣 山野勘十郎切之」と銘する。これは栄誉であると同時に来歴であり、江戸開府期の鑑識の最も見分けやすい印の一つである。その名で記録に立つのは重要刀剣の七口で、それ以上の指定はなく、ほとんどが鎬造の刀・脇指、国宝も重要文化財もなく、記録に残る大名伝来もない。すなわち彼の遺すところは、美術館の名品ではなく指定の重要刀剣である。これらは多く旧家に久しく蔵され、時に市に現れるのみで、山野の名高い截断銘をもつ在銘の兼重こそ最も求められる一例であり、確かな記録をもつ一刀を江戸開府期の最も読みやすい刃文の一つに結ぶものである。手の届かぬ工ではないが、その一刀、まして山野の象嵌を負う一口は、現れれば一個の見ものである。

鑑定

説明書の引く初代和泉守の二様を、よくつんだ一つの小板目の上で見る:のたれを基調に互の目を交え沸深く、足の入り金筋・砂流しの長くかかるものと、静かな直刃を基に浅くのたれをおび、匂深く匂口の明るく冴えるものとを、寛永・正保の過渡期の姿に焼き、山野家の截断銘と結ぶ

本工は初代和泉守藤原兼重で、説明書は初代康継・繁慶についであらわれた江戸新刀の鍛冶とし、伝に越前の矢ノ根鍛冶から江戸に出て刀鍛冶に転じたとする。現存最古の年紀は寛永二年の薙刀、在銘作は明暦頃まで及ぶ。本工はあくまで初代であり、説明書は、長く同人とされてきた本工と、その門の上総介兼重とを別人とし、主君藤堂和泉守を憚って受領を改めたという旧説を、在銘・年齢入りの作によって退ける。記録はほとんどが鎬造の刀・脇指で短刀は未見、長銘は独特の隷書体で切る。よくつんで処々流れごころにやや肌立つ、地沸つき細かに地景の入る小板目に、説明書が明示する二様、すなわちのたれを基調に互の目が交じり足の入り匂深く沸厚く金筋・砂流しのかかるものと、直刃を仕立に浅くのたれをおびて匂深く匂口の明るく冴えるものとを焼く。姿は身幅尋常で元先の幅差つき踏張りごころのある中鋒詰まりの体配で、説明書はこれを慶長新刀から寛文新刀へ移る過渡期の姿とする。一系は江戸の試し切りの名手と深く結び、多くが山野勘十郎・のちの加右衛門の金象嵌截断銘を負い、初代は古来長曽祢虎徹の師と伝えられる。

鑑定の決め手

作品の29%

作品の43%

作風の変遷

のたれ基調の互の目乱れ(沸深く、金筋・砂流し長くかかる)

説明書の名づける二様の一は、のたれを基調とした互の目乱れである。よくつんで処々流れてやや肌立ち、地沸つき細かに地景の入る小板目に、浅いのたれを焼いて互の目・小互の目を交え、足よく入り、匂深く沸厚くつき、物打あたりに金筋・砂流しが長くさかんにかかり、処々荒目の沸を交え、匂口明るく冴える。帽子は直ぐに小丸、返り時に長く、先掃きかける。説明書はこれを連れた互の目の典型作とし、焼刃に力強さと覇気を見て、虎徹に通う作域とする。身幅尋常で元先の幅差つき踏張りごころのある、慶長から寛文へ移る姿に焼く。身幅広く寸の延びた平造の脇指は同作中珍しい造込みで、小のたれに互の目を交え足の入る、まさに本領を発揮した一口である。

姿 Sugata
地鉄 Jigane
刃文 Hamon
帽子 Bōshi

直刃を仕立に浅くのたれをおびる(匂深く、匂口明るく冴える)

二様の二は、直刃を基とし、純然たる中直刃のものと、直刃に極めて浅いのたれをおびるものとがある。よくつんで地沸のつく小板目に、中直刃を焼いて匂深く小沸よくつき、匂口明るく冴え、区際に僅かに焼込みを見せる。帽子は直ぐに小丸。説明書は、山野家の截断銘を負う作をこの穏やかな手の傑出した一口とし、互の目を交えるのたれ基調の作風の中にも、これらのように純然たる直刃のものがあるとする。現存最古の年紀作もここに属し、寛永十七年紀の在銘刀は浅いのたれに喰違刃を交え掃きかけごころのある上手な作である。これは二様のうち静かな作域で、虎徹に通う匂口の明るさ・冴えが最もよくあらわれるところである。

地鉄 Jigane
刃文 Hamon
帽子 Bōshi
研究

説明書は、長く同人とされてきた和泉守兼重と上総介兼重を、師弟の関係にある別人とする。主君藤堂和泉守を憚って和泉守から上総介に改めたという旧説に対し、在銘・年齢入りの脇指と寛文六年紀の刀から、上総介は寛永三年生まれと知れ、和泉守には既に寛永の年紀があることから、両者は別人と理解される。この読みに従えば、ここに挙げる七口はいずれも和泉守、または和泉守藤原兼重と銘し、すべて初代の作である。

作風について説明書は二様あることを明示する。その作は多くが鎬造の刀・脇指で短刀は未見、作風はのたれを基調に互の目が連れて足の入るものと、匂深い直刃に浅くのたれをおびて匂口の明るく冴えるものとに大別される。一口はそのいずれかの典型作で、説明書はそれを名指す。第六十一回の広直刃の刀は前者、第四十三回の匂深い直刃は後者である。身幅尋常で元先の幅差つき踏張りごころのある中鋒詰まりの過渡的な姿を、説明書は慶長新刀から寛文新刀へ移る姿とする。

指定

国宝—
重要文化財—
重要美術品—
御物—
特別重要刀剣—
重要刀剣7

名工ランク

0.05 (指定作品7点)

刀工の上位22%

刀姿

評価作品7点の分布

銘

評価作品7点の銘の種類

販売中

系譜

Kaneshige
弟子
  1. 1.兼重Kaneshige1 販売中21指定

Edo Kaneshige派

Edo Kaneshige派の他の刀工

  1. 1.兼重Kaneshige1 販売中21指定